行ってないポカホンタス男と映画を見た話

突然だが皆さんは 最近SNSで話題になっている「ポカホンタス女」をご存知だろうか?↓

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その名の通り、ポカホンタスに出てくる女のような化粧をした帰国子女が「アメリカでは○○なのに…」なんて 海外の文化に少し触れただけでませてしまう人のことを蔑称して「ポカホンタス女」と呼ぶことだ。

そこで今回私は前述のポカホンタス女よりもっと酷い「行ってもないポカホンタス男」の話をしようと思う。

これは私がまだ高校生の頃の話だ。母が借金返済の為に 働き詰めになりお小遣いも何も無くただバイトをして家にお金を入れるという生活をしていた時 いとこのMが 一緒に映画を見に行こうと言った。

このMという人物だがアメリカのブラックカルチャー(主にヒップホップなど)にどハマりしており 車を運転する時も必ず大音量で音楽をかけるような男だ。

そんなMに今週の日曜日映画を見に行かないか?と誘われ 金も無い娯楽もない私はお言葉に甘えて映画を見に行くことにした。

まず映画を見る前にMは

「マクドナルドに行きたいんだけど寄ってもいい?」

と私に聞いたので、私は(なるほど、映画を見る前に腹ごしらえをしようと言うわけだな…)と思い快く了承した。

Mはマクドナルドに入ると

M「ビックマック2つと、ナゲット6ピースのセット3つ、あとシェイク2つと…ポテトのL3つ持ち帰りで。お前は何頼む??」

と言い私は困惑した、てっきり彼の注文に私の分も入っていると錯覚していたからだ。

私はとりあえず テリヤキバーガーとポテトとウーロン茶を頼んだ。 ここで疑問に思ったのは その場でたべればいいものを何故 持ち帰るのか??という点だ。

もしかしたらMは大食漢なのを店員に悟られるのが恥ずかしいから 車で食べるのか…?という思いをめぐらせながら車に戻り テリヤキバーガーとその他もろもろを口にした。

しかし、Mはいっこうにハンバーガーを食べようとしない。何故だ?こんなに大量のハンバーガーを誰に配るのか、郡山テアトルの前で炊き出しのような事でもする気なのか?と思っていると 郡山テアトルの有料駐車場に到着した。Mはおもむろにマックで調達した''ソイツら''を車から出そうとした。

ここで私はある程度の予想がついた。

こいつは映画を見ながら''これ''を食う気だ…

と、

なるほど、なるほど実に面白いじゃあないか。私には永遠に理解できない考えだ。 映画というものは軽くポップコーンをつまむ程度に 見るものという概念をMはぶち壊してくれた。

恐る恐る

私「それ、映画見ながら食べるの…?」

と聞くと突然の如く

M「当たり前じゃぁん??!」

とかえってきた。さらにその後

M「アメリカじゃあ普通だけど、日本人は気にしすぎなんだよなァ……。」

なんて言い始めた。そう彼が紛れもない

行ってもないポカホンタス男だ。

勿論ポカ男にアメリカ留学経験は無いし 英語も喋れない。イラッときてしまった私は

私「それって迷惑にならない…????」

と聞くとポカ男に

「Fuck you!!!」

と流暢(笑)に言われた。確かにそうだご飯や映画代を払ってもらって置いて その人の言動に文句を言うなど 人としてどうかしているのかもしれない。確かにそれは''Fuck you''に値するな。と私は思った…

そんなギスギスムードの中私たちは『Wild Speed Ice break』を見にマックの大きな袋をこさえて郡山テアトルに向かうのであった…。



続く…







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