日商簿記2級(商業簿記)有価証券とは?V0l.1 有価証券の分類について
今回は日商簿記2級の商業簿記の有価証券について解説します。
有価証券の分類についてみていきましょう。
有価証券は保有目的により、下記の4つに分類されます。
1.売買目的有価証券
2.満期保有目的の債券
3.子会社株式・関連会社株式
4.その他有価証券
それぞれの特徴については下記にようになります。
1.売買目的有価証券
【売買目的有価証券】
時価の変動により利益を得ることを目的として保有する有価証券
安いときに購入して高いときに売却して利益を得るという売買目的の有価証券です。
2.満期保有目的債券
【満期保有目的債券】
満期日までに保有することで利息を受け取る目的とした公社債になります。
※満期保有目的債券は株式ではありません。
3.子会社株式・関連会社株式
【子会社株式・関連会社株式】
当社の子会社あるいは関連会社を支配することを目的とした株式
議決権50%超えは子会社株式、20%超えは関連会社株式となります。
4.その他有価証券
【その他有価証券】
上記3つに該当しない有価証券。
長期的な時価の変動により利益を得る目的とした有価証券や業務提携を目的とした持合株式などが当てはまります。
※「持合株式」とは2つ以上の株式会社がお互いに相手の発行済み株式を保有することです。
表示科目と表示区分
「有価証券」について貸借対照表(B/S)上では
表示する勘定科目
表示する区分(流動資産・固定資産など)
がそれぞれ異なります。
保有目的による分類 B/S上の表示科目 B/S上の表示区分
売買目的有価証券 → 有価証券 流動資産
満期保有目的債券
満期まで1年超え → 投資有価証券 固定資産(投資その他の資産)
満期まで1年以内 → 有価証券 流動資産
子会社株式
関連会社株式 → 関係会社株式 固定資産(投資その他の資産)
その他有価証券
満期まで1年超え → 投資有価証券 固定資産(投資その他の資産)
満期まで1年以内 → 有価証券 流動資産
投資その他の資産とは?
「投資その他の資産」は
1年超にわたり投資している資産であり、事業に直接使われていないものになります。
そのため1年以内の「売買目的有価証券」や「満期保有目的債券」は流動資産に区分されます。
また「投資その他の資産」は「関連会社株式」1年超えの「有価証券」の他に、
「長期貸付金」「出資金」「破産更生債権」が該当します。
時価評価について
「有価証券」の価値は日々変動するため、
期末決算時には時価へ評価替えする必要があります。
ただし、全ての有価証券が対象という訳ではありません。
「取得原価」のままの場合もあれば、「時価」へ振り替える場合もあります。
売買目的有価証券 時価もしくは取得原価(額面金額≠取得価額)
満期保有目的債券 償却原価(額面金額=取得価額)
子会社株式・関連会社株式 取得原価
その他有価証券 時価
子会社株式・関連会社株式
「子会社株式・関連会社株式」は支配することが保有目的で、
時価の値上がりを期待して保有している訳ではありません。
そのため、決算時に時価評価替えする必要はありません。
満期保有目的債券
「満期保有目的債券」についても、満期まで保有する目的であり、
時価の値上がりに期待している訳ではありません。
ただし、取得価額と額面金額に差額がある場合は償却原価法によって処理します。
有価証券についての解説は以上になります。
今後も2級の有価証券について解説していこうと思います。
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