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御神木の声は中尾彬の声に似ていた




「愛」の反対は
「無関心」ではありません。
「愛」に反対の言葉はありません。
「愛」の反対は
「愛」。
「無関心」さえも
「愛」。
この宇宙に存在する全ての事象に
「愛」は張り巡らされていて
「愛」は
裏返しても
ひっくり返しても
何度もじゃぶじゃぶ洗ったとしても
それでも消えずに
そこに
「愛」は存在しているのです。




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僕の実家がある地域は関西でも有数の工業地帯。昔ほどではないが、だいたいいつも空は煙(けぶ)っていて、空気も悪い(ちなみに、関西でも有数の「柄の悪い」地区でもある)。町のスーパーマーケットにはオーガニック食品なんてもちろん無いし、パスタはマ・◯ーだけ(◯・マーが悪いわけじゃないよ、選択肢がない、ということ)。目を疑うような安い値段で卵が売られていたりもして。いやもう無料で配ろうよ、みたいな。
この感じ、昨年訪れたニューヨークのブラック・コミュニティ(黒人さん達が集まって暮らしている地区)に似ている。空気が汚くて、街全体がいつもちょっとだけ変な臭いがしていて、スーパーではビックリするような安価で野菜が売られていて。安かろう悪かろう、大丈夫かいなこの野菜? って、買うのをためらった。ニューヨークの中心地では、オーガニックのスーパーもあるし、どんな小さなマーケットでもオーガニック・コーナーが必ずあるのにね。
東京もそう。自然食品店なんて、今や都内のどの駅にもだいたいあるし、無農薬や無添加という言葉も浸透してきた。それに比べ、僕の親なんて添加物でできた塩と醤油使ってて、それ知った時は白目むいて卒倒しそうになったよね。添加物が体に良くない、という意識も知識もないから困ったもんです。
ちょっと都心を離れたら未だに情報源はテレビだけという人も多いし、東京やニューヨークの中心地は物価も所得も水準が高いから、しょうがないのかな、とも思うのだけど。

先日、実家に帰省した時に町を散歩していると、工場地帯のそばにある小さな神社が「おいで、おいで」しているような気がして、立ち寄った。
僕が子供の頃からそこにある、小さいながらも歴史の古いその神社。入口を入ってすぐのところには見上げるほど大きな御神木が鎮座している。神社にお参りをした後、その御神木にもご挨拶。手のひらでそっと木肌に触れると、その御神木さんが僕の意識にこう語りかけてきた。



「心配しなくていい、ここに住む人達はみんな健康だ。
なぜなら、この町の住人は今の状況を誰も疑っていないから。
この環境を受け入れ、彼らなりにこの地を愛し、この地での暮らしを楽しんでいる。
自分がいまここにいる現実を、誰も疑っていないのだ。

健康は病気にならないことじゃない。
たとえこの地の環境や状況で病気になったのだとしても、自分を疑っていなければ、その人は健康だ。
自分を疑ったり、世界を疑ったり、否定したりするなら、
病気でなくともその人は健康ではない。
疑わない人生を歩むこと、
それが健康への道なのだ。」



そうか、僕は、僕の視点だけでジャッジしようとしていたんだ。
世界にはいろんな視点がある。正しいか間違っているかも、何百通り何千通りとある。僕の視点だけで、物事の「良い、悪い」なんて判断できない。この街の人は大丈夫か?なんて、大きなお世話っちゃー、大きなお世話で。全くそのつもりはないけど、知らず知らずの内に、見くだしたりしていたのかもしれない。あんた何様? って感じ。

ブラック・コミュニティに想いを馳せた。
黒人さんてすごく怖いイメージを勝手に持っていたけど(これも「先入観」というジャッジメントだ)、建物に入れなくて困っている僕たちに声をかけて、案内までしてくれたりして。すごく優しかった。あの街で暮らす人達は、皆、自分の置かれた環境の中で、ただ、静かに穏やかに暮らしているように見えた(もちろんあの街の全部を見たわけではないけれど)。あの時も、勝手な先入観や「こんな場所で暮らしてかわいそう」なんて、頼まれてもいない「お慈悲」を持っていたんだと思う。御神木さんに、感謝だ。気づかせてくれてありがとうございます。僕の仕事は、誰よりもその事を理解していなければいけなかったですね。人をジャッジしないこと、世の中をジャッジしないこと、が、仕事だった。
また来ますね。ありがとうございました。

その足で、すぐ近くのスーパー銭湯に寄って、汗を流した。露天風呂から見上げた空は、その日もちょっと煙っていた。


2018. April
Photo & Writing by kai


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