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熱狂こそマーケの本質|熱狂顧客宣言 【ゆるっと要約】


今回は、「熱狂顧客戦略」という本を読みました。

主にマーケに関わる人が読むべき一冊ですが、モノ・サービスを売っているビジネスマンは読んでおいて損はないでしょう。


-この本が伝えたいこと
-本当のファンは誰か?
-顧客は神様ではなく友達
-購買における真実の瞬間はいつか
-感想など

-この本が伝えたいこと

熱狂顧客戦略を読み、自分なりにこの本が伝えたいことは何か?を考えたところ、下記の一言かなと思います。

現代においてのマーケティングは、ファンを作ること、熱狂を生むこと、お客さんと友達になることが本質である。

何も難しい話ではなくて、時代によってマーケティングの定義が変わっていて、現代のマーケティングの定義はこれだよ、という話です。なので、数字を使うような深い話ではなく、「マーケティングの歴史を学ぶ一冊」といったところでしょうか。


-あなたのブランドの本当のファンは?

いきなり難しい話をするのもあれなので、この本のタイトルにも繋がる
「熱狂が生まれた」エピソードを話していきます。

これは、これまで数々のヒット曲を世に出してきたシンガーソングライター「ビリー・ジョエル」の実話です。

彼は2014年のビルボードのインタビューで実に面白いことを語っています。

「ライブの最前列の席をもう何年も売っていない」

彼は本当のファンは誰かを考えた結果、この結論に至りました。

皆さんの好きなバンド・アーティストのLIVEに行った時、最前列にはどんなファンがいますか?

彼のライブの最前列には「偉そうな態度で座る金持ち」が独占していました。でもそれは本当のファンではないとジョエルは気づきました。

彼にとっての本当のファンは、経済的に余裕はないけれど、心の底から自分に会いたいと会場に足を運んでくれる人でした。だから、ライブ会場の後方の席のチケットを持つファンの前に現れサプライズでこう言うのです。

「最前列のチケットと交換しませんか。」

チケットを交換したファンがどんな気持ちになるか言うまでもありません。
これこそが熱狂であり、ブランドとファンが繋がるということです。

-顧客は神様から友達へ

ビジネスマンであれば誰もが聞いたことがあるこの言葉。

「お客様は神様」

実は、間違えだというのを時代が証明しています。
皆さんは神様と聞いて何を思い浮かべますか?

目に見えないとか、仏教が生み出した概念とか、、

なんかふわっとしか出てきませんよね(笑)
このように、昔はお客様のことを神様のように偶像性の高い存在として
捉えていたんです。顧客が何を考えているから、丁重にするしかなかった時代です。

しかし、デジタルマーケティングがこの考えを一変しました。

テレビCMなどのような「枠」に打つ広告から、顧客データを元に興味・関心に肉薄しターゲティングする「人」に打つ広告への変化です。
ネットの進化により、お客様との距離が近づいているのが現代なのです。

それを象徴するエピソードとして、「試着できないネットで洋服は売れない」という固定概念を覆したZOZOTOWNを牽引するスタートトゥデイ社の話があります。

従来のCRM(Customer Relationship Management)から、
新たにCFM(Customer Friend Management)を提唱していました。

CFMを分かりやすくいうと、顧客と友達のような関係になることです。
個人的にはとても前澤さんと感じました。

2017年10月には利用者が送料を決められる「送料自由」という取り組みを実施して注目を集めました。これを行なった理由は2つあって、

①顧客に「本当に無料にしていいの?」という葛藤を実体験してもうらう

②通常のユーザー行動の中で率直の気持ちを知りたい


従来のCRMの考えでは、アンケート調査でユーザーが求める送料を知るのが一般的ですが、CFMではこのようにユーザーにより近い存在つまり、友達になるという感覚ですね。

-購買における真実の瞬間はいつか

ここでお話ししたいのは、顧客が商品を購入する過程で重要な瞬間、つまり真実の瞬間はいつか?という話です。

真実の瞬間を英語にすると、MOT(Moment of Truth)です。
これは、スカンジネビア航空のCEOヤン・カールソン氏が提唱した言葉です。

●MOT(Moment of Truth)
→商品行動における重要な顧客接点(とその瞬間)

彼は、平均5人の乗務員に約15秒間ずつ接する機会があることを明らかにしその時間こそが重要な瞬間だと言いました。

その15秒という瞬間で、競合他社と異なるブランド体験を提供することができれば明確な差別化ができるということです。

しかし、P&Gがこの概念を捉え直し、FMOT(First Moment of Truth)とSMOT(Second Moment of Truth)という概念を提唱します。

●FMOT(First Moment of Truth)
→顧客は店頭の棚の前に立った瞬間の3〜7秒の間に製品の購入を決定する

●SMOT(Second Moment of Truth)
→家で使用する瞬間にその製品を再び購入するかどうかを決定する

さらに2000年代に入り、今度はGoogleがZMOTという概念を提唱します。

●ZMOT(Zero Moment of Truth)
顧客は店頭に来る前にネットで検索をし、商品のレビューを閲覧する
店頭で商品に触れる前の、ゼロポイントこそが重要

Goolgeが生み出した検索エンジンがまさにそれを表しているでしょう。
そして、GoogleはZMOTの前に「Stimulus(なんらかの刺激)」があり、それがトリガーとなって人々は検索をすると説明します。

一般的なテレビCMや雑誌広告、何かしらの商品やブランドの刺激があって、人はグーグルの検索ページを訪れるという行動モデルです。

ここで、考えるべきなのが現代においての「Simiulus(なんらかの刺激)」は何かということです。

特に若年層は、Googleで商品を検索をするのでなくフォローしているインスタグラマーや好きなYoutuberが紹介している商品や体験を購入することが増えているでしょう。

つまり、人からの「推奨」や「影響」が刺激になっています。

しかし、これをコントロールするのは難しい。

そこで、次に登場したのが、TMOT(Third Moment of Truth)という概念です。

●TMOT(Third Moment of Truth)
→商品・サービスを購入し、使って満足するだけでなく、それが自らの生活において特別な存在としてランクが上がった

SMOTが満足してリピートして良いと思う瞬間に対し、TMOTはその商品でなくてはならないと思った瞬間です。

つまり、安いから買う、機能が良いから、体験が良かったから買うという時代は終わったのです。いかにして顧客との間で熱狂を生み、ファンにできるか?が鍵を握ってくるでしょう。

-まとめ

「熱狂顧客戦略」いかがでしたでしょう?

自分もWEBマーケの仕事に関わっているので、「考え方」として非常に勉強になる部分が多くありました。

他にも、ZOZOやAmazonなど時代の先駆者たちがどのようなマーケティング手法を打っているのかも載っていて魅力的な1冊かなと思います。

このnoteで紹介したのは、ほんの一部分にすぎないので良かったら読んでみてください。





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