日商簿記1級(工業簿記・原価計算)労務費ってなに?Vol.2
今回は日商簿記1級の工業簿記・原価計算の労務費について解説します。
なお、これまでの日商簿記1級の工業簿記・原価計算の基本的な考え方については以下の記事で解説しています。
日商簿記1級(工業簿記・原価計算)工業簿記・原価計算って何?原価計算の目的は?|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)
原価計算の種類についての解説は以下の記事で解説しています。
日商簿記1級(工業簿記・原価計算)原価計算の種類はいくつある?Vol.1|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)
日商簿記1級(工業簿記・原価計算)原価計算の種類はいくつある?Vol.2|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)
1級の原価については以下の記事で解説しています。
日商簿記1級(工業簿記・原価計算)1級の原価って何?|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)
日商簿記1級(工業簿記・原価計算)1級の原価ってなに?Vol.2|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)
勘定連絡と財務諸表の関係については以下の記事で解説しています。
日商簿記1級(工業簿記・原価計算)勘定連絡と財務諸表|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)
工業簿記における財務諸表についての解説は以下の記事で説明しています。
日商簿記1級(工業簿記・原価計算)工業簿記における財務諸表とは?|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)
費目別計算の材料費についてはこちらです。
日商簿記1級(工業簿記・原価計算)費目別計算 材料費の分類とは?|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)
日商簿記1級(工業簿記・原価計算)費目別計算 材料費の分類ってなに?Vol.2|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)
日商簿記1級(工業簿記・原価計算)費目別計算 材料費の分類ってなに?Vol.3|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)
労務費の解説です。
日商簿記1級(工業簿記・原価計算)費目別計算 労務費ってなに?Vol.1|日商簿記&公認会計士試験pandaa_school (note.com)
労務費の第2回になります。
賃金・給料からの解説です。
賃金・給料を消費したとき
①原価計算期間と給与計算期間
原価計算期間は毎月1日から月末までの1か月ですが、給与計算期間は
「毎月20日締め25日支払い」というように、原価計算期間の1か月とは
ズレが生じることがあります。
このような場合、原価計算期間に対応した金額を賃金・給料の消費額
とするために、期間のズレを調整します。
②当月要支払額の計算
要支払額とは、原価計算期間に対応した賃金・給料の実際消費額のこと
をいいます。
賃金・給料の当月消費額(当月要支払額)は、次の計算式によって
求めます。
当月消費額(当月要支払額)=当月支給額-前月未払額+当月未払額
③直接工の賃金消費額
直接工の賃金消費額のうち、直接作業に対する消費額は直接労務費として
仕掛品勘定に振替え、間接作業などに対する消費額は間接労務費として
製造間接費勘定に振り替えます。
このように、直接工の賃金消費額は、直接労務費となる分もあれば
間接労務費となる分もあるため、作業時間1時間あたりの賃金(消費賃率)
に実際作業時間を掛けて計算します。
直接工の賃金消費額=消費賃率×実際作業時間
直接工の作業時間の内訳
勤務時間:出勤してから退社するまでの時間
休憩時間等:昼休みや使用外出など、賃金の支払対象とならない時間
就業時間:賃金の支払対象となる時間
手待時間:材料待ちや工具待ちなど、待機している時間
直接作業時間:製品の製造している時間
加工時間:製品の加工を行う時間
段取時間:加工作業前の準備時間や機械の調整などの時間
間接作業時間:運搬や掃除など、補助的な作業をしている時間
直接工の作業時間のうち、直接作業時間に対する賃金が直接労務費、
間接作業時間および手待時間に対する賃金が間接労務費となります。
実際消費賃率=当月の実際賃金消費額(当月要支払額)/就業時間
直接労務費=実際消費賃率×直接作業時間
間接労務費=実際消費賃率×(間接作業時間+手待時間)
④間接工の賃金消費額
間接工の賃金消費額はすべて間接労務費なので、製造間接費勘定に
振り替えます。
なお、間接工の作業時間はすべて間接作業時間なので、直接工のように
消費賃率を計算する必要はなく、原価計算期間における要支払額をもって
賃金消費額とします。
間接工の賃金消費額=当月支給額-前月未払額+当月未払額
⑤その他の労務費
事務職員の給料、従業員賞与手当、退職給付引当金繰入額、法定福利費
などはすべて間接労務費なので、製造間接費勘定に振り替えます。
なお、事務職員の給料の計算においても、間接工の賃金消費額と同様に、
原価計算期間における要支払額が消費額となります。
第2回の労務費の解説は終わりになります。
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