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萌えきいろ

萌え出る草木の芽の色。

萌葱、萌黄、萌木、と書く。

柔らかそうな、黄色系の緑。

木々がその色を其処彼処にたくわえる。

山々がむらに芽吹いていようと、それもまたいい。

何れにせよ、今だけなのだ。

儚さと力強さが同居しているのがいい。

瞬く間に濃い緑色へと変わってしまうのもいい。

葱の新芽のような黄緑色に萌える。

好きというだけではない、複雑な感情の内包。

萌え、これが萌えなのか──。

いやいや、そもそもが芽を出す、芽ぐむ、という意味である。

萌葱色。

そして萌え。

日本語とはまことによいものである。


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