違う部署で働くあなたを初めて見たとき 一瞬で嫌な人だと思った イジワルそうだと直感した 部署異動であなたが来たとき 嫌だなと改めて思った あなたとは8歳違いだけど 経験年数はあなたが1年先輩 いつからか、あなただけは私の事を 「ババァ」と呼ぶようになっていた 呼ぶのは勝手だけどね 私も嫌だと言わなかったからね あなたのことなんてどうでもよかった 音が聴こえにくい障害を持っている人の前で その人をバカにしたような物真似したり ほんとに一緒に働く事が嫌だった 物真似
そっちでも元気にしてる? おいちゃんは運転が上手で休みの日に でっかいトラックの助手席に乗せてくれてたよね ちょっとした坂道のふわんとなるあの道 あたし達が喜ぶからあの道通ってくれてたでしょ? 時々あの道を通ると思い出すよ 私が就職で県外に出て 初めておいちゃん宛に送った荷物覚えてる? 「ありがとう」 自分は両親も血のつながった兄弟もいないから 初めて自分宛に届いた荷物だと喜んでくれた 中身は何でもない お菓子とカップ麺だったのに 私の身近な人の中でいなくなったのは
小さい頃団地に住んでいた 昼間、母が自動車学校に通っていて 外出する時間があった その時間は昼なのに部屋は薄暗くて 大人がいない怖さが込み上げてきた 母が玄関を出ると すぐにベランダに出て 見えなくなるまで見送った わんわん泣いていた 数時間で帰ってくるのに とてもとても長い時間だった 泣く日々を繰り返していた 「.....」 ベランダの板越しから声がした 隙間から優しそうな女性の顔が見えた 体の小さかった私は 柵と板の隙間をすり抜けて隣に行った 泣いてい
最初の宛名は誰? 最後の宛名は誰? 人生100年時代とかいわれているけど いつ死ぬかわからない 苦しいとき、弱ってたとき、落ち込んでいたとき... 顔も知らない誰かの言葉で救われたり 通りすがりの誰かが優しくしてくれたり なのに 私は思いを言葉にすることが苦手で 素直じゃない どれだけの人に思いを伝えてこれただろう 想いを伝えられなかった人へ 少しずつ書いていこうと思う 書きたい相手がたくさんいる それは名前も知らないあなた宛かもしれない 初めに書くのは..
読んで字のごとく 朝4時半、多くの人が活動する前に散歩へ いつも歩く道順は気ままにぼーっと歩いて 特に何事もなく小一時間で帰宅する 今日は仙人がいると噂のオンボロ飲み屋の近く、 暗がりの中、ほのかな明かりのある場所に歩いていく男性を見つけた 近づいて行く間にも数人の男性が吸い込まれていく 怪しい場所なのか...気になる スマホを見るフリをしながらゆっくりと通りすぎてみる お店の外に男性1人 店内には男性2人とショーケースを確認 ん? ショーケースには積まれた何