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【税金の基本4】遅れてやってくる住民税の仕組み

所得税の次に重要なのは住民税です。仕事をしていれば、皆さん払うことになるからです。「日本の税金の仕組み」で、国(税務署)に確定申告すると、その情報が市区町村に共有されて、役所側で住民税を計算してくれる、という話をしました。自分で計算しなくても済むので、詳しく知る必要はないのですが、結構な金額を支払うので、住民税のしくみも紹介しておきましょう。

住民税は「所得割」と「均等割」に分けて計算されます。

まず、「所得割」ですが、住民税では、所得に掛ける税率は一定割合の10%です。所得税と違って、所得が増えても税率は変わりません。この10%の内訳は、道府県民税の4%と市町村民税の6%となっていますが、一括して市区町村に支払うので、区分について意識する必要はありません。

ここでは、所得税とは別に、住民税を10%支払うということだけ覚えておいてください。これに加えて、「均等割」も払います。「均等」なので、所得の金額に関係なく、一律5000円が課税されます。

自治体によっては、所得割の税率を変えていたり、均等割に上乗せするところがあります。正確な計算方法を知りたい方は、お住まいの自治体のウェブサイトでチェックするといいでしょう。

住民税は遅れて支払う

住民税は、所得税に比べて、納付の「タイミングが遅い」という特徴があります。

所得税は、確定申告の期限である3月15日まで(土日の場合は、翌週の月曜日まで)に支払いも済ませるのですが、住民税はその後から支払いが発生します。なぜなら、3月15日までに提出された確定申告の情報に基づいて、市区町村の役所が住民税を計算するので、皆さんに通知するまでにタイムラグがあるのです。

だいたい5〜6月に、市区町村から(住民税は地方税なので、税務署からではありません)あなたの住民税はいくらですよ、という通知が来ます。役所側で計算した結果が記載されています。

この通知には、皆さんが銀行や郵便局、コンビニなどで支払うための納付書が入っていて、一括または年4回の分割のいずれかを選んで支払います(納付期限は下の表を参照)。

所得税と住民税の支払いタイミング( 個人事業主の場合)

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3月までに所得税を支払って、「これで終わった〜」と思っていたら、後日忘れた頃に住民税の通知が来るので、納付書が届いて、「なんだこれは!」と驚く方も多いです。所得税を払って終わった気になっていると、後で大変なことになりますので、住民税のこともしっかりと覚えておきましょう。

▼出典
『令和版 駆け出しクリエイターのためのお金と確定申告Q&A』
(桑原清幸・玄光社)
キャラクターデザイン=山内庸資


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