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鹿児島旅 屋久島登山編[5日目]

朝4時半に宿を出発して、バス停でsを待つ。が、sは一向に姿を見せない。どうしたのかと思ってLINEで連絡すると、お腹が痛いとのこと。
その間にもバスは来てしまって、バスに乗ることができなかった。
このバスを逃すと、次来るのが1時間半後とかなので、色々会議した結果、他の方法で行くことにした。
本来なら荒川登山口から縄文杉まで登り、白谷雲水峡の方向へ降りていくというプランだったが、荒川登山口まで行けなくなったので、白谷雲水峡から登っていき、荒川登山口に降りていくというルートにした。ただ、白谷雲水峡の入り口まで本来ならバスやタクシーで行く人がほとんどの中、まだ早い時間だったこともあり、徒歩で白谷雲水峡の入り口まで歩かなければならなくなった。
遅れてしまったsはひどく落ち込んでいた。
あんまり雰囲気は良くなかったが、歩き始める。

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歩いていると徐々にsのテンションも戻ってきた。

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山道に入っていく。山は登り始めが一番しんどいなと思う。慣れていくと結構歩けるようになる。

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川を横断して歩かなければならないところで足を滑らせてしまい、左足がびしょびしょになってしまった。

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白谷雲水峡に入ったみたいだ。一面にびっしりと苔が生えていて、緑の世界だ。鮮やかな緑や少し暗い緑もあって、緑の中にも様々な色があって美しかった。

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人が歩いているところだけ苔が生えていなくて、人が踏み入れた場所がよく分かるようになっている。

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屋久島には石の上に木が生えているものが多い。石の上に木が生えていて、その上からさらに木が生えているような地形があって、複雑な形をしている。
昔はこの石の上まで土があったということだろうか。長い年月の中で土だけが削れていって、石だけが残り、かつて土の上に生えていた木が石に絡まる形で残っているのだろうか。

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また、屋久島には板根(ばんこん)と呼ばれる、板のように平べったい形をした根が生えている。これは、屋久島は表土が浅く、根が深くまで伸ばすことができないため、根で木を支えるためにこのような形になっている。

昨日博物館で勉強したことが結構活きたのでよかったな。

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根が何重にも絡み合っていて面白い。見えていないだけで、もしかしたらもっと奥深くまで根が張り巡らされているのかもしれない。

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トロッコ道に入った。このあたりが、荒川登山口から来る人たちとの合流地点となる。

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sが結構しんどそうだったので、ウィルソン株まで行って引き返すことにした。5時くらいから軽く雨が降る予定だったので、もしかしたら正解だったのかもしれない。時間的にも厳しそうだったので、賢明な判断ではあっただろう。少し残念だが、仕方ないことだ。

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ウィルソン株へはトロッコ道ではなく、また山道を登っていく。トロッコ道からウィルソン株まではすぐに着いた。

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ウィルソン株に着くまでに休憩するベンチがあったのだが、そこにある切り株にもハートに見える角度を見つけた。なんとなく探してみたら、見事にハートに見えたので面白かった。

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こっちが本物のやつ。綺麗にハートに見える。普通に見上げるだけではハートに見えず、多少角度を変えたりしゃがみ込まないとこの写真は撮れない。誰が最初に見つけたんだろうな。

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ウィルソン株で写真を撮ったり、3人の写真を撮ってもらったりした後、下山。帰りは荒川登山口までトロッコ道を歩いていく。荒川登山口からスタートすると、トロッコ道が多く、ほとんど平地なので楽だ。

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3時のバスに乗るために猛ダッシュする。次のバスだと1時間待たないといけなかったので、それが嫌だというOに着いていく形でトロッコ道を走る。まだ元気のあるOは結構なスピードで走っていくので、ついていくしかない。ラストだからという都合の良い言葉でずっと励まし続け、なんとかゴール地点である荒川登山口までたどり着いた!

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....ギリギリ間に合わなかった。
着いた瞬間に見えたのは発車したバスの背中だった。3人で膝から崩れ落ちて、「くそー!」と言っていると、バス停にいたおじさんに「走ってきたのに残念だったね〜」と笑いながら言われて、多分おじさんが想定した走り以上の走りをしていたんだろうなと心の中で思っていた。結構長い間走っていたので。

次は4時なので、それまで待合室で待つ。少しずつ雨が降ってきていて、本来のルートで進んでいたらなかなか悲惨なことになったのかもしれないなと思った。多分、白谷雲水峡の山道を下るのは少し厳しそう。それに、私はただのランニングシューズで来ていたため、滑って相当危ないだろうから、これで良かったのかもしれない。屋久杉を見られなかったのは少し残念だが、仕方ない。

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バスを乗り継いで宿に帰る。途中のスーパーで夜ご飯を買って、帰って食べた。

正直、私とOはそれなりに登山経験もあるので、2人で来たら屋久杉まで行けていたのだろうが、sは全くの初心者だったから、流石に無理のあるスケジュールだったのかもしれないなと夜になって反省した。sのことをもう少し考えてあげるべきだったし、もう少し私がOのブレーキ役になるべきだったな。Oは目的のために視野が狭くなってしまうことがあるので、その辺のバランスを私がとってあげないといけなかった。私はそういうバランスを取ることに長けているという自覚があるし、そういう役割を担うことが多いから、私がちゃんとしなければいけなかったなと反省。途中から私もバランスをとろうと立ち回って、雰囲気が良くなったが、もう少し早い段階で行動した方が良かったのかもしれないなあなんてことを考えた。

途中は部活動している時の雰囲気になっていて、少しだけ険悪だったが、それでもウィルソン株にたどり着く時には良い雰囲気で終われたから良かった。sも最後には笑顔だったし、結果的には良かったんじゃないかなと思う。

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