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トッド・ラングレン〜未来からきた音の魔術師


2018年に行ったトッドラングレンのライブは筆者のなかでも特別な一つであった。
60年代から現在までの音楽生活を総括した盛りだくさんの内容でお腹一杯になってしまった。
現在73才、彼は今も精力的に活動を続けている。

トッドの音楽は記事のタイトル通り、音の魔法使いだ。
ビートルズやモータウンのソウルに強く影響を受けたモダンポップからイギリスのプログレやグラムロックを取り入れた多彩なサウンドだ。
彼自身もギター、ピアノ、ドラム、ベースとあらゆる楽器を使いこなし、エンジニア、コンピュータープログラマーまでやってしまうマルチアーティストなのである。

○瞳の中の愛
日本のCMのバックに何度も使われ、キャッチーなメロディが耳に残るロック史上に残る名曲。

○ハロー・イッツ・ミー
同じく「エニシング?サムシング」に収めれられていたモダンポップなナンバー。

1972年にだした「サムシング?エニシング」は
彼のなかでも特質すべき作品。
全ての楽器を自分で演奏し、歌った真のソロアルバムである。
それに加えて、音質の良さは彼のエンジニアとしての才能にある。

音のデパートとでもいうべきあらゆる音楽に精通し、録音技術や編集をマスターしてるので本業以外にもプロデューサーとして引っ張りだこ。

ジャニスジョプリン、ザ・バンド、グランドファンクレイルロード、バッドフィンガー、ホール&オーツらをなんと20代で受け持つという博才ぶりである。

そして有名なエピソードとしてイギリスのニューウェーブバンド、XTCのアルバム「スカイラーキング」のレコーディング。
トッドとリーダーのアンディパートリッジが衝突し、しかもバンド内でもメンバー間で衝突し全員が仕事を放棄してイギリスへ帰国するという事態に。
トッドはその後も一人で作業を続け完成させた。これはもはやXTCでなくてトッドラングレン そのものか(笑)

本題に戻るとしてこれほど優秀なアーティストであるにもかかわらず、なぜか日本ではあまりトッドは紹介されてこなかった。
先程の映像にもある通り、この時代でのトッドは髪を虹色に染め、メイクをして奇抜なファッションで未来人であるコンセプトでステージに上がっていた。
奇人変人という噂が一人歩きし、メディアも煽っていたのだ。
しかしこれはおそらくグラムロックやピーターガブリエル時代のジェネシスの影響があったのだろう。
そしてこの未来人というコンセプトは後にユートピアというプログレ・ポップバンドへと発展する。

○ユートピアのテーマ
2020年のシカゴライブから
トッドラングレンのアルバムのタイトル名がそのままバンド名となる。
イギリスのプログレに影響を受けたインスト曲。
ファッションや変形ギターの演出が面白い。

○ユートピア〜
とうとうビートルズにまでなりきってしまったトッドとユートピアのメンバー。
カバーというよりパロディだが、初期ビートルズをよく研究している。

ソロ活動とユートピアでの活動はだんだん境い目がわからなくなり、今はユートピアとソロ活動が一体化してる形に思える。

○ラブ・イズ・ジ,アンサー
トッド流AOR。
1979年イングランド・ダン&ジョン・フォードがカバーして有名になったソウル色の影響濃い名曲。

トッドは他にもアカペラやビッグバンドの作品を作り、いちはやくネット配信での音楽サービスに取り組んだ。

特質する活動としてリンゴ&オールスターズバンドへの参加がある。
リンゴ・スターを中心にロック界のベテランアーティストたちが有名曲をカバーするのでえる。
簡単にいえば,オヤジバンドだ。(笑)

○リンゴ&オールスターズバンド
サンタナ〜エビル・ウェイズ
ロックの有名曲を次々とカバーするリンゴスターのライフワーク。
ビートルズ、サンタナ、イーグルス、ユートピア、シカゴ,トト‥
美味しい曲を一度に楽しめる。

60年代末デビューしてこれだけ旺盛に活躍してるアーティストはなかなか見当たらなくえ貴重な存在だ。
コロナ禍の中でもデビッドボウイやピンクフロイドへのトリビュートアルバムに参加したり、小規模のライブをやったり。
ロック界のスターたちが死去や引退が相次ぐなか、まだまだ余裕である気がする。
ぜひまた行ってみたいアーティストである。

では最後に「スイート・メモリーズ」。
このタイトルは元アイドルで今や日本を代表する女性歌手のあのCMソングで有名になったタイトル曲と酷似。
なぜかサビの‥スイートと歌うところが似ている気がするが、筆者の気のせいだろうか?

○名盤サムシング,エニシング?から
スィートメモリーズ。

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