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ARサービスを作る中で、AR技術を使う必然性があるサービスになるようにARの本質的な価値は何かを先にしっかりと理解しておく必要ある。

現時点での自分の整理としては、以下の4つがARの本質的な意義だと思っている。

Everything is Screen

スクリーン制約からの開放、全てがスクリーンに。

今までスマホやPCなどの四角い小さな窓に閉ざされていたスクリーンが無限の広がりとレスポンシブ性を持つ。

ユーザーは好きなだけウィンドウやアプリケーションを空間に表示することができる。

かつ壁にテレビ的にウィンドウを表示したり、床にオブジェとして3Dデータを配置しておくことができる。

世界のスクリーン化。

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Query as a Context

視覚・音声情報・位置情報などの自分の環境や行動などのコンテキストをインプットとして情報を引き出せるようになる。

例えば、カフェで様々な種類の豆の中から気になったものを注視するとその豆の産地やレビューを出してくれたり、友達と「おなか空いたね」と会話をすれば近くのレストラン情報を視界の隅に出してくれたり、伊勢神宮の域内に入ったら神話と絡めた造形物の解説や、式年遷宮のユニークさについて解説してくれたりといったことが可能になる。

今までは検索ワードを入力し、それをクエリとして検索していた行為が、ユーザーのコンテキストをマシン側と共有することでそのコンテキスト自体をクエリとして情報を引っ張ってくることができるようになる。

Feelable Information

情報の三次元化、手触り感の獲得。

今までの情報は触ることはできず、かつ多くの場合において平面的に次元を劣化させて処理されてきた。

AR時代には、情報は本来あるべき高次元なものとして提示され、ユーザーは情報の触覚や匂いを感じながら操作可能になる。

Recordable Experience

ARグラス普及の最大のインパクトの一つは、人類の目元にカメラが大量に着くこと。

その結果、主観的な体験の常時記録が可能になり、記憶や体験というものを生感を持ったものとして保存して消費するようになる。

「ブラックミラー」の「人生の軌跡のすべて」のような痴話話はありふれたものとなるだろう。

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おわり。

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