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未経験者のための『コードを学ぼう』ガイド-1

Swift Playgroundsアプリの『コードを学ぼう』は、プログラミング未経験者が最初に取り組む教材としてとても良くできています。
アプリも教材も無料で老若男女に広くおすすめできるものです。

内容は未経験者向けで、かみくだいた簡潔なものです。
実は最初のページのコードから、きちんとしたプログラミング言語のルールに沿っています。
この未経験者のための『コードを学ぼう』ガイドシリーズは、そのルールを整理・解説し、より本格的なプログラミング学習に(立ち往生せず)進むことを目的としています。

『コードを学ぼう』はキャラクターを動かしパズルの要素もあるため、子供向けのように見えますが年齢にかかわらず役立ちます。
プログラミング未経験者が独学で現代プログラミングの初歩を学ぶのに最適です。
この記事は在宅でできるスキルとして、プログラミングに興味を持っている人すべてに向けて書きます。

このシリーズの構成 ▶︎このnote
▶︎未経験者のための『コードを学ぼう』ガイド-1
   ⬇︎
 iPadで『コードを学ぼう』
 Macで『コードを学ぼう』
   ⬇︎
 未経験者のための『コードを学ぼう』ガイド-2
 未経験者のための『コードを学ぼう』ガイド-3
   ⬇︎
 未経験者のための『コードを学ぼう』ガイド-4
 未経験者のための『コードを学ぼう』ガイド-5
 未経験者のための『コードを学ぼう』ガイド-6


1-1 Swift Playgrounds って なに?

Swift Playgrounds(スイフト プレイグラウンズ)はプログラミングを学び実行するためのアプリです。
Appleが無料で提供するアプリです。
Swift PlaygroundsはこちらのAppleのwebページで確認できます。(iPad用の内容です)

現在はiPadだけでなくMacでも使うことができます。(どちらも無料です)
iPad版、Mac版のアプリ概要については後ほど説明します。


1-2 Swift って なに?

Appleの『コードを教える』で

Swiftではじめよう。
Swiftは、Appleが作ったパワフルなプログラミング言語です。
「jump」や「forward」など、英語の授業で習うわかりやすい英単語にもとづいているので、学ぶのも簡単。
iPhoneやiPad、Mac、Apple TV、Apple Watchの人気アプリケーションの制作にプロのデベロッパが使っている言語です。

と説明されています。(教育関係者向けのページです)

「Swift」(スイフト)はプログラミング言語のひとつです。
iOS、iPadOS、tvOS、watchOS、macOSのアプリを開発するのに使われています。


1-3 『コードを学ぼう』 って なに?

『コードを学ぼう』はSwift Playgroundsアプリ用の無料の教材です。
実行できる初歩向けプログラミングの教科書とも言えます。

『コードを学ぼう』についてはApp Storeの『1週間でコーディングを学ぼう』で紹介されています。

実際に動かしてみるとすぐにわかりますが、動きと効果音もある(ゲーム感覚で)楽しくコードを学べるすぐれた教材です。

なお、私の記事では一つの章を1日でやることには、まったくこだわりません。

1日でひとつの章をやるのは効率の良い進め方と思います。
ただし大人でもまとまった時間が必要です。
ページが進むに従いだんだんと難しく、時間がかかるようになるはずです。
パズルが解けずに引っかかってしまうこともあるでしょう。
ひとつの章が1日で終わらなくても、気楽に続けてください。

・・・

『コードを学ぼう』がプログラミング未経験者向けのすぐれた教材であることは、やってみてすぐにわかりました。
しかし『コードを学ぼう』の1と2を最後までやっても、いきなりアプリを作ることはできません。
私は札幌で『コードを学ぼう』をやった後に最適なレベルのセミナーを開催してきました。(現在COVID-19感染拡大防止のためセミナーは休止中です)

この記事を、『コードを学ぼう』で体験するプログラミング要素を整理し次のステップに進むために役立ててください。


2-1 まずはじめに

この「未経験者のための『コードを学ぼう』ガイド」シリーズは基本的に『コードを学ぼう』1 と 2 の副読本的な説明です。
『コードを学ぼう 1』をやりながら読み進んでも良いでしょう。
ざっと読んでから『コードを学ぼう 1』をやっても構いません。

『コードを学ぼう 1』と『コードを学ぼう 2』をすべてやるにはかなり時間がかかると思います。
プログラミングがはじめての場合はぜひ『コードを学ぼう 2』まで、すべてのページを順にやってみてください。

『コードを学ぼう』の(プログラミング教本としての)難易度レベルは初歩です。
ただしパズルとしてはなかなか難しく感じる部分があるかもしれません。
【難易度レベルは〔初歩、初級、中級、上級〕の初歩レベルです】
プログラミングを体験することが目的です、パズルが解けなくても大丈夫です。(その対策もこのシリーズで解説します)

プログラミングには英語の用語がたくさん出てきます。
英語のつづりもできるだけ並べて表示するようにしています。
Playgroundsアプリは日本語で実行できますが、エラー表示は(一部は日本語で表示しますが)英語も残っています。
エラーの原因を考える場合も用語の英語表記を活用してください。
ブラウザでページ内の検索機能を活用してください。


2-2 Swift Playgroundsアプリについて

正式なアプリケーション名は Swift Playgrounds ですがここからはホーム画面上の表記と同じ Playgrounds と表記します。

もともとiPad用アプリでしたが、Mac用も登場しました。
Apple社が提供する無料のアプリです。
2020年4月3日にどちらもバージョン3.3にアップデートされました。

もともとiPad用だったものをMacでも使えるようにしたので、基本的にはひとつのアプリで、両者の違いはiPadとMacの違いと言えます。
『コードを学ぼう』を試すには、モチロンどちらも問題なく使えます。

2-3 iPad版 Swift Playgrounds

アプリは無料で、iPad専用の日本語版です。(iPhoneでは利用できません)
App Storeからダウンロードできます。

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2-4 Mac版 Swift Playgrounds

iPad版と同じバージョンの日本語版です。

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開発ツールとしての側面を含め解説記事を書きました。(有料記事ですがおよそ半分試読できます)


3-1 コードを学ぼう

Playgroundsの「コードを学ぼう」はプログラミングに初めて取り組む場合にも使える自習用教材です。
Appleが無料で提供しています。

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ダウンロードの手順などは別の記事にまとめました。
この記事の最後のリンクからiPad用またはMac用を選べます。
iPadでもMacでも利用する教材(コードを学ぼう)はまったく同じものです。

未経験者向けの構成 
コードを学ぼう」はプログラミング未経験者が最初に取り組む教材として作られています。
最初にアニメーション付きのスライドショーで概要を確認し、次のページから少しずつ学んでいきます。

コードを学ぼう」はアプリ作りでも実際に利用されているSwift言語を使った教材です。

プログラミング言語学習にはスクラッチ(Scratch)などもありますが、スクラッチを学んでも本格的なアプリ作りのためには別の言語を使わなければなりません。
Swiftならそのままアプリ作りに進めます。
最初からSwiftで学べる『コードを学ぼう』を、私が未経験者が取り組む教材としておすすめする理由のひとつがこれなのです。

じっくり取り組んでください。


3-2 『コードを学ぼう』でやること

コードを学ぼう 1
コードの動きを体験しながら Swift を学んでいきます。
サブタイトルは「Swiftの基本」ですが、アプリ作りに必要な範囲としては「さわり」の部分だけです。
Swift だけではなくソフトウェアのしくみも学ぶことができることが特徴です。

「Swift」(スイフト)はプログラミング言語の名前です。
現在たくさんのプログラミング言語があります。
Swift は iOS や macOS などApple製品のプログラミングに多く使われます。
「Swift」はつばめのことで、シンボルはオレンジ色のつばめアイコンです。

コードを学ぼう 2
コードを学ぼう 1 を済ませてから取り組む教材です。
サブタイトルは「中級編」ですがアプリ作りに必要な範囲としては「さわりその2」にとどまります。
ただしコードの行数も多くなりパズルとしても難しくなります。
課題を解くには新しい知識に加え「コードを学ぼう1」の知識も必要です。
コードを学ぼう1を復習しながら取り組んでください。

Bluの冒険
サブタイトルは「グラフィックス、座標、タッチイベントを学ぶ」です。
1や2とは舞台も変わりSwift言語の新しいキーワードではなく、座標などの要素と画面表示やタッチなどイベントへの対応を、専用のコマンドで体験する教材です。
このシリーズでは『Bluの冒険』の内容には触れません。


3-3 必要な機材、新しく機材をそろえるなら

「コードを学ぼう」を実行するための機材は、そのままアプリ開発にも使えます。
(アプリ開発にはMacが必要ですが、iPadはアプリのテストに必要になります)

Macが利用可能な場合 
自分専用のMacを持っている場合はそれが使えます。(macOSは10.15.3以降が必要です)

家族がMacを持っている場合、ログインアカウントを追加してもらって借りましょう。
ログインしている間は自分専用のように利用できます。

iCloudを使うので自分専用のApple IDは必要です。(無料で登録できます)

iPadが利用可能な場合 
自分専用のiPadがある場合はそれが使えます。(iOS 13.1以降が必要です)

MacもiPadもない場合はどちらかが必要です。

iPad は Mac より価格が安く、ARアプリを体験するのにも最適です。
一方 Mac は iPad よりも高価で使いこなすためのスキルも必要です。

Mac は Xcodeアプリをインストールしてアプリを開発することもできます。
iOSアプリを作るには動作確認用にiPhoneまたはiPadが絶対に必要となります。
将来アプリを作りたい場合も、まずiPadでプログラミングの感触を確認してからMacに投資しても遅くないと思います。


3-4 やってみよう!

iPad版とMac版のPlaygroundsアプリはほぼ同じですが、一部違うところもあります。
はじめてやってみるときに別の環境の説明は不要なので二つの記事に分けました。
この記事の最後からリンクしています、それぞれの記事をご覧ください。

「コードを学ぼう」は老若男女に広くおすすめできます。
・プログラミングに興味を持っている人
・在宅でできる仕事の候補のひとつとして
・子供たちが学ぶプログラミングを、教師として保護者として知っておきたい人
・身近なiPhoneやiPadのアプリのしくみを知りたい人

機材や環境があるなら、やってみよう!


4-1 プログラミング言語Swiftについて

コードを学ぼうを順にやっていくと、少しずつわかってきますが、ここでは予習のために最も基本的なことを書きます。

基本は英文と同じです。
Swift 言語の基本は英文と同じで(英字や数字などの並びからなる)単語と空白などの区切り文字で行を作ります。

◆プログラムは行の積み重ね
◆プログラムは行が単位です
◆行は改行で終わります
◆行を順に実行します
◆行は命令文(英語では statement)とも呼ばれます

キーワードがたくさんある 
プログラミング言語にはキーワードがたくさんあります。
最も基本的なキーワードはプログラミング言語が違っていても似ています。
Swiftにもたくさんのキーワードがありますが「コードを学ぼう1」で使うものだけでも func for in while if else などがあります。
Playgroundsのソースエディタ(コーディング領域)ではキーワードは紫色に色分けされて表示します。

4-2 コメント

コメントはプログラムを作る人間のためだけの説明で、プログラムの実行にはまったく影響しません。
Swift言語ではスラッシュ/)が二つ続くとそこから行の終わりまでをコメントとみなします。

//」をつけずに説明をいきなり書くとプログラムと解釈しエラーを表示します。

コードと同じ行の後半にコメントを書くことができます。

// この文はコメントです
実は コードを学ぼう の各ページに表示している説明文は特別なルールで書かれたコメントです。
このためコードと同じページに日本語で解説が書かれていますが実行には影響しません。

複数行をまとめてコメントにする書き方もあります。
「/*」ではじまり「*/」までがコメントです。
この書き方は「コードを学ぼう」では登場しません。

/*
let x = 10 */

とするとこの二行はコメントです。
定数xは定義されていません。
「/*」から「*/」のコメントの中に別のコメント行や「/*」から「*/」のコメントがあっても一番外側の「/*」に対応する「*/」までが連続したコメントと扱います。
全体をコメントにした例:

/*
let x = 10
x = 3   // 定数に代入するとエラーになる
/*
   古いコメント 1行目
   古いコメント 2行目
*/
var x = 3   // 同じ変数名はエラーになる
*/
(noteではソースコードはキーワードで色分けして表示されます。コメントの入れ子には未対応のようです)
Playgroundsアプリで確認してみてください。


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お知らせ
プログラミング未経験者向けの電子書籍をブックストアからリリースしました。
『コードを学ぼう』の解説書です。
noteで公開しているこのシリーズ記事を一冊にまとめ、一部加筆したものです。
未経験者のための『コードを学ぼう』ガイド
(目次と冒頭部分が読めるサンプルは無料です)

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Swiftについてじっくり学ぶのは『コードを学ぼう』の1と2を済ませた後で大丈夫です。
残念ながら『コードを学ぼう』を2の最後までやり終えた後、次に取り組む日本語の適切な入門書がありませんでした。
そこで自分で書きました。

お知らせ 
Booksアプリで読める拙著『Swift5初級ガイド』をどうぞ。
(サンプルは無料です)

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さあ、iPadかMacを使ってやってみましょう。

 iPadで『コードを学ぼう』 または
 Macで『コードを学ぼう』 につづく

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