見出し画像

潜入したい方いませんか?

捨てられないトレーナーがある。服の名称によわいので、もしかしたら「トレーナー」という呼び名の服ではないかもしれない。


あまり外に出ないうちに、気づいたら半袖で過ごせる季節となっていた。なので衣替えをしていて、私は1度も袖を通したことの無いトレーナーを見つけた。そこで心の断捨離魂が芽吹く。そろそろこれは捨ててもいいな。

まあ記念に写真でも撮っておこう。

画像1

記録に残すために撮ったのに、嫌々撮らされた写真みたいになってる。


このトレーナーは、知り合いにもらった「スーパーマルハチ」のもの。どのルートで手に入れたのかよく分からないので一応店舗名は隠しておく。

知り合いから「これ捨てようと思ってる。」と言われた時には、「もったいない!絶対いるやんそれ!」とその場で引き取ったが、結局私も捨てようとしてる。

当時このトレーナーを欲しいと思ったのは、マルハチのトレーナーだったから。とはいえマルハチファンだからではなく、マルハチのトレーナーって希少価値ありそう!という理由で。わたくし限定物や希少価値によわい性分ですので。オホホ


でも今になってみると、見た目は白いだけのトレーナーだし、そんなにマルハチって分からないし、いらないかなぁと。

捨てる服コーナーに移動させて、衣替えの続きをした。合間、マルハチのトレーナーに目をやる。

あれっ!?!

捨てる服コーナーに置かれたマルハチのトレーナーを別角度から見ると気づいた。

ちょっと!!後ろマルハチのロゴ入ってるやん!!

画像2

分かりやすい写真の撮り方の変化。


いや、これ後ろにロゴ入ってるなら話が変わるな。

だってもしかしたら、潜入したい人がいるかもしれんし。




















私は帰宅のためにプラプラと道を歩いていた。疲れていて左右に体が揺れる。

すると道端でうずくまっている男性。

声をかけようか迷い、とりあえず近くにいくと、気配で気づいたのか顔を上げてきた。なので声をかけるしかなくなった。

「大丈夫ですか?」

「あなた、マルハチの人間ですか?」

「えっ!?ちがいますけど、」いきなりそんな切り返しがきたのでビビった。

「目標を持ち 今日に行い 明日に向かう!」

「……えっ?」

「その様子だとマルハチの人間とは違うようですね。今のはマルハチの社訓です。」

なんやコイツ。めちゃくちゃ面白いやん。私は俄然この男性に興味がでてきた。

「実は……詳しくは言えないのですが、どうしてもマルハチに潜入したい事情があるんです。でもマルハチのトレーナーをどう入手しようか頭抱えてしまって。」

「ああ、私、持ってるよ。」

「えっ!?!まじですか!!なぜ?!やはりマルハチの人間……。」

「たまたま知り合いからもらったんです。きっと今日のこの日のためにね。」

「あああ……ありがとうございます!!恩に着ます!」

「着るのはマルハチのトレーナーだけにしなよ。ちょっと取ってきますね。」

「あああ……。ありがとう。」





-END-






みたいなことになるかもしれない。本当にそれだけの理由で捨てられなくなった。どうしよう、マルハチのトレーナー潜入ルートが浮かんだら捨てられない。だって誰か潜入するかもしれないし。いい感じに生地もヘタレてきて毛玉もついてるし潜入にピッタリ。

どなたかいませんかね?要望があればもちろん毛玉は取りますので。

画像3

夜中からずっと起きてるからこんなだけど、1回寝たら、マルハチのトレーナー捨ててるかもしれない。たまに空想に取りつかれるのは寝不足に限らないけど。とりあえず寝よう。

サポートしてもらえたらうれしすぎてヒョーー!!ダンスダンス!!!🕺🕺🏻🕺🏼 そのあとはサポートしてもらった画面をスクショして何回もニヤニヤします。