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「くうねるあそぶ。」と「24時間戦えますか?」

ふと思い出した対照的なキャッチコピー

「くうねるあそぶ。」
今から34年前の1988年、大ブレークしたTVCMのキャッチコピーです。
昨晩、元同僚とご飯を食べていたら、ふと頭に思い浮かんだのですが、34年も前に「生きる上で大切なこと」を糸井重里さんは指摘していたんだなぁと感動しました。
 
1988年といえばバブルによる好景気で経済が大きく拡大し、日本は絶好調だった頃です。
同じ年に、これまた有名なキャッチコピーで「24時間戦えますか?」と歌うTVCMも大ブレークしました。
当時高校生だった僕でさえ、右肩上がりの日本経済にワクワクし、有名な日本企業に入って社会でバリバリと活躍するイメージを信じ込んでいました。

「くうねるあそぶ。」と「24時間戦えますか?」
対照的なキャッチコピーですよね。

「山手線内の土地でアメリカ全土が買える」から「失われた30年」へ

実は、前年の1987年にブラックマンデーが起こり、世界の株価は大暴落したものの、日本株だけはすぐに上昇に転じ、独走状態となりました。
「山手線内の土地でアメリカ全土が買える」など、今思えばあり得ないような例え話も出て来るぐらい、誰もが「日本経済は世界最強だ」と心の底から思っていたような時代でした(笑)。
 
転機が来たのは、1989年12月、日経平均株価が3万8,000円の大台に乗せたときでした。
日銀の金融政策が転換し、3万8,000円を頂点にドドーンと株価の暴落が始まりました。
翌年には政府の規制もあり、不動産価格もどん底まで崩壊するに到ります。

さらに追い討ちが掛かったのは、1995年1月の阪神大震災や、3月の地下鉄サリン事件あたりからでしょうか。
かつて見たことのない映像が連日テレビで流れました。
就職氷河期もこの頃から本格的になりました。

それから「失われた30年」といわれる時代を日本人は過ごします。
日本のGDPの成長は止まり、平均賃金もほとんど横ばいという、ある意味、平らに成る時代が平成でした。
昭和の高度経済成長期が記憶にある世代としては、この平成の30年を、どちらかというとネガティブで暗い時代のように見ているように思います。
懐かしいですよね。

「くうねるあそぶ。」な生き方へ?

でも、2022年、AIやロボットの時代の足音が聞こえてきた今、改めて、この30年って、むしろ日本人は前進してきたんじゃないかなと思うことがあります。
 
というのは、以前にこれからは『失敗』することが仕事」でもお伝えしましたが、これからAI・ロボット時代に人間が求められる力は、求められた成果を出すことでもなく、「24時間戦えますか?」でもないからです。
そういうことはAIやロボットの得意領域ですから、人間が太刀打ちできなくなるのも時間の問題だと思います。

では、AIやロボットができないことは何か?
それは、人間が好きなこと、楽しいことにトコトン取り組む姿勢であって、それって「くうねるあそぶ。」な生き方なんじゃないか?
そう思わされます。

平成の「失われた30年」を経て、確かに日本のGDPも平均所得も伸びず、日本人の「24時間戦えますか?」な力は最早失われたかなぁと思います。
それでも、自分らしい「くうねるあそぶ。」な生き方を手にした日本人は案外増えてきたし、これからも増えるんじゃないかなぁ?
そう思うのは僕だけでしょうか?

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