見出し画像

143メリーウイドウの旅③クルーズミステリー

温泉や好し

本日はアジアのとある港へ着く予定。日本との交流盛んな隣国、12時着予定。下船までは時間掛かりそう。地に足がつくのは何時かな?

ミツコさんの推奨、温泉行きだからルンルン。
パスポート返却後、コスタカード、コピーの3点揃え入国審査は、キールン港にて、
会社主催のOPTION参加者が優先で、個人外出は最終!
午前中は、スローワルツの教室へ。これは習わなくてもかんたん。55年前日興証券のOLだった頃、仕事終えてからのバイトで、CBC放送局の音楽番組の電話受付をやったことがある。
華やかな業界のクリスマスパーティーに呼ばれた。すぐリズムに乗っている花子に、恰幅の良い紳士が、踊りましょうとスマートに手を差し伸べる。リードのままに夢気分、フロアの真ん中でライトを浴びて踊った。はっきり覚えていた。
満ち足りた30分の練習。
キールン港に、2時半着。接岸から下船まではまた時間がかかった。
ターミナル前に並ぶタクシー捕まえ、ミツコさんが交渉。
英語、日本語、通じず、タブレット翻訳で、中国語とのやり取り。翻訳は誠に危うく、珍妙な言葉かわされ、それでもなんとか!
30分で温泉らしいが、行き、先ず800元。一人200元で出発、古びた町並みは雨空であり、賑やかそうだがくすんだ眺め。落ち着いた街を抜け海の見はらせる道になった。
彼方此方に小島が見え、海岸線の眺めもあったりでドライブは愉しく、船の大揺れとは大違い、心地よいリズムで進んだ。
目的地のレトロな建物。帰りの交渉。待ち時間一人100元、帰りも800元、5時、20分までと決めた。
我等4人、ミツコ、サダコ、ノボル、花子。
久し振りに陸を歩くので、ホッとした。
旧金山総督温泉は、昭和14年建てられた。日本海軍のオエライサンタチが、使っていたのだとか。(観海男女裸湯)(総督目的地温池)(露天温泉)(北海風情湯屋)漢字の国では、なんとなく意味が伝わり面白い。
水着着用温泉もあるが、私達は4階の露天風呂に。
入場料300元、1200円なら御の字である。
エレベーターなく、急な階段エッチラオッチラ!一人と三人に別れ、女は賑やかに。髪はキャップ着用、ラクダ色のバスタオルとタオルが渡された。
温めの大浴槽と、熱めは小浴槽。冷水もある。船ではシャワーの毎日、手足を伸ばしまず、日本人になりきる。
今日温泉にたどり着き大満足。
那覇に寄れなかったことも忘れてしまった。単純な人たち。
今この時点で幸せ充分享受して、穏やかな我等旅人!
途中でミツコさんが、素頓狂!サダコさんは、夫婦で入ればよかったね!気が利かなかったなあ!
タクシーまで少し間があった。(観海饗應)にて、マンゴージュースを、これは花子の奢りにさせてもらう。仲間に誘ってくれたお礼の気持ち。
提供は(新鮮美味的、和各式精緻的飲品)冷た過ぎない濃厚ジュースは、喉に心地よし。
約束通り帰りのタクシーに、乗り込んだ頃には、気違いじみた雨になった。運転手は船近くに良いところがあるから連れて行くと、言ったが、あまりの土砂降りにサダコ夫婦はその気をなくし、ターミナルに車をつけてもらった。
最終乗船は8時半。2時間もある。温泉が良かったから、夕食はおとなしく船でと決めて、ターミナルでお土産購入。次女がパインケーキと言ってたので、上等と普通と2種買って、両替分の残りも使い果たした。
サダコさんが台湾ラーメン食べたいというので、その気になって看板見てたら、ご主人ははや、ずっと前方にいる。慌てて、言い出しっぺが走っていってしまった。
ミツコと、花子。まだ少し元を持っていた人にラーメン奢ってもらっちゃった!
大きな丼にタップリの排骨、体に良さそうな美味しいラーメン。スープも、残らず飲み干した。
ご機嫌で戻ったところへ、又又とんでもない知らせ。
お客様各位に。明日1月24日の寄港地、宮古島が悪天候の予報、寄港取りやめ鹿児島に変更、到着は25日午前11時予定とのこと。明日は終日航海となる。

またもや頭抱える羽目になったミツコさんが気の毒でならない。あなた任せの花子は諦めれば済むが、島を案内してくれることになっていた友達との連絡が取れない。
眠れない夜になってしまった。
手土産も用意して、スーツケースには、本も受け取ってもらおうと拙著一冊忍ばせてきたが!
何より、上陸中止を伝えて誤りたいが何ともならず、悪夢にうなされかねない、気の毒なミツコさんだった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?