見出し画像

ツエーゲン金沢スポンサー物語 2/3 チームは〇〇を待っている!?

スポンサーになったのはいいけれど、効果はどうやって出すのか?
当時のツエーゲン金沢は、JFLと言われるアマチュアも混在するカテゴリーで戦っていました。
つまりお客様は少なく、選手の中にはアルバイトをしながらプレイしている人もいました。
雨が降れば観客が500人を下回る時もあり、地元の人でもその存在すら知らない人もいる状況でした。

そんなチームのスポンサーになって、どんな効果が出るのでしょうか?
あなたならどうしますか??

Sさんは、チームにあるお願いをしたのです。
「チームのスポンサーになったところで、何かいいことが起こるなんて全く期待していません。でもこのままではなった意味がないので、こちらから提案する場を作って欲しい」と当時のGMに提案をしたのです。

するとチームも快く引き受けてくれ、今でも続く定例ミーティングが始まることになりました。
定例ミーティングではスポンサーとしての要望を伝えると共に、スポンサーに何をして欲しいのか?をチームに問うことも繰り返し行いました。

新規スポンサーの獲得のためには、既存スポンサーの満足度向上が不可欠なのです。ビジネスと一緒です。

そして、この定例ミーティングでは、チームもスポンサーも共に成長する相乗効果を創り出したかったのです。
実際にこのミーティングで話し合われた企画が、10個以上実現しています。

また、当社としても次のようなことがありました。
社員のNさんの昔の夢はカレー屋さんでした。
大阪で移動式のトラックを買いケータリング販売をする予定でしたが、家族の事情によりやむを得ずトラックを売って金沢に帰省し、当社で働くことになりました。

しかしどうしても当時の夢を引きずっていると感じたSさんは、チームに提案をして試合会場でカレーを販売させてもらうことになりました。
Nさんは明らかに本業よりテンションが高く、リーダーシップを発揮し、その熱量に周りが感化され、休日にもかかわらず9人の社員がカレーづくりを手伝い、当日は他の社員もカレーを食べに会場に来てくれました。

チームとしてもこうしたスポンサーの取り組みが、事例として他社さんに伝える情報になるのです。
ツエーゲンサポーターの皆さまにも食べてもらい、会社の名前や存在を知ってもらう機会になりました。
このカレーは味も好評で、その後も何度か試合会場で販売する機会をいただき、計684食を販売することになったのです。

ここだけの話ですが、スポンサーだからということで場代は0円でした。
当時だからできたことかもしれませんが、Nさんは間違いなくカレー屋さんの夢を実現したのです。
今でもこのカレーのことを覚えてくれているコアなサポーターの方がいます。

こんなことを実現できる可能性があることも、プロサッカーチームのスポンサーになるメリットではないでしょうか。
例えカテゴリーがJ1でなくても、提案次第で未来は変わるし、スポンサーからの提案をチームは待っているのです。

ちなみに・・・この時の出来事がきっかけかどうかは分かりませんが、Nさんはその数年後に会宝産業を退職し、本物のカレー屋さんになりました(笑)
もちろん会宝産業は、今も彼を応援しています。

そのお店の名前は「金澤ななほしカレー」です。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?