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私たちのマインド(脳と心)のカラクリ

こんにちは!死ぬまで肉体と精神の成長と進化を追求し続ける生涯現役アスリートであり、認知科学コーチの【片山 絵(かたやま かい)】です!

プロフ写真

この記事では、私が学んでいる「認知科学コーチング」におけるマインド(脳と心)のカラクリについてお話していきたいと思います。

これをお読みいただければ「認知科学のコーチング」を受けるとご自身がどうなるのか、ということが理解できるかと思います。

それでは少しの間、お付き合いください!

1.人間の意識と無意識

人間は脳の機能として、意識(遅い思考・論理)無意識(速い思考・直感)の2種類が存在することが確認されています。

実は、私たちが普段、意識的に何かを判断していることは、この氷山の一角のようにほんの一部だけです。

氷山の一角

人間の意思決定のほとんど、9割以上は無意識的に行われています。

自分は意識的に判断したと思っていることですら、無意識で決めたことに、後から理屈を付け加えて、意識的に決めたと思い込んでいるのです。

認知科学コーチングでは、この無意識の働きに注目します。

2.コンフォートゾーン

人のパフォーマンスのほとんどは、この無意識的なマインド(脳と心)の機能によって決まります。

この無意識的な機能によって運用されている居心地の良い領域(現在の状態)のことを「コンフォートゾーン」と言います。

【コンフォートゾーン】
ストレスや不安が無く、安心感をもって落ち着いた精神状態でいられる快適で居心地のよい領域、範囲のこと。

私たちは、基本的にこのコンフォートゾーンの中で高いパフォーマンスを発揮します。

例えば、日本人のプロサッカー選手が生まれ育った日本の国内リーグでは活躍できていたのに、海外へ渡って直ぐには、自身のパフォーマンスが発揮できないというケースがあります。

サッカーアウェイ

これは生活環境や練習環境、スタジアムやサポーターの雰囲気が、日本国内という選手自身のコンフォートゾーンから出たかことが影響しています。

でも、徐々にその環境に順応していくことで、コンフォートゾーンの範囲が海外の環境にまで広がったり、ズレていくことで、その環境がコンフォートゾーンに変わり、良いパフォーマンスが発揮できるようになります。

逆に、長年海外リーグでプレーしていた日本人選手は、日本国内でプレーすることがコンフォートゾーンの外になる場合もあります。

3.ホメオスタシス

私たちは、このコンフォートゾーンが大好きです!私たちには居心地の良いコンフォートゾーンに留まろうとする性質が備わっています。

コンフォートゾーンから出ようとすると、脳は「ホメオスタシス」という元に戻す機能を働かせます。やはり、コンフォートゾーンが大好きなんです。

【ホメオスタシス】
恒常性維持機能。身体の外から受ける環境や内部の変化にかかわらず、身体の状態(体温・血糖・免疫)を一定に保とうとする機能。

上京してホームシックになって実家に帰りたくなる、みたいな感覚です。

ホームシック

慣れ親しんだおふくろの味が恋しくなりますよね。

私たちの身体でいうと、日々、膨大な量のエネルギーを消費して、自分の体温を無意識的に一定(平熱)に保とうとしてくれています。

平熱

90℃の高温サウナに入れば、大量の汗をかいて体温を下げようとします。
逆にマイナス10℃の雪山では、鳥肌が立ったり、身震いをして体温が下がらないようにします。

まさに、平熱でいること自体が、私たちの身体のコンフォートゾーンであり、自動的に体温を平熱に保とうとする身体の機能を「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」と言います。

認知科学コーチングでは、このコンフォートゾーンに戻ろうとする力「ホメオスタシスのフィードバック」を上手に利用します。

4.モチベーション

何度も言いますが、私たちはコンフォートゾーンが大好きです!大好き過ぎるが故に、このコンフォートゾーンに戻ろうとする力、ホメオスタシスのフィードバックとんでもなく強烈に作用します。

ホメオスタシスの力

なぜなら、私たちの生命維持に関わる人間の本能的な機能だからです。だからこそ、私たちは危険から身を守り、今日まで人類が繁栄することができたのです。

認知科学では、この繰り返し作用するコンフォートゾーンに戻ろうとする力、ホメオスタシスのフィードバックループのことを「モチベーション」と呼びます。

モチベーション

モチベーションとは、応援や評価などの外圧によるドライビングフォースではなく、コンフォートゾーンに戻ろうとする力のことなのです。

そのため「現状に留まりたい!」「このままずっと変わりたくない!」という人は、むしろモチベーションが高いと言えます。

また、私たちはコンフォートゾーンを2つ所持することが出来ません。
それは私たちが体温(平熱)を2つ維持できないということです。

そのため、マインドにおいても、現在と未来とでは臨場感の高い方、つまり「現状」がコンフォートゾーンとして認識され易いのですが、コンフォートゾーンが(領域・範囲)と定義されているということは、未来側へ「広げたり」「ズラす」ことが可能なのです。

5.ゴール設定

認知科学のコーチングでは、コーチとのセッションを通じて、クライアントにマインド(脳と心)のカラクリをご理解いただいたうえで、クライアント自身に、これからの未来で達成したい「ゴール設定」をしてもらいます。

ゴール

しかし、ただゴール設定するだけでは、ホメオスタシスの強烈なフィードバックを受けて、現状のコンフォートゾーンに引き戻されてしまいます。

ゴール設定 ホメオスタシスの力

そのため、コーチングセッションにおいて、コンフォートゾーンを未来の自分(ゴール)側にズラすということを行います。つまり、ゴール世界に生きる未来側の自分の状態をコンフォートゾーンにしてしまうということです。

ホメオスタシスの力

すると、ホメオスタシスのフィードバックは、コンフォートゾーンである未来側に強烈に作用します。その結果、現在の自分で在ること、つまり、現状維持に違和感を持つようになり、未来側の自分になるために高いモチベーションが生まれるのです。

6.バランスホイール

認知科学コーチングにおける未来のゴール設定は、バランスホイールという8つの領域で設定します。

バランスホイール

各領域の定義について、ご説明しておきます。

【仕事】人や社会の役に立つこと(お金稼ぎのためではない)
【趣味】人の役に立たないこと(自分が好きでやっていること)
【資産】ファイナンスのこと(収入と支出で手元に残った財産)
【健康美容】運動・栄養・休息のこと(ゴール達成時の健康状態)
【家族】パートナー、子ども、〇〇家にどう思われる存在でありたいか
【知性】ビジネスと全く関係のない教養のこと
【社会貢献】慈悲心、自分に利益や見返りが全くなく行う行為
【人間関係】プライベートと仕事の人間関係(ゴール達成時の状態)

ゴール設定は、仕事だけ、趣味だけということではなく、8つの領域「オールライフ」で設定します。私たちの脳(無意識)は、ゴールの量が多いと、整合性を取ろうとして、勝手に自動計算をしてくれます。

仕事でゴールを達成しても、健康状態は最悪。家族も崩壊している。お金もない。何ていう状態では困りますよね。

自己犠牲

好きな趣味をしながらも、やりたい仕事をおもいっきり楽しみ、そんな状態の未来では、どんな人たちと友人関係を築いていますか?仕事での人間関係も変わってきますよね。

社会貢献もして、新たな学びも深めている。そんな自分は家族からどう思われる存在で、健康状態はどうですか?結果、お金も後から付いてきますか?

一つの領域でゴールを達成すると、脳は他のゴールとの整合性を取ろうと勝手に自動計算してくれるため、臨場感が横滑りしてオールライフに連動していきます。やりたいこと・実現したいことを臨場感高く描き、オールライフでゴール達成をしていきます。

7.Want toと能力の輪

ゴール設定のために必要なこと、それがクライアント自身の本音の欲求「want to」の特定です。

「want to」とは、自分が本音でやりたいこと理由なく好きなこと
気がつくと自然とやってしまっているような、無邪気な欲求のことです。

無邪気

そんなにやりたいことは、親や先生、嫁さんに、どれだけ「やめろ」と禁止されても、バレないようにコッソリでも、やってしまいますよね。また、「want to」は、人生を通天して何回も出てくる行動・特性でもあります。

私は小さい頃からずっと身体を動かすことが好きで、特にスポーツをすることが大好きです。速く走れるようになったり、高く跳べようになるといった、成長と進化を実感することが、めちゃくちゃ好きでたまりません!

そのため、一か八かの危険なことも、親に止められてでも、見えないところでコッソリやっていました。その結果、怪我ばかりしていました。

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自分はどのくらいの高さまでなら、飛び降りることが出来るのか?といった限界への挑戦「飛び降りるシリーズ」は、怪我をするまでやっていました。

セッションでは、コーチの質問によって「want to」をハッキリと明確に言語化して、クライアント自身がしっかり認識できるようにします。加えて、クライアントが生まれ持った得意領域である才能(能力の輪)を特定します。

才能

セッションでは、本音の欲求(want to)と才能(能力の輪)の掛け算で発揮されるエネルギーの先に「現状の外のゴール」を設定することで、想像もしていなかった未来に向かって、躊躇なく進んでいけるようになるのです。

8.ゴール設定の大事なポイント

ゴール設定における大事なポイントを押さえておきましょう。

① 現状の外側であること
現状の外側とは、下記の3つの条件を満たしたものを言います。

・自分が想像すると怖くなってくるもの
・ゴール達成までのやり方が全く想像つかないもの
・周囲の人が驚いて止めてくるようなもの

想像しても怖くなくて、やり方のわかることで、誰も止めてこない。
これは「理想の現状」といって、現状の外側ではありません。

認知科学のコーチングで定義する「現状」は、「現在ある状態」だけではなく、「現在ある状態を続けていれば、当然、訪れるであろう未来」も含んでいます。会社で課長が部長になるなんてことは、まさに「現状」ですね。

② 「want to」であること
本音の欲求であり、誰に止められようとも「やりたいこと」です。

③ 複数のゴールを設定すること
バランスホイールで、8領域で設定します。

現状を生きるクライアントの想像の域に、現状の外のゴールはありません。そのために我々コーチが存在しており、質問によって介入することで、現状の外のゴール設定のために「未来の記憶づくり」をお手伝いします。それはクライアント自身が今までに想像できていなかった未来です。

未来の絵

そして、ゴールは過去、現在の延長線から考えるのではなく、クライアント自らがつくり出すもの(設定するもの)となります。

9.RASとスコトーマ

脳にはRAS(ラス)というフィルター機能が備わっています。

【RAS】
Reticular Activating System=網様体賦活系(もうようたいふかつけい)
脳のフィルター機能。

私たちの脳は、普段生活する中で入力される大量の情報を、すべて処理するとはできません。すべて処理しようとすると脳がパンクしてしまうのです。

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そのため、脳は情報処理をサボろうとします。無意識の優先順位に従って、認識すべき情報を脳が勝手に判断しているのです。この脳のフィルター機能をRASと言います。

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例えば、恋するほど好きなタレントに出会ってしまったとします。すると、いつも通りテレビの番組やCMを観ていたら、やたらと好きなタレントさんが出演している番組やCMばかりが目に留まるってことありませんか?

好きな女優

それは、自分の中で認識の重要性が書き換わってRASが発火(発動)したからです。RASはゴール設定によって、認識の重要性が書き換わることで発火します。

重要性が書き換えるためには、責任性を帯びさせる必要があります。つまりゴール設定によって「決断」することです。

すると、RASが発火して、自分にとって重要な情報、「ゴールを達成するために必要な情報」を無意識に認識することができるようになるのです。

その結果、世界が変わります!!

視覚、聴覚、嗅覚といった五感で認識していること、一日の過ごし方、毎日の習慣。入ってくる情報が、ゴール達成に必要なものにすべて変わります。そして、昨日までと世界が一変するのです。

情報認識

現状の外のゴールを設定したら、達成する道筋や手段を考えるのではなく脳(無意識)に身を委ねることが重要です。

人の脳は空白を嫌う性質があります。現状の外のゴール設定をすると、未来の自分と現在の自分との間の距離、空白を埋めようと、脳が勝手に道筋や手段を自動計算してくれるのです。

自動計算

すると、思いもよらなかった方法でゴール世界の自分に近づいていけるのです。その結果、人類は空を飛べたり、宇宙へも行くことが出来たのです。

逆に、RASによって情報が入ってこなくなる対象を「心理的盲点」スコトーマと言います。

【スコトーマ】
もともと眼科用語の一つで、“盲点”を意味する。眼の構造上、どうしても見えなくなってしまうポイントのこと。心理的盲点もスコトーマという。

例えば、よくある会話で「この間話した〇〇の件って覚えてる?」「え?そんな話してたっけ?」みたいなケースありませんか?それは、自分にとって会話の内容が重要性の低い情報と判断され、スコトーマになったためです。

現状の外でゴール設定をして決断することで、RASが機能してスコトーマが外れます。逆にゴール世界に不要な情報はスコトーマになるのです。

決断によって重要性が書き換わることで、必要なリソースや道筋が見えるようになり、それ以外、未来の自分にとって不要な情報は見えなくなる。という脳の機能が私たちに備わっていることをご理解いただけたでしょうか。

10.エフィカシー

エフィカシーは、コーチがクライアントの「未来の記憶づくり」を行うために、とても重要な要素になります。

エフィカシーとは、日本語で言うと「自己効力感」つまり、未来の自分の能力に対する自己評価のことです。もう一度言いますが「自己評価」です。

誰かが評価してくれたからということではありません。「やったことないけど、なぜか出来そうな気がする」といった根拠のない自信のことです。

エフィカシー

あなたも過去に根拠のない自信のあった体験ってありませんでしたか?

例えば、有名な起業家たちは、このエフィカシーが高い人が多く、アップルの創業者であるスティーブのジョブス氏はエフィカシーがとんでもなく高かったと言えます。

スティーブのジョブス氏は、まだiPhoneが世の中に存在していなかった時代から、周りが「彼にはもう付いていけない」と離れていったとしても、絶対に自分なら実現できると信じ、未来のiPhoneを手触り感がハッキリとわかるレベルで、臨場感高くイメージが出来ていました。

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世界中の人々が彼のつくったiPhoneを使っている今の世界が実現した理由、それは、want toと天才性が交わる領域であったこともありますが、彼のエフィカシーがとんでもなく高かったからです。

コーチはセッションを通して、クライアントのゴール世界の臨場感を、手触り感のあるハッキリとしたレベルまで底上げしてエフィカシーを高め、ゴールに向かって歩み出したくなる感覚を掴んでいただきます。

これによって、現状の自分よりゴール世界の自分の方が、居心地が良くなっていく。つまり、コンフォートゾーンが未来側にズレるのです。

ホメオスタシスの力

すると、脳が未来側をコンフォートゾーンとして捉えることで、現状の自分の状態に違和感を感じるようになり、未来の自分のアイデンティティで行動を繰り返すようになります。

11.セルフトークとアファメーション

セルフトークとは、脳内で自分に語りかけている自己内対話、脳内の独り言のことです。このセルフトークは人のパフォーマンスレベルを左右します。

セルフトーク

現状の外のゴールに向かって歩み続けるには、ゴール設定をしてからも、
未来の記憶の臨場感を日々高めることが必要になってきます。

例えば、セッション後、普段の日常に戻ってこれまでの自分と同じ生活をしたとします。

脳は臨場感の高い方をコンフォートゾーンと認識するので、これまでと同じ現状の行動、一日の過ごし方、時間の使い方を繰り返すと、現在の自分の方が居心地が良いと認識してしまうのです。

引き戻し

すると、未来の記憶の臨場感が徐々に下がっていき、現状に引き戻される出来事が起こる訳です。

そんな時に、このセルフトークを上手に利用して、ゴール側(未来の記憶)の臨場感を高め自らでコンフォートゾーンを未来側へズラすのです。

そもそも、私たちは無意識的なセルフトーク、脳内の独り言を一日に数万回も発語しています。

ネガティブ

このセルフトークの8〜9割がネガティブセルフトークと言われています。実はみんな根暗なんですね。笑

そして、認知科学の観点では「臨場感」を決めるのは、実は目の前で見えていることだけではないのです。臨場感生成はセルフトークでも可能です。

言葉映像感情

セルフトークは【Ward→Picture→Emotion】という順で、想起されます。セルフトークによって、言葉が脳内に映像を出力します。そして、映像の情報によって感情が動くのです。

そのため、セルフトークを書き換えてあげると、それが勝手に「ゴールの臨場感」を高め、エフィカシーを高く維持することに繋がるわけです。

そして、脳は私たちのネガティブな独り言をいつも近くで聞いてます。

盗み聞き

未来の自分が使っていそうな言葉やフレーズをセルフトークとして、毎日唱え続けることで、未来側にコンフォートゾーンが定着していくのです。

日常で使う言葉、見るもの、聞くものを、意識的に全部ゴール世界に相応しいものを選びましょう。そして、普段からも自分を否定するような、くだらない言葉は使わない。

アファメーション

この自分のゴール世界の臨場感を引き出す呪文を「アファメーション」と言います。言葉はもとろんのこと、触れているもの、人間関係も改めてみると、未来側の自分として、コンフォートゾーンに居られるのです。

12.現状の外への決断

今までの現状の自分を何も変えずして、現状のままでゴールへ行くことはできません。これまでの勝手な思い込みや価値観の優先順位、重要性(ビリーフシステム)を書き換えるために「とんでもない決断」が必要になります。

「とんでもない決断」です。

決断とは「決めて断つこと」です。ゴールを決めて未来側の自分にとって不要なことは、そっと手放してください。

want toで本音でやりたいと思ってるけど、怖い、出来るかどうか不安。でもやりたい。といったようにネガティブな言葉が頭を駆け巡ります。

でも安心してください!
この状態が上手に現状の外でゴール設定が出来ているサインです!

その結果、コンフォートゾーンが未来側に移り、RASが発火して、スコトーマが外れて、今まで見ていた世界が一変していくのです。

本音の欲求が解放されて、やりたいことで溢れた日常。それはこれまでの現状の自分からは全く想像もできなかった世界。毎日が楽しくてたまらない。

そんな未来側の世界が見えているのに、行動しない理由はありますか?

最後に

現在、コーチングに関して、モニターセッションを実施しております。

ご興味のある方は、下記のお問い合わせフォームまでご連絡ください。

詳細をご案内させていただきます。

無料相談も受付していますので、コーチングが気なる方やご質問があれば、お気軽にどうぞ!

認知科学コーチングに出会ってからの私の心境の変化についても、下記の記事でまとめてますので、良かったらご覧ください。

日々、SNSで発信もしていますので良かったらご覧ください。

最後までお読みいただき有難うございました。

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