別居を決断したきっかけ2 子供達への説明
夫との毒の空気を出したくなくて、子供たちには何も感じさせたくなくて、私は一つの部屋に籠ることが増えました。顔を合わさなければいがみ合いは避けられます。でも、毒の空気はどんどん濃くなって、家の中に流れていました。
私は子供達には何も変わらず接していたつもりでした、それに彼らの前で夫と口論もしていないつもりでしたが、末の娘から
「お母さんとお父さんは、喧嘩ばかりだね」と言われていました。
入居日が決まったこと、そしてそれを子供たちに何日に伝えようと思っていることを、夫にも伝えました。夫にも同席をお願いしました。
告知が、別居一週間前というのは短すぎたのかもしれませんが、子供にとって一日は長い長いものです。
衝撃を受けた後、宙ぶらりんの状態があまり長くない方が良いと判断しました。
夕食後大切な話があるからねといって、手作り餃子を皆で食べました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
みんなに大切なお話があります。
ねえ、私たちって 鉢植えの観葉植物のような存在ってイメージしてみてくれる?でも、違うところは、私たちは自由に動けるの。
15年前、お父さんとお母さんは、一つの鉢に入って一緒に家族を作る事を決めました。
貴方たちが生まれました。
私たちは栄養をあげたり、お水をあげたりして、君たちが育っていくのを幸せに見守ってきました。楽しかった。
でもだんだんとお父さんとお母さんが絡まりあって、互いに茶色くしおれてきました。二人とも疲れてきて倒れてきて、苦しかったけど、
「これが責任ってものだよ。これが年を取るってことだよ」って自分たちに言い聞かせてきました。
でもどんどん私たちの出す土が、貴方たちにも影響するかもしれない状況になってきました。
私は貴方たちが大好きです。世界で一番愛してるし、可能性を信じています。
貴方たち一人ひとりに、最もユニークで最もイキイキした緑に育ってほしい。それが私の世界で一番の願いです。それを邪魔する事は絶対にしたくない。
だから私は、お父さんと絡まってる自分をほどいて、鉢から出て別の鉢で暮す事にしました。
そしたらきっと、私もお父さんももう一度根っこを一杯に伸ばして、もう一度緑に戻れると思うから。そして貴方たちにも元気な土をあげられる。
新しい鉢は、ここから歩いてすぐのあそこだよ。
母にとって、貴方たちといつもいつも一緒にいられないのは、身を割かれる思いです。でも、貴方たちが自分の鉢を見つけて、自信をもって家を出るまで、どうぞ近くでお世話させてください。しんどい時は絶対にいつも近くに居たいです。元気な時も一緒に居たいです。
母のお願いです。
君たちはお父さんとお母さんの鉢を行ったり来たりしないといけなくなるけれど、本当にごめんなさい。学校やお勉強や、お友達への影響ができるだけ小さく出来るように頑張るから、分かってください。不便かけてごめんなさい。
お父さんは素晴らしいお父さんだから、安心しています。
ごめんね。ビックリさせて。わかってください。
君たちを心から愛しているし、これからも母の愛は変わりません。お父さんの愛も変わりません。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
子供たちと手を繋いで、泣きながら何度も繰り返した気がします。
子供たちは静かに聞いていました。
次男は少し涙ぐみ、末の娘は泣きました。
長男は穏やかに聞いたのち、私と夫にハグをしてくれました。
夫も、終始何も言わず聞いていました。
それから一週間、一か月、二か月、子供たちは苦しみました。