東海道徒歩旅[4日目]

歩くのに慣れてきて精神的にも余裕が出てきたので、これからは割と長めの文章が続くと思う。

昨日は9時くらいに寝たこともあって、朝の6時くらいにパッと目が覚めた。体の状態は決して良いとは言えないけれど、問題はない。
1日目や2日目が終わった後と同じような筋肉痛だ。いや、むしろそれよりも楽かもしれない。

10時頃にホテルを出て、また今日も東へ向かう。雲一つない青空だった。恐ろしいほどに、広い青空だった。少し冷たい空気が吹き抜けて、私の髪を軽く揺らす。

前を歩いているおばさんがふと立ち止まって空を見上げた。何かと思って私も空を見上げると、飛行機が飛んでいた。真っ青な空に白い筋があって、少しの間おばさんと同じ飛行機を見ている時間があって面白かった。

しばらく歩いて、井田川駅というところに着いた。駅には改札というものが見当たらず、ホームと外側が地続きになっているようだった。つまり、切符を買わずとも電車に乗れてしまうということで、非常に驚いた。まあ、多分降りる側の駅には改札があったりするから、無賃乗車とかはできない仕組みになっているのだろうけれど、なかなか面白いな。

その後、休憩とこのnoteの表紙になる写真(YouTubeでいうサムネイルみたいなものだ。)の撮影。3日目まで全部自分が入っている写真を載せていて、せっかくだから全部そうしてやろうということで一応やっている。

この写真を撮るのに結構苦労した。多分30分くらいかかった。草ができるだけ写らないように服を下に敷き、リュックにスマホを立てかける。角度を調整して、どの辺りに自分が立てばちょうどいいかを探る。
10秒タイマーをセットして、ボタンを押した瞬間にダッシュ。私はわりと足が速い方なので、少し遠いのだがギリギリ間に合った。

ちなみにボツにした写真。
端全体が写っていないのと、いまいち自分の立ち位置が掴み切れていないため、変な体勢で写っている。あと、自分が写真の真ん中に寄りすぎているのでボツにした。

1時間くらいそこで昼寝して、出発。時間的にも今日は結構余裕があるので、ゆっくりする。リュックを枕にして寝転ぶ。空が広がっていて、実に気持ちが良い。少し眩しいが。

庄野宿に着いた。
歌川広重のこの絵はよく見るけど、ここを描いていたんだ！という学びを得た。
こういう、なんとなく知っているものの、輪郭が明確になる瞬間は勉強とかの一番楽しい経験になると思うし、こういう経験が多い人が勉強好きになるんだろうなと思った。私は勉強があんまり好きでは無かったので。

途中休憩所のようなところで東海道を歩いている人が読んだり書いたりして交流できるノートが置いてあった。
感想とかメッセージの後に、早稲田の四女や、豊川市の爺さんや、伊豆市のおじさんと書かれてあって、ちょっと面白かった。

最後の6キロは結構しんどかった。ひたすら一号線を歩くのだが、単調な道が続き、景色も代わり映えがしない。そして、車が多く通ってうるさいため、小さなストレスになってきて、それが積み重なって精神的にもしんどいところがあった。今日はそこまで長い距離を歩いているわけではないのだが、疲れが溜まっているのだろうか。幸い、無理のないスケジュールを組んでいるため、時間的には余裕がある。休憩を入れながら少しずつ進んでいく。

体を動かし続けないと、目的地には着かないと言い聞かせながら進んでいく。
誤魔化すために歌を歌いながら、一歩一歩足を前に運ぶ。

5時になった。少し早いが、夜ご飯とする。
食べたのは「伝丸」というラーメン屋。
先にこれといった飲食店も無かったし、パッと目について美味しそうだったので入る。
大盛りが無料らしいので、大盛りを頼む。並盛と大盛りで値段が変わらないというのは珍しいな。
店は私の他に誰もおらず、店員も女性一人がまわしている感じだった。

濃厚味噌ラーメンというのを注文。
チャーシューの上に生姜が少しだけ乗っていて、スープや麺と絡めて食べると味がさっぱりとして美味しかった。
味噌汁に麺を入れている感じで、すごく美味しい。
ご飯を食べて休憩もしたので、体力は充分回復した。ご飯と休憩は偉大だ。
店を出たところで友人から電話がかかってきた。無人島の計画の話だ。3月中にまた無人島に行くことになりそうだ。俄然やる気が湧いてきた。詳しくはまた後日にしておこう。

宿に着いた。軽くシャワーを浴びて、しっかりと足をマッサージする。
旅の間は、自分の体だけが頼りである。体を痛めてしまうと、何もできなくなってしまう。丁寧に、指の腹で筋肉をほぐしていく。こういう細かい体の手入れが長旅を続けるコツになるかもしれない。普段、自分がいかに自分の体に無頓着なのかが分かる。

亀山→四日市
歩いた距離ー24キロ。