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「変わりなき日常を限りなく」2023年10月18日の日記

この2日間は完全に引きこもっている。


村田沙耶香『変半身』を読んだ。「変半身」と「満潮」という二つの短編からなり、どちらも一気に読んだ。

「変半身」の方は、宗教がテーマになっている。
舞台は田舎の小さな島になるのだが、島という閉鎖空間は、村田沙耶香がよく描く「普通」を描くのに最適な場所だ。

「満潮」の方は、性がテーマになっている。村田沙耶香の作品は性がテーマになっているもの、宗教がテーマになっているものが多く、共通して「普通」とは何かを問い直すような作品が非常に多い。

「潮を噴いてみたい夫」という、一見ふざけたような設定を、海や鯨などにかけ合わせながら神秘的に描いているのが面白い。
「私」の友人の雪子がいわゆる「普通」の価値観の持ち主として描かれているが、その間で揺れ動く「私」の描写が良い。
最初は「私」も潮を噴くという夫の目標がよく分からず嫌悪していたが、徐々に自分も興味を示していく。この潮に対し、「私」も夫も性欲を満たすために噴こうとしていないというのが面白いポイントだろう。潮を噴くという行為によって、自分の身体は自分のものであることを再確認しているようにも思える。
自分の身体が世界のものである、というのも他の作品に多く出てくるな。性もそうだし、妊娠とかの概念でも、自分の身体は子孫を残して人類の繁栄に貢献するため、みたいな価値観として多く出てくる。
「コンビニ人間」では、立派な人間になるためには、仕事をして世界に貢献するか、子孫を残して世界に貢献するかの二つしかない、みたいなことも言っていたし。

左手で歯の硬さに驚き、右手で膣の袋の感触にはさまれていふと、身体の中で手が繋げそうな気がした。

p170

好きな描写。


午後からは卒論をダラダラと進めた。この段階になると一気には進まなくて、ダラダラと空いてるところを埋めるような感じになってくる。まだまだ書かないといけないのに。


夜ご飯を食べ終わった後は少し散歩をした。
最近体重が増えてきているので、多少意識していかないといけない。体脂肪率はそこまで増えていないので今のところ問題なしと判断しているが、父親や兄を見ていると自分もみるみるうちに太っていきそうで怖い。これからずっとこの怖さと闘わないといけないのか。これまで体重を一切気にしたことがなかったので、体重が増えていく恐ろしさをヒシヒシと実感している。


さっきまで1時間ほどHと電話をしていた。今週末にOとHで山に行くのだが、その計画について色々と喋っていたらあっという間に時間は流れた。
最近登山を趣味にしようと考えて、実際に色々と山について調べているが、やっぱり近くに同じ趣味の人がいると楽しい。というか、私はコミュニケーションツールとして趣味を作っている感じがある。何かを始める時に、「誰かとその話ができるから」という理由が一つ大きな理由になっている。もちろん好きなのは間違いないんだけど。

これ、なんか前にも書いた気がするな。気のせいかな。気になって気も漫ろ(そぞろ)だ。気にするな。

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