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[自立]について考える

かじわら

リハビリテーションに携わる仕事をしていると、「自立」という言葉を多く使いますが、人によって自立のとらえ方が異なると感じています。今回の記事では「自立」という言葉について考えてみたいと思います。

▮自立とは

自立」はgoo辞書によると、「他への従属から離れて独り立ちすること。他からの支配や助力を受けずに、存在すること」という意味と、「支えるものがなく、そのものだけで立っていること」と書かれています。

自立は、
①身体的自立
②社会的自立
③経済的自立
④精神的自立

の4つがありますが、どの自立を指すかはその人の目標によって異なりますね。

▮自立と自律の違い

自立と似た言葉で「自律」というのがありますが、これは「他からの支配・制約などを受けずに、自分自身で立てた規範に従って行動すること。」という意味とされています。

これらはとても似ていますが違います。

生活に例えると、
・自立:スケジュールに従い一人で生活できること
・自律:スケジュールを自分で考えて生活できること
という感じです。

仕事に例えると、
・自立:与えられた仕事を助けを借りずにできること
・自律:仕事を自分で探しゴールを設定して行うこと
という感じです。

リハビリテーションではまずは「自立」を目指し、その先に自律を目指すという流れになると思います。

▮リハビリテーションで使われる自立の意味

リハビリテーションで使われる「自立」は、以下の意味を指すことが多いです。

・他の援助を受けずに自分の力で身を立てる事
・自己決定に基づいて主体的な生活を営む事

リハビリテーションでの関わる例として4つの自立に例を挙げると、
①身体的自立:一人で動作が行えるように筋力強化や動作練習を行う
②社会的自立:復職を目指す、友達と交流ができるようになる
③経済的自立:復職を目指す、公的制度を利用する
④精神的自立:自己決定支援、安心安全の保障
となります(正解はない)。

ここで間違ってはいけないのは、自立は一人で生きていくことだけではありません。

東京大学の熊谷先生は、障がい者が自立することは「依存先を増やすこと」とおっしゃっています。

一人でできることに越したことはありませんが、一人でできなくても何かに頼る選択をして、その助けを選ぶことも自立といえます。

例えば、買い物動作ができなくてもAmazonを利用して買い物をすることもAmazonに依存しているといえますし、一人で病院受診ができなくても自分で介護タクシーを呼び車いすで通院することも介護タクシーに依存しているといえますが、これで良いのです。

有名は自己啓発本である「7つの習慣(https://amzn.to/3btajsK)」では、

依存→自立→相互依存

という流れが書いてあります。
ちなみに「相互依存」とは、自立した者同士が頼りあう関係のことです。

▮おわりに

リハビリテーションで目指す「自立」は、身体、社会、経済、精神の4つであり、必ずしも一人で行うことではなく、何かに頼りながら行うことと理解すると良いと考えています。

当たり前ですが対象者によって目標や対応方法が異なるので、その都度考えていく必要があります。チームで関わることが多いので、どのような形の自立を目指すのかを共通見解として持っておくことが重要だと思います。

最後に、この記事は私見を含みますので、「自分とは考え方が違うな」というのがあると思いますが、その時は自分の考えを大事にしてください。最後までお読みいただきありがとうございます。

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