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【読んだメモ】子供にとって良い"神"になれるか。「毒になる親」

タイトルの問いかけの答えを言うと、親は子供の「神になれる」。いや、「神になってしまう」が正しいだろう。

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この記事は、スーザン・フォワードの「毒になる親」を読んだメモ書きです。

箇所によっては、こちらを読むだけじゃ意味がわからない点も多くあります。メモを読んでいただいて、少しでも興味を持ったら是非お手にとってください。手元に置いておいて後悔はさせない、素晴らしい名著です。

ただ…いわゆる"毒親"の例が多く登場するので、自分の親と共通するところを見つけ、苦しんでしまう可能性はあります。思い当たる節がある方は、心が元気な時じゃなければ避けたほうがいいかもしれません。

しかし、そんな苦しみを解決する糸口もまた、この本に書かれています。メモは以下からです。

親は子に対して全権をもつ神

親と子の関係は、ギリシャ神話の神と人間のようだ。
神々は人間のすることに対して裁定し、神が気に入らないことをすれば気まぐれで罰を与えた。神は非合理。神はその時の気分で何をするかわからないので、人間はビクビクし恐れて暮らした。

子供は親にいつ罰せられるか分からず、恐怖心が成長するごとに根をはっていく。

親は神だから、親が間違ったことをしても子供はそれを知る術がない。
親は正しくて完璧と信じている限り、自分は守られていると感じることができる。

子は成長すると、親の服従に反発する

心の不健康な親は、子供の離反・自分と考えが違うことすら自分に対する個人的な「攻撃」と受け止める。

そういう親は、子供の「非力」さと親に対する「依存度」を大きくすることで、自分の立場を守ろうとする。しかも、親本人は、子供のためと思ってやっている。結果、子供の自負心を深く傷つけ、独立心を奪う

子供は、無力感と不安感を抱えて生きてくことになる。

そういう人間が、自分自身の人生を取り戻すために踏み出さなくてはならない最初の一歩は、子供だった時の真実(親は間違っていた)と対面すること

怒りは向けるべき相手に向けなければならない

仕事のネガティブな感情を家族に向ける父親の背中をみて育った子供は、犬を蹴飛ばすことが往往にしてある。

人間は、ネガティブな感情を本来向けるべき人からそらし、向けやすい人に容易なターゲットに向けてしまう性質があるためだ。

毒になる親を天上から引き摺り下ろし、ただの人間として現実をみる勇気をもつことができたとき、子は親と対等な関係でいられる。

義務を果たさない親


・していいことといけないことの違い
・失敗を許される
・何事も子供には責任はない

親が自分の責任を子供に押し付けている家庭は、家族のメンバー間の役割の境界線がぼやけ、逆転してしまう。この状況にある家庭は、子供は自分の親の役割・親の親の役割を演じなければならなくなり、親は親の責任を果たしていない。

結果、罪悪感や過剰な義務感を感じる人間になる。子供は子供らしく無邪気に生きる権利があるのだ。

親が身体や心に問題を抱えており自分のことばかり心配している状態にあると、言葉にしていなくても子供は「お前の気持ちは重要ではない、自分のことで頭がいっぱいだ」というメッセージを受け取ってしまう。
そんな親の子供は、"透明人間"状態になる。

透明人間とは・・・アイデンティティーをもつことが困難。考えや感情、自分が必要としていること、自分がどういう人間か、愛情に満ちた人間関係とはどういうものか、が分からなくなる。

いなくなってしまう親

離婚etcのことを指す。
子は、「親は自分がいらなかったのだ」「いなくなったのは自分のせいだ」と思うようになる。

家族になにかネガティブなことが起こると、すべて自分のせいではないかと子供は思ってしまう。

親が子供になにを「したか」で傷つけられたのか発見することは難しくないが、なにを「しなかった」かで見分けることは難しい。

コントロールしたがる親

どこまでが自分で、どこまでが親なのかわからなくなる

直接的コントロール
A)自分の都合を押し付けるタイプ

B)金でコントロールしようとするタイプ
→親の気分によって必要なものも買ってもらえなくなると、親の顔色を伺って生活するようになる

C)子供の能力を永久に認めないタイプ

・10代になっても、親が手をひいて横断歩道を渡るなど、不安感の強い大人になる

・「言った通りにしなさい。さもないと〜」「小遣いをやらない」「もう口聞いてあげない」etc
この言葉には脅しが含まれており、子供は屈辱感を感じさせられる。子供の気持ちより自分の気持ちを優先させる親。
小さい頃からのフラストレーションが溜まっており、子供は他の人をコントロールしたくなり、結婚生活が破綻する。

はっきりと分かり難いコントロール
A)干渉をやめぬ母タイプ
手助けしている姿を装ったいらぬ干渉
頼んでもいないのに食事を作って持ってくるetc…断ると寂しい顔をして、ひどい娘であるかのようなそぶりをする。

B)兄弟姉妹まで親と一緒になって責める家庭タイプ
「お母さんを傷つけて」「一人だけ違うことをするとは何様だ」
毒になる「家」
家の平安を脅かす存在とし、子供が自分のやりたいことを断念させる。
→そんな子供のアイデンティティーは家族の意向にからみつかれており、自分自身のものにできない。人にどう思われてるかが気になり、承認と賛同を得ていなければ事故を保てない人間になる。

C)兄弟を比較する親タイプ
兄弟と比較して怒り、親の要求にお答えていないことを思い知らせようとする。もっとも独立心の強い子がターゲットに。

→本来なら健康的で正常な兄弟間の競争心を醜い争いへと変えてしまい、嫌悪感や嫉妬心を生じさせてしまう。

◎子供に起きる反応
・いやいやながらも従う
・反抗する(独立しているようにみえるが、コントロールに対するただの反動にすぎず、そう反応するように親が仕向けた結果)

例)親が結婚させようとする(コントロール)→本来結婚は自分の望みでもあるのに、反抗してしまう(願いは叶わない)
⇒自滅的な反抗

「毒になる親」に共通している点は、自分の人生への不満と見捨てられる不安。
思春期後から徐々に親と子供の精神分離が必要。

コントロールしたがる親は、自分が必要とされなくなることに恐怖している(親であることにしかアイデンティティーを見出せない)

アルコール中毒

アル中の親がいる家庭では、嘘・言い訳・秘密が当たり前になっており、その空気が子供に計り知れない情緒の混乱を引き起こす。

子供は親を救うこととノーマルな家庭の見せかけを維持するために、エネルギーを消費し自分の基本的なニーズに注意を払うことができない。

結果、問題のある人を救いたがる性格に。ダメ人間と結婚をしてしまう方も多い。この行動を「衝動脅迫的な反復」といい、無意識に苦しみに満ちた昔の体験をもう一度演じようとする。

◎なぜ同じこと(ダメ人間の元に行く)を繰り返すのか

アル中の親が飲んでいないまともな時に過ごした楽しさを享受するためには、ひどい思いをしなければならない、という経験から。
→愛と苦しみが一緒になり、愛は必ず苦しみをともなうと信じてしまう

子供が親に酒をのませられ、共犯関係を友情のように感じてしまう

⇒信頼感の喪失

その時によって言うことが変わる親

アル中親は「いい」と「ダメ」が頻繁に変わる。
自分が失格者であることをごまかし、正当化するため。
子供は、親の不満やフラストレーションを吐き出すためのはけ口にされている。
→子供は混乱・いつも心がすっきりすることがない

子供は話のすり替えがわからないため、納得いかなくても自分がいけないのかと思ってしまう。

⇒自己破滅的行動・非行

◎感心な子供を演じさせられるケース

アル中の親のもとでがんばり、周りから賞賛を得る
→達成不可能なゴールを達成しなければならない圧迫感をいつも感じ、自分を駆り立て続けるようになる。

年不相応な努力をするようになるのは、暗く惨めな家庭環境に対抗するため。

子供の心を蝕む程度は、変わらない。

◎周囲をコントロールしたがる

常に不安がともなう反動から、臆病な性格にもかかわらず自分の周囲の全てがいつも自分の思う通りになっていないと気が済まない。

そうすることによって、悲惨だった子供時代の体験を繰り返すことが避けられると無意識のうちに信じてしまう。

断固とした態度はとれないが、不機嫌な顔・うるさく小言を言うことで、命令はしなくても周囲をコントロールしようとする。
→人との距離を広げ、周囲からの嫌悪感をつくりだし、相手からの拒否しか生まない。

アル中親のもう片方の親にも問題が

アル中親の協力者・共依存の関係。
もう片方の親は、「もう飲むな」と言いつつ、強い手段にでることはない。

アル中親が自己を認めて、アルコールを断つ努力をし始めると、もう片方の親が病気になったりする。

アル中親のいる家庭は、ハッピーエンドはない。

残酷な言葉で傷つける親

こういう親は、自分に能力がないことに対してフラストレーションを抱えており、子供をけなして自分の優越性を示そうとしている。自分の気持ちの方が大事。

「ひどい言葉で傷つけられるのよりは、打たれる方がまだまし。打たれた後が残っていれば、皆が同情してくれる。言葉の傷は外から見えない、体の傷はこことの傷よりずっと早く治る」

子供の<身体的特徴><知能><能力><人間としての価値>を日常的かつ執拗に言葉で攻撃を加えるのは虐待。

◎2タイプに分かれる

・はっきりと悪意のある酷い言葉で露骨にののしるタイプ
・一見悪くいっているようには聞こえない、陰湿なタイプ(からかい・嫌味・屈辱的なあだ名・あざけりやけなし)

「この子はうちの子じゃない。きっと病院で取り違いられたんだ」
→親はジョークのつもり
→子供はジョークと事実、脅しとからかいの違いもわからない。

「世の中は厳しいんだ。それに耐えられる人間になるよう、お前のために言っているんだ」という口実。
→虐待。正当化しているため、子供本人は有毒性に気づかない。

子供と競うとする親

子供が成長すると「かなわなくなる」と感じ、対抗しようとする。

例)母親である自分は年老いていくのに、娘はみずみずしく美しくなっていく

→子供は、何かで親をしのぐことができた時、後ろめたい気分に。うまくやれればやれるほど、みじめな気分になり、自分の成功をつぶす。成功しないことが、心の平安を得る代価。

完全でないと許さない親

自分自身が何事につけて完全でないと満足できないタイプ。子供を仕事などのストレスをぶちまけるためのはけ口にしてしまう。
「子供さえ完璧であれば自分たちは完璧な一家になれる」という幻想を信じなければ生きてけない。

自分の子供のころのような、小さく怯えた我が子にたいして苛立ち、いじめずにはいられなくなる。

親の言葉は内面化する

内面化:人間の脳は人からいわれた言葉をそのまま受け入れ、無意識の中に埋め込んでしまう性質がある。人から言われた「お前は〜だ」が「私は〜だ」と置き換えられ、特に子供は顕著。

→親が子をけなすと、低い自己評価や自信のなさの素を作っていく

暴力を振るう親の共通点

1)自分の衝動をコントロールする能力が欠如している。子供の心にどんな結果をもたらすか自覚していない。
2)自分自身も親から暴力を受け、学んだ。
3)子供のころから感情的にみたされず、大きなフラストレーションを抱えたまま成長し、情緒は子供のまま

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メモはほんの一部だし、私も完全に理解した訳ではないので、残りはぜひ本を読んでみてください。

タイトルを問いかけ調にした意図は、自戒の意味でもあります。

私にとっての神は、運よく善良なる神でいてくれました。(とは言っても、本書に書かれている通り親を否定できない子供の性質の結果でそう思っているだけかもしれませんが。)

現職は母親をユーザーとしたサービスを展開している会社に勤めていますが、少なくない数の助けを求める声が届きます。その内容を分析していくと、やはり親の親に問題の原点が行き着くことが往々にしてあります。

私がそんなママさんたちにこの本を積極的に進めるのは違うと思いますが、今回この記事を通りかかってくれたあなたを含め、一人でも多くの家族が救われるよう願っています。

いつもサポートありがとぉおおお