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2回目の帰国③ ~リエントリーショック~

こんばんは。今メキシコは夜11時です。
一昨日からnoteを始め、2年ぶりに日本に帰っていたときのことを書いています。今日で3日目。下に今までの投稿が載せてあるので、良ければそこから読んでいただけると嬉しいです。

ダラスから成田まではおよそ13時間。グアダラハラ(ダラス)と日本の時差は15時間。日本のほうが15時間早いので、例えば朝11時にダラスを出発すると、着くのは翌日の15時くらいという計算になる。実際には13時間しか経っていないのに、15時間プラスされているので、とても損をしている気分になる。

まあその分帰るときは、少し得をした気分になるのだが。

成田空港に着いて思ったのが、

なんだか空気が違う

ということだった。

季節は冬。もちろん寒いということは知っているし、それなりの防寒着も持ってきたから、問題はなかったのが、確実にグアダラハラに流れている空気とは何かが違っていた。一つはメキシコは日本よりも標高が高いので、必然的に空気は薄くなる。その空気にもう慣れてしまっているせいなのだろうか?

飛行機が着いて、まずしなければならないのがコロナのPCR検査だ。事前にインターネットで調べたり、僕より先ににメキシコから日本に帰国した人に話を聞いたりしていたので、書類の不備などはなく割とスムーズに進んだ。
長時間待たされるということはなかったが、検査をするまでいろいろなところへ行かされた。

日本ってこんなに形式ばった国だっけ?もう少し短縮できるところもあるんじゃないの?

検査を受けるまでの書類のチェックやアプリの確認等は途中から外国人のスタッフが担当していた。アプリの使い方を説明してくれたのはベトナム人の男の子で、とても丁寧に対応してくれた。

それと同時に日本人ではなく、外国人が以前よりも増して働いていることに驚いた。日本は以前から深刻な労働不足に悩み、そのため技能実習生として多くの外国籍の若者がやって来ていたことは知っていた。日本でコンビニへ行ったが、日本人の方が働いているのを一度も見かけなかった。そして、まさか空港でのコロナ検査のスタッフまで外国人が働いているとは思わなかった。

日本はもうそうせざる得ないのだろうか?

丁寧に対応してくれたスタッフもいたが、検査結果を待っている間にトイレはあるかと聞いたら、ぶっきらぼうにトイレがある方を指さされた。

「え!ここはメキシコじゃないよね。日本だよね(笑)」と特に気にならなくなっている自分に驚いた。

空港出てからはハイヤーを予約してあった。海外から帰国した場合、まず2週間の隔離をしなければならない。したがって公共交通機関も使えないわけだ。地元の愛知までは約6時間。せっかく日本に帰ってきたのだから、やっぱり家族に会いたい。そう思って7万円かかったハイヤーで帰ることにした。

出発してすぐ高速に入り、しばらくして辺りが暗くなってきた。左右どこ見ても高層ビルの景色を見ながら、思った。

日本ってこんなにきれいだったっけ?きれい過ぎやしないか。」と見慣れてるはずなのに、違和感を覚えた。

いわゆるリエントリーショックというやつである。

リエントリーショックというのは海外に長期間住んでいて、その国の文化や慣習に慣れ、久しぶりに自国に戻ってきた人に起こる心理状況のことを言う。海外の文化に慣れ過ぎて、自国の文化に逆に違和感を感じてしまうのだそうだ。

僕はメキシコに住んで3年経った。生活にも困らないし、仕事もあって、それなりのメキシコライフを送っている。仕事を通していろいろなメキシコ人とも接してきた。

来た当初は、日本との違いに驚いた。道はボコボコ。バスや電車は遅れるのが当たり前。フルーツに塩やからいソースをかけて食べたり、寿司にはアボカドとフィラデルフィアチーズが入っているのが定番だったり。こどもは大人のパーティーに夜遅くまで付き合わされ、目をショボショボさせながら起きている。

3年も経つと、そういったことも見慣れてきた。反対に、2年帰っていなかった日本のきれいさに違和感を感じてしまった。

そんな気持ちのまま車は愛知へ向けてどんどん近づいている。iPodでYMOのTechnopolisを聞いていると、高速から見える景色がより新鮮に見えた。

続きは次回、

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