Kaito Wada

写真家・ビデオグラファー|クリエイター夫婦|沖縄移住 美容家の妻・仁美と全国を周りなが…

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写真家・ビデオグラファー|クリエイター夫婦|沖縄移住 美容家の妻・仁美と全国を周りながら、人の生き様を映像に残す仕事をしています。 lit.link/kaitowada

最近の記事

読書日記:「凍りのくじら」辻村深月

友人の開催する"自分が好きな本のおすすめ会"なるものに参加した時に、この本を拙い語彙力と共に紹介したところ参加者の皆さんがぽかーんとした顔をしていたことを覚えている。 伝えたいことが頭の中にはあるのにそのイメージだけが先走り、その朧げな背中を追いかけるように言葉を紡ぐもPCの画面は残酷なまでに参加者の皆の理解できない顔を映し続けている。「この本の良さが伝わらない…」と心底自分にがっかりしてしまった。 主人公の理帆子が敬愛する、ドラえもんの作者である藤子・F・不二雄先生が、S

    • 読書日記:「氷点」三浦綾子

      あらすじだけは聞いていて、ずっと本棚にはあったものの長い間読まずにいたこの本をようやく手に取った。 不貞をはたらいた妻への復讐として、自分の娘を殺した殺人犯の子どもを養子にもらうことを企む啓造 お嬢様育ちで我儘、自分が美しいと思うものしか受け入れられない夏枝 各々正義とするところに違いはあれど、やはり義を通すようで自分の欲には忠実。性悪説である原罪をテーマに掲げてはいるが、やはり罪を背負って生きる人々の生々しさには堪える。 人間の浅はかさ、欲望の醜さ、歪んだ思考… 「

      • 仕事としてのクリエイター活動を辞めます

        ここ数ヶ月、これからの自分の未来について考えていた。 自分は本当は何がしたいのか。 人生で何を成し遂げたいのか。 どんな毎日を送っていたいのか。 その考えや思考を全部書くと長くなるので結論から言うと 「数十年残る作品を創りたい」 「100人が1回見るのではなく、1人が100回見る作品を生み出したい」 だった。 今現在取り組んでいる仕事がそれに繋がらないわけではない。 でも自分の目指したい未来を実現するためには一度、自分が表現したいことにとことん向き合って、突き詰めていく

        • 世界はもともと醜い

          以前人と話してて気づいたことがある。 人を判断する基準が加点方式だなと。 僕は人を信用しない。 人は基本的に 自分を傷つけるもので 期待には応えてくれないもので 思い通りにはならなくて いつでも裏切り 簡単には分かり合えないものだと。 「この人は害がない」と認識したら自分のセーフティネットの中に入れるんだけど、初対面は特に警戒心が強い。セーフティネット外の人間はいつでも自分を攻撃する可能性が高いと思っている。自分の予想範囲外の行動を取られると理解の範疇を超えてしまって

        読書日記:「凍りのくじら」辻村深月

          好きにしたらいいのに

          11月は撮影と編集、出張で自分の感覚・感性を研ぎ澄ますことに時間を回せず、いざSNSで発信しようと思っても何から始めればわからなくなってしまった。 仕事が多忙で自分の中の感覚や思考が思い通りにならぬまま、これからの仕事・生活のこと、長い時間軸でみて人生で成し遂げたいことを感じ取ろうと思いつついまいちそこにのめり込めていなかったり。 11月の僕はとても混乱していた。 自分の中の思考や感覚を自分の言葉で出してみようと思いリハビリがてらこの文章を書いているのだが、実は昨日日記

          好きにしたらいいのに

          衝動的かつ暴力的な愛

          友人のヌードを撮影してきた。 前から予定していたわけではないのだが、出張先の近くに住む友人達と飲みながら突如発生した撮影だった。 詳しい話の流れは忘れてしまったが、彼女がヌードモデルをしてみたいというので場のノリで(半ば強引に)撮影をすることになった。 彼女についての言及はここでは避けておこう。 撮影してる最中、彼女が醸し出す空気が僕の心を湿らせた。 隣の部屋には彼女のパートナーと僕の妻がいて、彼らがいる部屋とは時空あるいは次元が違う空間のように感じていた。 カメラを

          衝動的かつ暴力的な愛

          僕がカメラを手にした理由

          映像を始めるまでずっと、経歴コンプレックスだった。 偉大な才能に恵まれた写真家の父と、豊富な人生経験を積み自由気ままな音楽家の母親の元に生まれ、小さい頃からカメラがそばにあったものの それに反発するように小学生のうちから海外へ留学し、ゆくゆくはカメラで有名になって「やっぱり戻ってくるのはカメラだった」と雑誌のインタビューで答える人生がよかったな〜と夢見ることもあったわけです。 僕の親は公務員でいわゆる一般家庭で何不自由なく育ててもらって、中学高校は私立の進

          僕がカメラを手にした理由

          写真で見るより○○だねと言われる事について

          写真を見て言われる一言の中にあるセリフ。 「写真で見るよりキレイですね」 「写真で見るより雰囲気柔らかいですね」 …いや、おかしくないか? SNSのプロフィール写真用に きちんとヘアメイクをして プロのカメラマンに頼んで 段取りよく撮ってもらったはずなのに どうしてそんなこと言われるんだ? これはつまり 写真とその人が持つ魅力がイコールになっていない =写真でその人の魅力が表現できていない ということ。 もちろん写真というものは視覚芸術の一つだから、いくら

          写真で見るより○○だねと言われる事について