母がたくましさコンテストで優勝する話2

さて、母は何故''たくましさ''がMAXになってしまったのか…?

その理由は母が今までしてきた行動に隠されている。

母は昔から男勝りで 男とよく喧嘩をしたりする、とても強い女性だった。その結果で彫刻刀で肩を刺されたりするくらいだ。

そんな母の''たくましさ''だがそれは 私たち子供を育てる上でも健在であった。

そんな母の''たくましい''エピソードを1つ紹介したいと思う。

私は小学生の頃、何故か泡風呂に憧れていて さながらソープ嬢のように、毎日 泡風呂を作って 床をツルツルにして怒られていた。

その程度なら母も許容範囲だったし「あんまりしないでね??」位の怒られ方だったので良かったのだが、私はある日。

(あれ…?これ、服着たまま泡風呂入れば洗濯もできて一石二鳥じゃね…?)

と、思い こっそりTシャツとズボンのまま泡風呂に入ることにした。結果は勿論大惨事で、洗面所の床は私の服から滴った泡で ツルツルだし、服はビショビショで洗濯どころでは無く、こっぴどく叱られてしまった。

次の日…私が 泡風呂に入ろうとしてお風呂場に向かった時、そこには…

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お  呂中で 一切ョけいなもの しない事!!

これである。そう、私が泡風呂着衣泳をしてしまった結果、母は最後の手段に出てしまったのである。ちなみにこれは先程撮った写真で、あの事件以来、10年程この文字を、お風呂に入る度に見ている。

何故、張り紙にしなかったのか?何故水性マジックにしなかったのか? 何故10年経った今でも 母は消さないのか?「お呂」とはなんなのか?   そもそも、「お風呂の中で一切余計なことしないように!」では無いのか?

なんと''たくましい''母なのだ。こんなたくましい母、他にいるだろうか?

そして気づいてしまった。

ヒンバスを''たくましく''させたのは私。

であると、

母に1番ミロカロスになって欲しかった私が、母をたくましくさせてしまっていたのである。思い返せば、母を怒らせていたのはいつも私だった。

そう、母は私のせいで


いつの間にか''たくましさ''がMAXになってしまったのである。

私は、このことに後悔し せめてもの償いとして 母の誕生日に ボディクリーム(保湿化粧品)を プレゼントした。

しかし母がボディクリームを使って1日後…

全身に蕁麻疹が出てきた。。。

なんてことだ、私は、たとえミロカロスに進化出来なくとも 少しでも美しくなって欲しい一心で、 この3000円する 「あおいポロック」をあげたというのに…なんて残酷な結末なんだ…。





ん…?



待てよ……?




(母は最初から、ヒンバスなんかじゃなかったのでは…?)

そう、このヒンバスもしかしたら ヒンバスの皮を被った偽物なのかもしれない…。

ヒンバスに似た弱い魚ポケモン…


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そう!私の母は「ヒンバス」ではなく、「コイキング」だったのだ!!!!!


そして、私がいつも怒らせていた為 このコイキングは既に



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赤いギャラドスに進化していたのだ!!!!

そう、私がいつものように入っていた泡風呂…あれが「いかりのみずうみ」となり、母をいつの間にかこの赤いギャラドスへと進化させていた…。

どうりで、いくら ''うつくしさ''に磨きをかけてもミロカロスにならないわけだ…。なぜならヒンバスでは無いから。コイキングだから。

しかし、この赤いギャラドス ''たくましさ''だけなら誰にも負けない。私達はこの''たくましさ''を活かすべく コンテストに出ることにした…

………


そしてなんと、私達は「たくましさコンテスト」で優勝した。ギャラドスはその深紅に染まった体で目一杯たくましさを表現し、勝利を勝ち取ったのだ。

表彰式が終わり  私が、

「お母さん…あんたが『たくましさコンテスト』の優勝者(チャンピオン)だよ。」

そう言うとギャラドスは泣いた。私も泣いた。

母は、もう美しいミロカロスになりたいとは思わない。 

何故なら母は……



子育てという滝を登った…

''たくましい''龍(ギャラドス)なのだから…。

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おわり。


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