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随筆4


辛いものが好きだ。
前、だいぶ前になるがワサビそばだかそばワサビ風味だかのカップ麺をたべたときのはなしをしたい。

ワサビの辛さは脳天まで届くし気持ちいい、と思ってしまうほどの麻薬的中毒性がある。
山ワサビとか超テンション上がる。
口に入れてわかるヤバイと思った瞬間ではもう遅くてその3秒後あたりから鼻腔中を叩いてワサビが暴れまわる。時に耳の方までまわってきて思考をダメにする。声にならない声を出しながら、ワサビの刺激に身を委ねる。(しかなすすべがない)

そのカップ麺はサイズの割に高くて、238円くらいした。ただのそばにしては高いな、と思っていたけどなぜかその時どうしてもワサビの刺激を受けたい呪縛にかかってしまい、購入した。

開けた。
銀色のキラキラした包装には、「ワサビ風味」みたいな言葉が書いてあった。なるほどこれがワサビ要素か。触ってみると液体で、どう考えてもこれはワサビじゃない。

5分後。
カップにいよいよ「ワサビ風味」を入れる。透明の油みたいなのが出てきた。
これがワサビ…?
混ぜようかなと思った時、そばの湯気と一緒に上がってきた油ワサビが、わたしの鼻腔を刺激して激しくむせた。
え?って声に出てた気がする。めちゃくちゃにワサビだった。わさびよりもワサビ。

混ぜて食べたけど4.5回むせて食べた。
無事ワサビの刺激に殺されて、わたしは自室で一人泣きながらそばを食べた。

美味しかったけど多分もう買わない。
そもそもわたし、あたたかいそばにワサビは入れない派だった。

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