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2022年6月

読んだ本の数:2冊

かか
宇佐見りん/河出文庫

『推し、燃ゆ』からの二冊目。
この作家はすごい。
なにがすごいって、目がいい。対象を隈なくクリアに見る目。内側まで見透かす目。そして周辺視野が広い。
SNSの描写なんか特にぞっとするほどで、物語の装置としてめちゃくちゃ効いてた。すごい。しかしいったいこのモチーフをどうやって掴んだのだこの子は。すごい。
『くるまの娘』も読もう。ぞわぞわ。
若くて女性で芥川賞受賞、というとやはり自分と同世代のほうの二人を思い出す。人間が違うんだから違うのは当たり前なんだけど、なんというかこう、作家と作品の間合い、自作品における格好のつけ方が全然違うような。これをジェネレーションの違いとしていいのかどうか。
反芻反芻。たしかに独特な口調で語られるのであるがしかし、語りの内容は理路整然としているし、造語で押し切る描写みたいなものも全くないんだよなあ。うーむうーむ。すごいな。
06月08日 


日本歴史2022年6月号
吉川弘文館

興味深かったものふたつ。
『江戸時代の医学指南書』
 「あのヤブ!」たちはいかにしてヤブになったのか
『ポーツマス条約漁業権条項の再検討』
 脛に傷のない国なんかない
06月08日