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世界はすべてバラエティになる

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cakesで連載の「世界はすべてバラエティになる」12回よりこちらでやっています。基本無料、ときどき有料です。 「どんどん世界は多様化(Variety)する」という意味と願望と… もっと読む
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2020年2月の記事一覧

第237段「悩み=な闇=な病み」

第237段「悩み=な闇=な病み」

人の悩みを聞いていて、思ったこと。

何か悩みや嫌なことがあって環境を変えるとその悩みや嫌なことは解消されるんだけど、同程度の違う悩みや嫌なことが発生するような気がする。
つまり悩みや嫌なことは環境が作るんではなくて自分の脳内で作られる。

ある悩みが解決すると次の悩みがやってくる。
それって脳内の何割かが悩みの領域としてそもそも決まった量だけ確保されていて、そこにある悩みが解決されると、

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第236段「エンタテインメントの三体問題」

第236段「エンタテインメントの三体問題」

ここで、私の職分であるエンタテインメント(以下、エンタメ)分野におけるリテラシー問題を考察してみる。
映像クリエーター集団チームラボの代表・猪子寿之さんがネットの連載で述べている。
「世界は、グローバル・ハイクオリティでノーコミュニティ層と、ローカル・ロークオリティでコミュニティ層に分断される」と。

元テレビマンで現バラエティプロデューサーの自分は、この猪子さんの言及することへの実感を今ものすご

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第235段「言語感覚の変化」

第235段「言語感覚の変化」

最近の自分の変化。
英文を定期的に読んで、BBCラジオ4とかスマホで移動中に聴いてると、だんだん聴き取れるようになってきた。
聴き取れるようになると、ダテに発音がいいネイティブな人よりその国の訛りがある英語の方が知性を感じてしまう。
つまりその人は少なくともバイリンガルではあるから。

でもこの言語感覚の変化、ずーっと英語への苦手意識を若い頃から引きずって来た身としては、純粋に嬉しいのと、何歳

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第234段「中居さんの独立会見で憶い出したこと」

第234段「中居さんの独立会見で憶い出したこと」

中居正広さんの独立会見。彼の人柄と苦悩と楽しさとおかしさと実直さと才能がすごくあらわれてて素晴らしい方なんだと改めて感じました。

↑写真は、2004年のアテネオリンピックの中居さんTBSキャスター就任に合わせて金スマチームもあやかって無理やりロケ敢行(観光?)した際に、街で遭遇したオリンピックおじさんの山田さんとの2S 。

この2004年の金スマアテネロケ、大竹しのぶさん飯島愛さん篠原涼子さん

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第233段「遅れてやって来た自我」

第233段「遅れてやって来た自我」

今までの人生かなり積極的に新しいモノコトを観てきたつもり。
でも今日ふとそれももういいかなあって思った。
新しいモノコトは新しいヒトタチに任せよう。
自分は自分のやるべきことをカタチにしなくてはならない。
ヒトのカタチばかりを観ててもしかたない。
自分のカタチを自分で生み出さなければ。

すごいモノを観たらすごいと思い、つまらないモノを観たらつまらないと思う。
その繰り返しを日々楽しんできた。

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第232段「すごい人のすごい理由」

第232段「すごい人のすごい理由」

すごい考えをすごいやり方で表現してる人はほんとすごい。
それが天才なのだ。
すごい考えを持っててもそれを表現できないとそのすごさはこの世に表出されないから。
自分が考えてることをどうやってどのように何を使って伝えるかを具体的にカタチにできるすごさ、そのすごさに出会うとクラクラする。

自分的にはすごいことを考えてるなって時々思ったりはする(真偽はともかく)。
でもそれを表出できない。
この自分の感

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第231段「すごいとダメのその先へ」

第231段「すごいとダメのその先へ」

たいしたことないのをすごいすごい言ってるの見ると、何がすごいか実はわかってないってセンスが疑われるし、すごくないのに嘘ついてるって裏を感じるし、この人のすごいは当てにならないって信用も減る気がする。
そんなにすごいって言わない方が、すごいって言った時の価値ってすごくあると思う。

一方で何でも否定的にダメ出しされても、何がダメなのか実はわかってないってセンスが疑われるし、ダメじゃないのになんか意地

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第230段「取材の上手いと下手いの違い」

第230段「取材の上手いと下手いの違い」

僕もそこそこ色んな媒体に取材受けてますが自分の言ったことが曲解されたり嫌な風に書かれたってことはほぼ無いです。
一方でそれ以上に取材をしてきたからインタビュアーの気持ちとインタビュイーの気持ちが分かるから、それ込みの自分の想いをどちらの場合でも丁寧に説明してるからかもしれません。

取材ってそのトピックが話題なことの方がいいから聞き手の聞きたいことが話し手の話したくないことだったりする。
で、

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第229段「おしゃべりな理由」

第229段「おしゃべりな理由」

「おしゃべりな人っているが(自分もよくそう思われるが)その話す中身にはたた自分が好きなことしゃべってるだけなのと、相手のしゃべりのきっかけになるタネを出してる場合がある。
自分は後者のつもりでタネを沢山まいてると、おしゃべりだと思われがちなんだけど、実は相手が食いついたら以降は黙ってる(ことが多い)。

つまり相手が話したくなる発火点を自分の会話にどう仕込むか?
これ番組や取材のインタビュアーにと

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第228段「編集の方針」

第228段「編集の方針」

先日、ある企画に出演していただいた方に、いい編集でしたとお褒めのメールをいただき、そのメールで「編集のやり方とか方針とか気をつけてることってあるんですか?」と聞かれたので、以下のように答えたのでした。

ご質問の編集方針ですが、僕らが考える編集の基本方針は、
「尺を短くカットしてつまんだのに、話者が伝えたいことがよりクリアに伝わるようになっている」
ということです。
つまり、テレビのクレームにあり

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第227段「作品の作り方が変わる時代」

第227段「作品の作り方が変わる時代」

Amazonの自著の売上順位を継続的にウォッチングしてると、新刊が出るたびに旧刊のランキングもあがる。
YouTube動画もそうだけど、ある作り手の作品をアーカイブしていくことで、その瞬間にその存在に気づいた人が(気に入ってくれたら)過去作品にもアクセスしてくれるのだ。

これって作り手や売り手の考え方も変わる変革だと思う。
この現象は以前もあったろうけど、ネットで作品の売買や接触が主流になると一

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第226段「企画は真っ当に育てると真っ当に育つ」

第226段「企画は真っ当に育てると真っ当に育つ」

来たー!
ある企画にすごい方のキャスティングに動いてたら好感触!
長年キャスティング作業してるとその人が断るか?興味を示してくれるか?だいたい見当がついてくる。
つまりこちらのコンセプトがちゃんと有ってちゃんと説明できれば、むしろ断ってくる人はこちらのコンセプトと合わないからで、それでよいのだ。

その方のスタンスや生き方や作品に惚れるから僕は自分の企画に出演して頂きたいわけで、その人が売れて

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第225段「五十而知天命?」

第225段「五十而知天命?」

大学院修士の課題レポート7つあったうち結局先週火曜〆切の1つは諦め、4/6は何とか先週提出。そして明日月曜〆切の最後の2つのうち1つが、今やっと書けた。。。残るはあと1つ、間に合うか。(そしてその間、自著の執筆が2つも止まっているううう。。。)

でも課題レポート書くために色んな課題のテーマに関連する色んな文献読んで色々考えてたら、この行為自体が今後の僕のビジネスにならないかな?って想いが突如や

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第224段「予想はいつも想定外で、想定はいつも予想外」

第224段「予想はいつも想定外で、想定はいつも予想外」

何かの宣伝とか評判とか説明って、ありのままを伝えてくれるものと、それ以上に見せようとしているものがある。
でもその何かを体験したら結局嘘ついてたらバレるのだからそれ以上に見せようとしないほうが絶対いい。
そうなんだけど実際はそれ以上に見せようとする人や組織が多いのはなぜなんだろう?

言い方に気をつけることと言い方で盛ることとは違う。
夢を語ることと夢が現実になることとは違う。
そう思ったこととそ

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