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【HSP】とは何か?

今日は概念的な事をお話しします。

1.HSPとは何から生まれた言葉なのか?

HSP(とても繊細な人)、HSC(とても繊細な子ども)とは、エレイン・Nアーロン博士の提唱した概念です。

HSPは元々、「内向的」「神経質」「消極的」「引っ込み思案」「怖がり」等と言われてネガティブな性格とされていました。「外向的で積極的な人」が社会の発展に貢献するしてきた部分が多いので、それ自体は間違いではないとは思います。しかし、正確な表現ではありません。

アーロン博士は「内向的」だとされてきていた人々の研究をし、本当は「繊細で感受性豊かなで創造的な人・子ども」と言う事、人口の15〜20%を占めるとしています。「ネガティブ」ではなく、「個性」の一つで性格特性と示しました。

その研究により、感受性の強さは主に育てるもので身につく後天的なものではなく、生まれついての先天的なもので遺伝的性質であり、持って生まれた才能という事が分かりました。

そして、HSPは内向型タイプだけでなく、外向型も存在します。割合は内向型80%、外向型20%ほどです。つまり、繊細な人=内向型ではないと言う事です。まぁ内向的な人がみんな繊細ってわけでもないってことになる部分が面白いですね。

HSPの感受性とは別に、内向的や外向的、神経質やメンタルタフネス、等は身に付く・身に付けられるもの後天的性質だとも言えます。つまり、HSPの特性を生かせてネガティブになりやすい部分は克服できるってことですね。

ちなみに、内向的な人の方が思考が深くてIQが高いともされています。使いどころですね。

2.HSPに備わっている特性とは?

[HSPの4つのの特徴]
HSPについては今、様々な書籍が出版されてYouTubeでも色々な形で紹介されています。認知度は確実に上がっていますが、正確に伝えているものは少ないように感じます。少し、腹立たしく感じます。物事にはルールや基準や概念と言ったものを無視することは出来ません。基本を蔑ろにして応用することは出来ず、それだとただの我流になりますからね。
誤解がないようにしたいのは、「感覚が過敏だ=HSP」ではありません。

アーロン博士によると、HSPには特徴的な4つの性質が存在するとしています。

〈D (Depth of processing):深く考えて処理する〉一つの情報から多くの状況を知る・考える・察する事が出来るのです。無意識・意識的は関係なく、何事にも徹底的に追及してしていき、理解を深めていきます。これを基にすると、「過敏性」ではなく「感受性」の強さだと捉えられます。感受性が強いので、深い思考に結びついていくのだと考えられます。場の雰囲気に合った行動する事も出来る為、「空気を読める人」になれます。この為、他人・物事に対する共感力が強くなります。HSPは非HSPと比べて、脳の島皮質という内面の感情や外部の感覚入力をする場所が強く活性化していたそうです。つまり、脳の機能的にも感受性が強い状態にあると言えます。

〈O(Overstimulation):過剰に刺激を受けやすい〉
五感が優れている分、何気ない音・匂い・光等の刺激に影響を受けやすい。それを無意識にでも気にしてしまう為、消耗が激しくなってしまいます。
どんなに楽しい場所、家族やカップルや親友と一緒にいる時でも刺激が多い事になってしまうので、非HSPの人と同じペースで過ごすことは疲れ切ってしまう事になるのです。

〈E(Empathy and emotional responsiveness):全体的に感情反応が強く、特に共感力が高い〉
共感力とは、他人の感情を読み取る強さの事です。
HSPは相手の感情や心理を読み取る事に優れています。人の顔色を読み、周りの空気を読んで周りに合わせようとします。
人のちょっとした目線や声のトーンや話し方などで、相手の機嫌や変化が敏感に分かってしまいます。

〈S(Sensitivity to subtleties):些細な刺激を察知する〉
小さな音、かすかな匂い、光の強さ、ちょっとした変化などの普通なら見落としてしまう・気づかない事にも気が付いてしまいます。
これは、各感覚の受容体が優れているというわけではなく、それぞれの感受性が強い事によって引き起こされる現象です。
感覚器官が特に発達している場合もありますが、大半は感覚の反応よりも思考や感情のレベルが大きい事によって、ささいな刺激を察知しているようです。
その為、直感(第六感的なもの)や直観(経験や知識が凝縮された思考)が優れています。
しかし、刺激が多い環境だとかえって気付けない事も増えてしまいます。元々過敏で情報量が多くなりがちなHSPがその環境に入ってしまうと完全にキャパオーバーを起こしてしまうようです。

これらの4つの特徴があり、〈深く考えて処理する〉〈過剰に刺激を受けやすい〉〈全体的に感情反応が強く、特に共感力が高い〉〈些細な刺激を察知する〉の全てに当てはまる事が、感覚が過敏な人とHSPを分ける境界線になっています。これらの特徴の内、4つ全てに当てはまらなければHSPではありません。

自分を深く知る為にも、一つの指標として考えてみても良いかも知れませんね。

3.最後に

HSPで生きづらさを感じている人も多くいるかと思います。自分の内面と向き合っても何が他の人と違うかが分からずに苦しい思いを感じた人もいるでしょう。HSPである事を受け入れられていれば早いと思いますが、今までの自分を否定してしまう様で中々スムーズに出来ないかも知れません。

まずは、HSPについて知ることが自分自身と向かい合う第一歩になると思います。確かに煩わしい部分もありますが、優れた性格特性である事も事実です。

周りに変わる事を求めるより、自分の長所として捉えて向き合い、自分が変わっていく様にしましょう。その方がはるかに有意義です。

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