見出し画像

金沢城が美しく見える3つの理由とは

北陸の古都金沢。
たくさんの人で賑わう近江町市場。

のどぐろ



のどぐろが有名なのは金沢にこれを扱う店がたくさんあるからだと言われています。
そんな金沢の中心金沢城。
中に足を踏み入れて美しい建物を見学してみようと思います。

正面入口「大手」に入ると壮大な景色が広がる


大手門から見た金沢城中心部。この景色、すごくないですか?

大手門は金沢城の正面入り口です。
当時は立派な門があったのでしょうが、現在は石垣だけが残っています。
門をくぐってまっすぐの位置にやたら大きな石があるのがわかると思います。
これは「鏡石」と呼ばれています。
誰もが目にする場所に巨石を置くのは城主の権威を知らしめるため。
「こんな大きな石を据えることができる殿様ってすごいんだな」と思わせるということですね。

大手門をくぐった先にだだっ広い空間が広がります。
遠くから城をながめながらゆったり歩くことができるので、実にうっとりする場所ですね。
こんなところを散歩できる金沢の方が羨ましいです。
右側に見えるのが二の丸にある菱櫓。奥の五十間長屋の様子もわかりますね。
坂の上にあるのが河北門(かほくもん)。金沢城の実質的な正門です。
昔はこの石垣の上にもズラッと建物が並んでおり、いよいよこの上が金沢城の中心部ということですね。



河北門は二つの門からなる桝形構造。
手前の高麗門をくぐるとその先には城内最大級の櫓門が待ち構えています。
2010年に復元されたものですが、櫓門内部も見学できるようになっており、そこからは菱櫓を望むことができます。



気になったのが門の外、右手にあるニラミ櫓台。
もともとここには櫓があったのですが火事で焼けてしまい、その後このような窓のついた塀が築かれました。
平和な時代だから櫓を建てる必要はないという当時のエコなのかもしれませんが、ただの塀ではなくちょっと凝った造りになっているのが金沢城の面白いところですね。


三ノ丸から眺める再建櫓群が美しすぎる理由



河北門をくぐった先は三の丸。
そして堀を隔てた二ノ丸には素晴らしい金沢城の建物が見えてきます。

青空をバックに凛々しく、そしてどこかオシャレにそびえたつ姿は美しいですね。
これらの櫓群の内部は見学できるようになっています。
北側にあるのが三層三階の菱櫓。
一階の二方向にでっぱりがあります。
そこからクランクして続くのが二階建ての五十間長屋。
その名の通り五十間(90m)近くある(実際は70m程度)長い建物です。
南側は橋爪門で二の丸への入り口。
高麗門と櫓門による桝形構造で、すぐそばに三層三階の橋爪門続櫓が門を守っています。
実は金沢城は何度も火災に遭っており、その度に建物も再建されてきました。
この五十間長屋を中心とする櫓群もそうで、最終的には明治時代に二の丸御殿とともに消失してしまいました。
そして現代によみがえったのは2001年のこと(橋爪門2015年)。
この素晴らしい復元建築群を前に、金沢城の建物の特徴をまとめて見てみましょう。



まず目立つのは海鼠壁(なまこかべ)。
建物の下部分が白黒の四角模様になっています。
黒い部分は瓦で、貼り付けてつなぎ目を漆喰で固めてあります。
この目地のふっくらした形がナマコに似ていることからこのような名前がついたと言われています。
デザインだけでなく「雨風に強く耐火性に優れる」という機能的メリットもあるようです。

次は輝く屋根。
金沢城の建物には鉛瓦が使われています。
これは木で作られた屋根の上に薄い鉛板(なまりいた)を貼ったもの。
一般的な瓦より軽く、キラキラ白く光って美しく見えます。
見た目UPの効果だけでなく「戦いになったらこの鉛板を溶かして鉄砲の弾にする」という活用方法もあるようです。

あとは出っ張った窓(出格子窓)。
出っ張っている下の部分は石落とし、横の窓からは側面射撃ができるというメチャメチャ戦闘を意識したものなのですが、それに格式高い唐破風を載せてあるのが美しいところ。
復元された櫓群には、これが何か所も設けられています。

金沢城の建物がやたら美しく見えるのは、これら特徴的なデザインが徹底的に施されているからなのですね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?