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質と量、どっちをとるか

もう一年以上前にもらった言葉が、今更になって強く響いてくる。

以前、居酒屋ガツン!にいったとき、店主の寺本昌司さんと、こんな話をした。


「質と量、どっちをとるか。」



当時話していた内容はこうだ。


最近のウケるコンテンツの傾向として、毎日更新されるものが好まれている。
Twitter、Instagram、livedoorブログ、YouTube

人気の高い人は
質のいいものを月1、ないし週1で更新している人よりも圧倒的に、
毎日更新している人だった。

今の時代を勝ち抜くためには量を出さないといけないのか
しかしそれだと、本当に作りたいクリエイティブは作れない

どうするべきか


そんな話をしていたところ、昌司さんがおっしゃったのが

「質と量、両方やる」だった。

本人は、両方気合でやる
みたいなニュアンスでおっしゃっていたが、

量のコンテンツを出しつつ、
質のコンテンツも出していく


ボクはそんなふうに捉えた。


✳︎


ボクはなぜか、両方はできないとハナ決めつけていたように思う。

「ある程度しっかりしたものを世に出したい」というのは、クリエイターなら誰しもが思うところだろう。


当時、ボクの尊敬している漫画家、あんじゅ先生が
日刊あんじゅ先生という漫画を毎日更新していた。

毎日1ページ漫画を公開しているのだが、
目的は毎日更新だからだろう。
面白い日もあれば、明かに手抜きにしか見えないような内容の日もある。

日刊あんじゅ先生を見ていたボクは、「こういうコンテンツは絶対に作りたくない」と思っていた。

作っても資産にならない、電子書籍とかで配信できる漫画にはならないと考えていたからだ。


質を考えた上でボクが作ったのは、「かいちの幸せの見つけ方」というコンテンツ
noteでも度々、編集部さんが取り上げていただけるコンテンツだ。


共感と有益をデザインしてつくっていた「かいちの幸せの見つけ方」
Twitterでは高反応だった。

リツイート100超えは当たり前。
1000を超えるリツイートは5本いただいた。
その中のひとつは1万リツイートだ。

個人的に、質には満足していた。
あとは継続だと思い、一時期は毎日更新しようとがんばった

しかし、そのときはわずか9日で断念してしまった。
「かいちの幸せの見つけ方」は1本4ページのフルカラー
1本つくるのに8時間もかかる。

他に仕事をしながら、8時間を毎日捻出するのは一苦労だった。

毎日更新をやめてからも、不定期で更新はしたのだが、


ある時から、反応があまり良くなくなってきた。

Twitterに投稿しても、以前ほど感触はよくない。


100リツイート超えが当たり前だったが、
リツイート2ケタ台が目立つようになってきた。

今考えると、それでも素晴らしい数字なのだが、
上の数字に慣れていた当時のボクは、だんだんと数字が落ちていくのを目の当たりにして、心が折れかけていた。

そんなときに、あんじゅ先生とお会いする機会があった。

あんじゅ先生もボクの投稿を気にかけてくれていたらしく、

それはそれは懇切丁寧なご指導をいただいた。


「バズ狙わなくていい」
「毎日投稿しろ」

多分、ひがみだ。


あんじゅ先生が言うには、

質のコンテンツ「かいちの幸せの見つけ方」は外向け、フォロワーさんじゃない人向けに発信するコンテンツ

そればかりだと、フォロワーさんが飽きてしまう。
だから内向け、フォロワーさん向けのコンテンツが必要

とのこと。


あんじゅ先生が念を押してくれたのもあり、ボクは質を落として毎日投稿を始めた。


✳︎


質を落とした毎日投稿漫画、「かいちの挑戦」

フォロワーさん向けに、ボクの今感じてること、考えていること、過去の体験などを発信している。



基本的に、1本4ページ。
絵の質はラフ画のような雑な絵まで落とした。

しかし、内容はやはり少し拘りたいと思い、
なるべく有益になるようなメッセージを込めている。

制作には約2時間かかる。


「かいちの幸せの見つけ方」と比べると、作るのはずいぶんラクになった。


こちらは現在で70日ほど、毎日投稿が継続できている。

2ヶ月強、やってみた感想としては

毎日投稿、単体だとなににもならない
ということ。

もちろん、既存のフォロワーさんからは応援をいただける。
普段はコメントをいただけないフォロワーさんからも、度々反応が来るようになった。
フォロワーさんとの距離は縮まったように思う。

しかし、今度は逆に外に広がらないのだ。


考えてみれば至極当然。


「質と量、両方やる」


ガツン!の昌司さんの言葉がフラッシュバックする。

もう1年以上前の出来事なのに、今更、何度も何度も、頭の中で反芻する。


ここ2週間ほどは、この言葉が頭から離れなかった。


結局、そうすることになるのか。
そうすることが、前に進める最前の方法。

質と量、片方ずつコミットした結果、そうするしかないのだと思った。



✳︎



今年から、質と量を両方維持していこうと思う。


問題は時間の確保
現状、量のコンテンツ「かいちの挑戦」には2時間、長いときで3時間かけている。

1日2時間、貴重だ。

毎日2時間ずつかければ、4日で質のコンテンツ「かいちの幸せの見つけ方」が作れる。


バランスの問題だ。


量のコンテンツをもっと下げる。
質をもっと落として、30分で1コンテンツを制作できるようにする。


そうすることで、質のコンテンツをつくる時間を少しでも多く確保する。

とりあえずは、そういう運びでいこうと思っている。


これからの時代を制するクリエイターは、質と量、どちらに重点をおくクリエイターなのか。

日常が量のコンテンツで溢れいている中、ときたまビッグな大ヒットコンテンツが世を斡旋したりしている。


何が正解かはわからない。

でもボクは、とりあえず両方やってみる。
またうまくいかなかったとしても、それはそれで得られるものが必ずあるからだ。

その先は、自分の目で確かめる。
その選択が自分に合うかどうかは、行動してみなければわからない。

ボクはまた迷走する。
でもその迷走は、確実にボクを成長させる。

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