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【税金Q&A_1】副業収入にも税金はかかるの?

Q
普段は一般企業で働いていますが、出版社から個人的にイラストの仕事を引き受けています。今年は1年間で合計30万円ほどの収入がありましたが、税金はどうなるのでしょうか?
A
収入が少なくても、所得(もうけ)があれば、税金がかかります。したがって、他の所得と一緒に、副業からの所得もきちんと申告しなければいけません。

ちょっと思い出してみてください。「最重要! ! 所得税の仕組み」で、所得税は、収入ではなく、所得(=もうけ、利益)にかかると説明しました。所得は次の式で表されます。

収入ー経費= 利益( もうけ) = 所得

つまり、所得がプラスになれば、税金はかかるのです。
今回のケースをあてはめてみましょう。収入が30万円のとき、所得はいくらになるのでしょうか? 

それは、経費を計算してみないとわかりません。
「所得=収入-経費」ですから。

それでは、経費を計算してみましょう。この30万円を稼ぐために、どのような経費がかかりましたか?
できるだけ思い出して、領収書を集めてみましょう。

例えば、デジタルで描くのでしたら、パソコンやプリンタ、ペンタブレットが必要ですよね。Adobe(アドビ)などのソフトウェアやインク代もかかります。アナログで描くのでしたら、ペンやスケッチブックなどの道具代、イラストの参考にするためのデザイン集など書籍代もあるでしょう。

出版社に打ち合わせにいくための交通費もかかります。これらの1年間の経費を集計することが必要です。副業で件数が少なければ、会計ソフトを使わず、ノートに手書きでもいいですし、Excel(エクセル)で集計するのでもいいと思います。

もし税務署から経費の中身を聞かれたときに、これだけ経費がありました、という証拠が残ればいいのです。何とかがんばって、1年間の経費が集計できたとします。仮に1年間の合計が20万円だったとしましょう。

そうすると、収入30万円ー経費20万円=所得10万円となり、10万円の所得に対して税金がかかることになります。

次に、これに対する税金がいくらになるのかですが、この答えはまだわかりません。あなたの本業の所得も含めた1年間の所得をすべて集計してから、やっと税金が計算できるのです。全体の所得が少なければ、結果として税金がかからないこともあります。

逆に、天引きされた税金が返金されることもあるので、まだ望みを捨てずにいてください。まず、あなたがやるべきことは、1年間の「収入」と「経費」を把握して、「所得」(もうけ)を計算しておくことなのです。

▼出典
『令和版 駆け出しクリエイターのためのお金と確定申告Q&A』
(桑原清幸・玄光社)
キャラクターデザイン=山内庸資


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