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アクティビティをつなげていくことの大切さ その1

 中学校の英語教師として最近意識していることは「つなげる」ことです。

 若いときは刹那的な楽しさを追い求めて「英語を使うゲーム」をしたり、ALTと「コミュニケーションごっこ」をしたりして英語力を高めたつもりになっていました。

 英語を使うゲーム、すごくはやりましたね。生徒は競争心をあおられてすごく熱中するし、「あー今日の授業楽しかった」という生徒の声を聴くと、やっぱりゲームは楽しいよねとなり、またやってしまうわけです。
 しかし、まったくもって学力がつかない・・・。どんなにゲームのシステムをうまく作っても、ゲームの目的が相手に勝つことである限り、生徒は英語を正しく使おうとはしないし、そこに気持ちと気持ち、考えと考え、意見と意見、を酌み交わすコミュニケーションはありません。

 また次にTBLTもどきの「コミュニケーションごっこ」もALTと一緒によく考えました。犯人探しやインフォメーションギャップ活動など、先生方もやったことがあるものが多いのではないでしょうか。

 しかし、ALTと考えたアクティビティは生徒の思考レベルに合わないものが多く、ルール自体が難しかったり、未履修語彙が多すぎて、アクティビティ前に語彙を反復練習するだけで10分以上使ってしまい、アクティビティを始めるころにはだれた雰囲気になっていることもありました。またアクティビティ中も、その難解な語彙が足かせとなり、本来の目的であるインフォメーションギャップ活動がうまくいかないこともあり、生徒の消化不良を起こして、「今日の活動はなんか難しかったな・・・」という感想だけが残ることもありました。生徒が英語を聞いたり話したり書いたりする時間も短くなりがち・・・。なにより、アクティビティ同士のつながりがないので、「単発な活動」という感がぬぐえませんでした。

今は、あまりアクティビティをこねくり回すことなく、会話活動をしたり、ディスカッションをしたりして、そのあと個人のライティング活動をしたり、書いたものを読み合ったりするというシンプルなものにしています。その時に必ず「つなげる」ということを意識します。

1.QA20
 例えば最初に「QA20」という活動をします。これは質問(Q)と答え(A)を20セット用意します。生徒は答えた後に一文付け足すようにします。例えば、Do you like sports? という質問に対して、Yes, I do.だけでなく、I like table tennis.ともう一文付け足すわけです。

 生徒はペアとこの「QA20」を10回行います。10回やったら生徒はALTとインタビューテストをします。生徒はものすごく緊張しますが、すごく満足した表情でテストをやり切ります。やはり、ALTと会話ができたという満足感があるのだと思います。

2.Let's Chat
 このQA20の次は「Let's Chat」をします。生徒はQA20のどれかの質問から会話をスタートさせます。QA20でできるようになった質問をより自然な形で使えるように「つなげる」活動をします。さらに最近習った文法事項を使うようにさせます。will, be going to, when, if, because, 第4文型,第5文型など習っていましたので、できるだけ使わせたり、時には「必ずbe going to使うこと!」と制限をだし、使うことができたら、報酬としてステッカーを与えました。習った文法をより自然なコンテクスト中でどう使うかを考えさせるわけです。ここでも「つなげる」ということを意識しています。

 ここでの目標は1分間会話をつなげることです。つなげるために、「ニアシの法則」を生徒に紹介します。これは上山晋平先生の著書「はじめてでもすぐ実践できる!中学・高校英語スピーキング指導」で紹介されています。

ニ・・・二文で答える
ア・・・相槌をうつ
シ・・・質問をする
この法則で会話が続くようになります。

3.Conversation between A and B
 このLet's Chatの後すぐに今度はwritingの活動をします。AさんとBさんの会話をノートに書かせます。出だしはQA20のどの質問でもよいとするときもありますし、この疑問文から始めなさいと指定するときもあります。評価はAさんBさんの往復で1ターンとして、3ターンでB、5ターンでAとします。また、最近習った文法や表現を使っているかということも評価します。よい例は、プリントにして配付します。生徒はこのプリントに掲載されたくて頑張ります。

さて、今回はここまでです。この後もどうつなげていこうかとアイデアはありますが、現時点でここまでしかやっていませんので、またのお楽しみということで・・・。

とにかく今学習していることとアクティビティを「つなげる」こと、アクティビティ同士を「つなげる」ことを意識すると、生徒はより学習に真剣に取り組むようになったなあと感じます。活動がfunからinterestingになったということでしょうか。

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