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【税金の基本2】日本の税金の仕組み

すべての税金は国税と地方税の2 つに分けられる

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日本の税金がどのような仕組みで集められているかを理解しておきましょう。日本の税金は、国に納める「国税」と都道府県と市区町村に納める「地方税」の2つに分かれます。

これから出てくる所得税や住民税、そのほか身近なところで言えば、消費税にたばこ税、酒税など、税と付くものはすべて、この2つに分かれ、国、都道府県、市区町村の3箇所に集められます。このことは税金のキホンとして覚えておいてください。

国税と地方税

国税と地方税に関して、さらっと触れておきましょう。まず、国税です。これは国に納める税金です。皆さんに関わりがある国税は、所得税と消費税ですね。

今後、仕事でもうかってきて、会社を作ったら法人税を払ったり、実家がお金持ちだったら、いずれ相続税を払うかもしれません。そのほかにも身近なところでは、領収書などに貼る印紙代も国の税金ですし、酒税やたばこ税も国税の仲間です。

国税は、税務署が管轄していて、税務署が私たち納税者との直接の窓口となります。改めて詳しく説明しますが、「確定申告」というのは、国税である所得税を自ら計算して、税務署に届け出るための手続です。

次に、地方税についても理解しておきましょう。地方税は、地方自治体に支払う税金で、大きく2つに分かれます。都道府県に払う税金と、市区町村に払う税金です。

都道府県に払う税金としては、皆さんに一番関わりがあるのが住民税ですね(正しくは、道府県民税と言います。東京都に住んでいれば都民税、○○県に住んでいれば県民税です)。

住民税には、個人が払う個人住民税と、会社が払う法人住民税があります。個人事業主の皆さんは、個人住民税を払うのですが、もうかってきて会社を設立すると法人住民税も払うことになります。個人住民税は、住んでいるところの市役所や区役所が窓口ですが、会社の法人住民税は都税事務所や○○県税事務所という別の役所が窓口となっています。

都道府県に払う税金には、ほかにも事業税、不動産取得税、自動車税、ゴルフ場利用税、宿泊税などがあります。ある程度もうかってきたら、事業税は個人でも払う場合がありますので、頭の片隅で覚えておきましょう。

次に、市区町村に払う税金ですが、ここでもまた住民税が出てきます(正しくは、市町村民税と言います。東京都23区の方は特別区民税、○○市に住んでいれば市民税です)。住民税と一言で言っても、実は道府県民税と市町村民税に分かれているのですね。

なお、市区町村に払う税金は、住民税のほかに、固定資産税、事業所税、入湯税といったものがあります。自宅の土地や家が自分の名義の場合、固定資産税を払っている方もいると思いますが、これは市町村民税になります。

税金は3カ所に払っている

以上の話から、私たちが税金を払うのは3箇所、国、都道府県、市区町村なのですが、すべての役所とやりとりするのは面倒なので、簡単な仕組みが用意されています。

まず、個人の住民税(=道府県民税+市町村民税)は、市区町村の役所がまとめて集める仕組みとなっているので、都道府県と市区町村に別々に支払う必要はありません。

さらに、所得税の確定申告をすると、その情報が市区町村と共有されて、役所側で勝手に住民税の計算をしてくれるのです。つまり、皆さんが個人で確定申告をする場合、申告書を出すのは国税の窓口である税務署1箇所だけでいいのです(ただし、例外的に確定申告が不要な方もいて、市区町村に住民税の申告書を出す場合があります)。

税務署の仕組み

ここまで一気に伝えてしまいましたが、ここで大切なことをお知らせしておきます。税務署は国の税金を集める役所ですが、皆さんにとって、確定申告や納税の方法を聞ける相談窓口でもあります。税に関して、「わからない」「困った」ことがあれば、税務署に相談できると覚えておいてください。無料ですから有効に活用しましょう。

ただし、相談に行くときは、確定申告で忙しい2月から3月は避けたほうがいいです。相手も人間ですから、余裕のある時期に相談するようにしましょう。また、税務署は、住所ごとに細かく持ち場が分かれています。管轄外だと、相談に応じてもらえません。

例えば、東京都大田区には、大森地区、蒲田地区、雪谷地区と3つの税務署があって、それぞれ担当するエリアが決まっています。税務署をウェブで検索すると、担当エリアが書いてあります。どの税務署に相談に行けばいいかわからない方は、ウェブで調べてみましょう。

▼出典
『令和版 駆け出しクリエイターのためのお金と確定申告Q&A』
(桑原清幸・玄光社)
キャラクターデザイン=山内庸資


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