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TikTokで今後はじまる修羅場

TikTokはじめました。よかったらフォローしてみてください。

はじめてみてわかったことがあります。

今日はそれを書こうと思います。

TikTokで見られる著作権侵害

TikTokに限らずYouTubeなどでも、他人の音源を勝手にアップロードして、再生回数を稼ぐ人たちがいます。

そして、TikTokでは動画を投稿すると、楽曲が自動認識され、動画の下にその楽曲が表示されます。タイトルスクロールして流れるので、かなり目立ちます。

その動画を見て、その曲が気に入ったならば、その楽曲をベースにして、たとえばダンス動画を、別の人が撮影して投稿することも簡単にできてしまいます。

この仕組みは、YouTubeなど他サイトではほとんど見たことがない仕様です。その楽曲が、「TikTokの画面で出てるんだから大丈夫だろう」と、違法アップロードと知らず投稿してしまう人も多いと思います。

それを防ぐために、多くのアーチストは自身の楽曲を無償で15秒~1分提供することになります。音楽販売サイトでの視聴のような感覚で許諾するものと思われます。もちろん、中にはその拡散効果を狙って、戦略的に1分という長い尺で許諾するアーチストもいます。

それは良いとか悪いとかいうのではなく、そういう仕組みだということです。

TikTokで広告収入を得られる未来

すでに、メニューの中に広告に関する項目が実装されています。また、海外で一部のクリエイター向けにはこうした基金の分配といった収益が、8月にも申請受付をはじめるようです。

米TikTok、2億ドルのクリエイター基金を設立 YouTubeへの人材流出懸念か | AMP[アンプ]
https://ampmedia.jp/2020/07/24/tiktok-creator-fund/

現状では、個別案件として動画制作するくらいしか収益化の方法はありません。それでもすでに、多くの#PRタグが存在し、大きな市場になっていることが伺えます。

【TikTok】ティックトック収益化が出来る!? |Kei / ツイッターTVチャンネル|note
https://note.com/kone06/n/n1c59480923a5

さてそのとき、違法アップロードされた楽曲をつかった動画だったら、どうなるのでしょうか?

そして、もし仮に楽曲提供者に分配されるとしたら、違法にアップした人に分配されてしまうのでしょうか?

YouTubeで起きている収益横取り

すでにYouTubeではこのような問題が起きており、いまなお決定的な対抗策は講じられず、被害者が出続けている状況です。

YouTube著作権「虚偽申請」の闇 赤の他人が収益をかすめ取る...その手口とは?: J-CAST ニュース
https://www.j-cast.com/2020/07/27390615.html

YouTubeトロールと呼ばれる権利横取り集団が世界中の、無防備な楽曲を使用した動画から広告収益をせしめています。残念ながら、動画クリエイターはYouTubeでID処理された楽曲のみをつかうなど、自衛するしかないのが実情です。

もちろん、アーチスト側も、迷惑集団に権利をID登録される前に、自らYouTubeでID登録をすすめることが必要です。

ただ、残念ながら、権利登録の本人確認はかなり問題があるようで、悪意がなくとも登録ができてしまうようで、こうした事案も起きていて、おさまる気配は見えません。

サンドウィッチマンがフリーBGMの著作権を登録。人気YouTuberが動画を公開停止させられ激怒 | YouTubeニュース | ユーチュラ
https://ytranking.net/blog/archives/30717

TikTokでこれからはじまる修羅場

今後、何も予防策が取られないまま、TikTokがクリエイターに広告収益を分配することがはじまりますと、以下のような未来が起こり得るかもしれません。

・動画の再生回数に応じて広告収益がはいるようになる。そして、そこで使われた違法アップロード楽曲を投稿した人に広告収益の一部がはいる。
・いっぽう、その本来の楽曲権利者には一銭もはいらない(そもそも公式の楽曲提供でも無料と見られる)。

こうならないためにも、アーチストをはじめ、音楽事務所やJASRACなど管理団体は、団結してTikTokに意見をよせるべきです。

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TikTokの仕組みはとてもよくできていて、多くの無名動画クリエイターにも光があたります。また、公式の楽曲を堂々と自分の動画に使うこともできます。またそれ以上にショート動画という楽しいジャンルを開拓した功績は大きいとは言えるでしょう。

しかし、未成熟の市場ゆえにまだまだこうした権利処理について、試行錯誤を繰り返さないといけない局面であることは、明白です。niconicoやYouTubeなどが通ってきた道です。

TikTokもそうした試行錯誤を、前者の経験をふまえ、よりよい形で実装してくれることを望んでやみません。

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追記:2020年7月28日 21時42分

ついに日本国内でも検討に入りましたね。おそらくアメリカの意向にそうような禁止レベルまで行くと思われますので、あとはどの程度までなのか、というところが注目点かなと。今後、開発は米国でも中国資本が入っているとどうなのかなど、まだエスカレートはしそうな流れを感じますね。

TikTokも念頭、中国発アプリ制限を提言へ…自民議連 : 政治 : ニュース : 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20200728-OYT1T50078/


この記事は吉田喜彦個人が書いています。