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【税金Q&A_2】副業が赤字だったらどうなるの?

Q
平日は飲食業の会社で契約社員をしながら、週末は副業で、個人として家族撮影やブライダル撮影の仕事をしています。1年間で合計40万円ほど収入がありましたが、経費が60万円もかかってしまいました。税金はどうなるのでしょうか?
A
収入より経費が多くかかって赤字になったら、所得(もうけ)は0円とみなされ、この副業に対する税金はかかりません。ただし、会社からもらう給料には別途税金がかかります。

クリエイターの皆さんは、ある程度収入が増えるまでは、どうしても赤字になってしまうことが多いのではないでしょうか。特にフォトグラファーは、経費が多くかかります。

カメラやレンズの機材も高いですし、メンテナンスも必要です。室内撮影をする方は、スタジオをレンタルしたり、ライティングの機材を揃えるのも結構かかります。レタッチ用のパソコンや専用ソフト、プリンタのインク代もばかになりません。

さすがに国も、赤字だったら税金は取りません。副業からのもうけは、税金用語では「雑所得」と言いますが、赤字のときは、「雑所得」は0円となります。

それでは、あなたが一切税金を払わなくて済むかと言うと、そうではありません。あなたは会社から給料をもらっていますね。ここには税金がかかります。給料やボーナスからのもうけは、税金用語で「給与所得」と言います。

つまり、「本業」である飲食業の給料は「給与所得」となり、「副業」であるフォトグラファーの収入は「雑所得」となります。このような「所得」は他にもあって、全部で10種類あるのですが、年に1度の確定申告では、これらすべての1年間の所得を合算して、最終的な税金を計算することになります。

副業が赤字の場合は、「雑所得」が0円ですから、他に所得がなければ「給与所得」だけになります。それでは、この給与所得はどのように把握すればいいのでしょうか?

それは、年末になって、12月の給料をもらうときに、会社から渡される「源泉徴収票」という紙に書いてあります。この「源泉徴収票」には、あなたの1年間の給与収入の合計や、「給与所得」、そして会社があなたの給料から天引きした税金の金額が書いてあるのです。

税金については、サラリーマンはかなり楽をさせてもらっています。なぜなら、勤めている会社が、あなたの代わりに税金の計算をやってくれるからです。会社が「年末調整」という手続きをして、皆さんの給料と税金を1年間通して計算してくれます。この結果が「源泉徴収票」なのです。

ですので、会社が「年末調整」してくれていれば、「雑所得」が0円のあなたは何もする必要はありません。雑所得の赤字は0円とみなされ、他の所得からマイナスすること(これを「損益通算」と言います)はできないのです。

ただし、副業収入の中に税金が天引きされているものがあったらチャンスです。確定申告をすると税金が戻ってきて得することがあります。

▼出典
令和版 駆け出しクリエイターのためのお金と確定申告Q&A
(桑原清幸・玄光社)
キャラクターデザイン=山内庸資


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