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レベルアップしたい単品通販デザイナーが、連休中に読むべき本【経営・マーケティング戦略編】

こんにちは。ヤマダカイト(@slash_kaito)です。

久々の連休なので、「レベルアップしたい単品通販デザイナーが、連休中に読むべき本【経営・マーケティング戦略編】」と題して、通販デザイナーが読むとレベルアップできる本をご紹介します。

いや!そもそもデザイナーに経営・マーケティング戦略の知識いる?

と人によっては思うかもしれません。

僕は「通販デザイナーにとって、経営・マーケティング知識は必須」と考えています。

なぜなら「単品通販はサプライチェーンの頭からつま先まで、全てを社内でコントロールする」からです。

例えば、あなたが新しく社内で開発した化粧水のLPを作るとします。開発者からは「ターゲットは30代女性で、売りはベタつかないのに保湿率〇〇%、イメージはBOTANISTっぽいナチュラルな感じで」という情報をもらいました。

では、果たしてこれだけでLPを作れるでしょうか?

僕は無理です。

「いや、そもそもペルソナは?」「競合他社と比べて売り弱くない?」

「価格はどうやって決めた?」「流入はリスティング?アフィリエイト?」

「オファーはどうする?」「許容CPAと目標LTVは?」

「F2の引き上げはどうする?」「定期解約阻止の施策はどうする?」

といった質問がたくさん出ます。これらは全て『通販マーケティング』のことを知らないと、出てこない質問です。

そして、この質問に対する『仮説』を自分の中でしっかり作っておかないと「ただ何となく見栄えの良いデザインで、結局売れない」ということになってしまいます。

仮説を作り、目標を達成するためのデザインを作る。そのために、通販企業の経営・マーケティング戦略の知識が必要なのです。

ご理解いただけましたでしょうか?

要は「好きな人にLINEで想いを伝える時、年齢・住所・出会い方・出身地・仕事・趣味・考え方・家族構成・友人関係・理想のタイプ・将来設計・学歴・部活・学部などによって文面も、絵文字も、スタンプも、口調も、自分のキャラやテンションだって変わってくるよね?」という話。

前置きが長い。すみません。ここからが本のご紹介です。(以下敬称略)



『ゼロからはじめる通販アカデミー』田村 雅樹

まず何から読もう?となったら一番におすすめしたいのがこちら。

著者の田村雅樹氏は元ベネッセで「ちゃれんじ」などのダイレクトレスポンスマーケティングに従事した後、独立。ダイレクトマーケティングゼロという会社を立ち上げ、独自のゴールデンルート理論®や顧客説得クリエイティブ理論AMIDASで、カゴメやPOLA、エーザイ、やずやなど名だたる通販企業のコンサルティング~クリエイティブ制作を支援しています。優れたDMを表彰する全日本DM大賞でも、何度も金賞を受賞。とにかく通販業界のすごい人です。

で、この本では商品開発、新規開拓、既存客へのゴールデンルート理論®、コールセンター運用のポイントなどについて書かれているのですが、とにかくわかりやすい。

僕は田村氏の講演も3回くらい聴いたんですが、熱量がすごい。2014年発行の少し古い本なのですが、通販に携わる人なら絶対に読んでほしい。そんな本です。DM0さんのブログも勉強になります。



『通販エキスパート検定公式テキスト』通販エキスパート検定委員会 

「通販エキスパート検定」という通販業界で唯一ある検定のテキストです。3級、2級、1級とカスタマー セントリシティ、 データドリブン マーケティングの5冊があります。

体系的に通販ビジネスの基礎から実務までを網羅しているので、ザーッと見るだけでも基本が身につくでしょう。特にデザイナーにとって、物流・カスタマーサポート・法務・財務などの知識は疎いはず。

サプライチェーンをしっかり俯瞰して学ぶのに最も適しています。ついでに、検定を受ければ資格持ちになれるというオマケ(?)付き。僕も2級だけ取りました。

※2020.11.04追記/2020年8月に1級も取得しました。



『D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略』佐々木康裕

D2Cというとバズワードの響きがありますが、ブランディングとストーリーテリングという小綺麗なオベベを剥いでしまえば(言い方)、やってることは単品通販と変わりません。

逆に、単品通販の持つ「うさんくさいイメージ」を払拭するのに、D2Cが提唱するブランディングとストーリテリングは非常に参考になります。

こちらはデザインイノベーションファームであるTakramのビジネスデザイナー佐々木さんが、Away、Casper、Warby Parkerといった海外D2C企業を事例に「D2Cとは何か」「D2Cブランドの立ち上げ方」「D2C戦略論」について書かれた本です。

単品通販の「カウンターカルチャー」である(と僕が勝手に思っている)D2Cについて学ぶことは、デザインをする上でも大切なことかなと。



『通販ビジネスの教科書』岩永 洋平

2016年発行と少し古めの本なので、『今』の通販業界とは少しずれている部分もありますが、通販ビジネスを成長させるためのノウハウを身につけるには十分すぎるほどの情報量です。

この文章を書くために久々に読み返してみましたが、本当に満遍なく通販ビジネスのいろはが書かれているので、改めてじっくり読み返します。。。

通販企業の経営者やマーケターが改めて読んでも、絶対に学びがある。それくらい重厚な本ですが、初学者にとって読みやすくはありません。通販学習の2冊目・3冊目や、困った時の逆引きといった読み方が良いかと思います。



『化粧品・健康食品業界のためのダイレクトマーケティング成功と失敗の法則』山口 尚大

通販エキスパート検定で書かれた理論をどう実践に落とし込むか、といったところが具体例を交えてわかりやすく書かれた良書。

2006年から化粧品・健康食品専門のマーケティング支援をしてきた著者が、マーケティング、法律、広告、商品設計、ECシステム、組織づくり、というテーマでそれぞれ複数の法則を紹介しています。

例えば、

「ABテストはターゲット>オファー>クリエイティブの順序で見直す」

といったように、今すぐ実践できる具体的な施策が紹介されているので、ゴリゴリ提案できるデザイナーになりたい方におすすめです。



『通販会社・ネットショップのための「リピート客を育てる技術」』辻口 勝也

こちらは通販マーケティングというよりも、既存客の育成、いわゆる通販CRMに特化した本です。

通販ビジネスは基本的にストック型のビジネスモデルです。一度購入してもらったお客さまに、定期購入に移行して継続してもらったり(アップセル)、別の商品も買ってもらい(アップセル)客単価を上げることで、収益を作っていきます。

なので、既存顧客の「育成」が必須。それが「通販CRM」という考え方なのです。

アンケートやクーポン、DM、カタログ、お客さまの声といった同梱物を使い、どのように継続や別商品の購入を促すか、ということがたくさんの具体例とともに書かれています。

2020年現在、新規のCPOは高騰し続けています。いかに既存客との関係を切らずに保ち続けるか、というのが全ての通販企業にとって喫緊の課題です。

顧客データの数字をもとに、課題を洗い出し、仮説を立てて、戦略的にクリエイティブを制作する。そんな動きができるデザイナーは、どこの通販企業に行っても重宝されることでしょう。手始めにこちらの本を読んでみると、通販CRMの何たるかが理解できるはずです。


以上、「レベルアップしたい単品通販デザイナーが、連休中に読むべき本【経営・マーケティング戦略編】」のご紹介でした。

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それではまた。

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