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「みどりいせき」2023年10月6日の日記

大学に行って卒論をしたり、本を読んだりした。


文学界の10月号、國分功一郎×若林正恭「ビッグモーター化する世界の中で」を読んだ。
対談の中で、資本主義が進んだ現代では目的なき手段が排除されてきているという話があったが、これはまさにそうで、どんどんと世界が虚無的になっていると感じるのも、おそらく手段と目的が一体化しすぎているせいだ。手段と目的が一体化していれば便利で早いことに違いないが、回り道の中で得られるものもあるだろう。人との繋がりは案外そういうところで生まれることも多い。

「暇」の話もしていた。

これはずっと昔から私が思っていることだが、これだけ機械や情報技術なども発展して、昔よりも便利になっているのに、労働時間が減らなかったり全然楽にならないのが不思議で仕方ない。
食べることには困らない世界において、まだ昔の人と変わらないくらい働いている。もっと暇になってもいいのになと思う。色々なことがもっと緩やかに流れてもいいのに、世界はどんどんと早さを増しているような気がする。そして、その流れの中に、私も呑み込まれている。

私は、大学の在学中に、暇を作ろうということをずっと意識していた。いや、これは小学生の時くらいから意識していたかもしれない。
年齢が上がっていくにつれて皆塾に通ったり、何か習い事があったり、小学生にして皆が忙しそうに見えた。忙しいことが良いことのように扱われていることが不思議だった。暇だとなぜか罪悪感を抱いた。すでにそうなってしまっていた。

大学生になってサッカーを辞め、部活動やサークルにも入らず、暇を作ってみようと思った。コロナで社会がしばらく停滞していたから、暇を作るにはちょうど良かった。
もう数年が経つ。色々なことが暇を作ったことによってできた気もするし、結局何も出来なかった気もする。


すばる新人賞を受賞していた作品でもある、大田ステファニー歓人「みどりいせき」を読んだ。

めちゃくちゃ読みにくい!

口語、それも、かなり砕けた口語の文章で物語が展開していくのだが、それに加えてドラッグを吸って覚醒している時の描写もあり、小説として読むのはかなり難しかった。「レタチャがエグちす」(レタスチャーハンがエグいくらい美味しい)って言葉、小説で見たことない。

性描写がないのが新鮮だったな。ドラッグが中心になってくる話ってセックスとかが割と出てくるイメージだったから。この小説はセックスどころか登場人物の性別もイマイチ分からないくらい性の概念が抑えられている。

登場人物の説明とか、背景の説明が全然されないので、正直全然理解してない部分もたくさんあるが、最後には凄いものを読んだなという感覚があった。インタビューだと、こういう作風でしか書けないと言っていたから、次回作にも期待だ。

頭が痛くなってきたので、家に帰る。家に帰る頃にはもう9時を過ぎているだろう。

電車の中では村田沙耶香「地球星人」を読んでいた。今日は本ばかり読んでいる。
まだ途中までしか読めていないので、感想はまた読み終わった時にするが、「コンビニ人間」と似ている点もあって面白い。




眠すぎる!!!

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