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劇団四季リトルマーメイド 運命的な恋ってとってもおいしい①〜私はフォークになりたい

※劇団四季リトルマーメイドのネタバレがたくさんあります

いろいろと大変なこのご時世。
もちろん劇場も閉鎖中で観劇できません。
とてもさみしいです。
飢えそうです。
なので楽しかった観劇の思い出を振り返ることでなんとか凌いでいこうとしております。

舞台を観る目的は人それぞれだと思いますが、私の場合は押しCPを愛でるという気持ちが強いです。大変邪道で偏った観方をしております。

しかしですね。
押しCPの出会いから挙式までを2時間半でがっつり観ることができるなんてものすごく幸せなことですよ。
しかも演劇って、紙面や映像の二次元じゃなくて実際に目の前で本物の役者さんによって実際にドラマが繰り広げられているのですよ。
演じているとはいえ、そこに本当に存在しているという事実が幸せ。

ああ劇場に行きたい。舞台を観たい。でも我慢。いつかちゃんと安心安全に観劇できる日まで我慢。

けれども我慢しているだけだったら干涸びてしまいそうなので、四季のアリエルとエリックが素晴らしいということをひたすら書いて、四季のリトルマーメイド大好きという気持ちを更新していこうとします。
好きって気持ちは更新しないと薄れてしまいます。


四季のアリエル、とにかくかわいい。
元の映画のアリエルだってかわいいが、それとはまた違うアリエル。
以前友人に、四季のアリエルがかわいすぎるという話をしたところ、「わたしもディズニープリンセスではアリエルが好き!」と言われたのですが、そのとき私は「んんん?? 映画のアリエルと舞台のアリエルってもはや別人では???」と思いました。
どちらが良いとかではなく、どちらもとってもかわいいです。
映画のアリエルは16歳ですが、舞台のアリエルは18歳だそうです。四季のHPに書いてありました(でもあのストーリー説明文は、ちょっとそこ違うんでない?? って部分もあります。エリックの船は沈没してないよ。エリックだけ落ちたよ)。舞台版の方がちょっとお姉さん。
外見も映画と舞台ではいろいろ違います。
舞台のアリエルは人魚のときお腹出てないです。尾ひれ長いです。美しいです。人間になったときのドレスはピンクじゃなくて緑色です。かわいいです。
人間の足をもらってエリックのお城に行って嬉しすぎて「もうだめ!! 死んじゃう! 信じられない」とはしゃいでいる舞台版アリエルかわいすぎです。
自分の恋と夢を叶えるために一生懸命な人魚姫です。

そしてお相手のエリック王子。
これまた映画版とは見た目も性格も結構違う王子。
髪ちょっと長くて後ろで結んでるし、服装も上品で高貴な感じ。
初見でエリックをみたとき、ああ、映画のエリックは船乗りって感じであんまり王族っぽくなかったけど舞台版は王子様要素強めなのかな〜とか思っていたら、あろうことか「手で食べるさ!」と銀色のフォークを船から海へきれーいに華麗に放り投げだして、いや、まって、この王子、映画版と全然ちがうわ! となりました。
案の定グリムさんに怒られてました。
そんな王子ですが、映画版では描かれていなかった悩みや葛藤がいろいろあるらしく、舞台版ではそこを掘り下げつつアリエルとの心の交流を丁寧に描いてくれるので大変素晴らしかったです。
そして、魔法で操られて他の女性と結婚しそうになったりなどしない王子です。ここ、ポイント高いです。

そもそも、舞台版は映画版とは細かいストーリーも設定も結構違っているので、映画を何度も観ていたとしても十分楽しめます。
話の大筋は変わらないけど、舞台版には舞台版の良いところがたくさんあります。

四季版リトルマーメイドCDの歌詞カードに作曲家のアラン・メンケンの言葉がありまして。

エリックに人間的な深みをもたせることが重要だったんです。ミュージカル版ではエリックとアリエルの人間関係を、バービーとケンのようなものではなく、もっとリアルで情熱的に描いています。

ですってよ!
アリエルとエリックの恋について丁寧に描かれていると感じたのは私の勘違いではなかった。
私が観たきらきら輝いている二人は幻覚ではなかった。
妄想フィルターがかかっているわけではなかった。
アラン・メンケンはやっぱり偉大だ。
ありがたやありがたや。

いやもうほんと、この二人とても素晴らしいのです。
運命の出会い万歳。
さまざまな困難を乗り越える二人万歳。
違う世界の二人が結ばれるハッピーエンド万歳。
推しCPが幸せになってくれて私は今日も元気です。


何度観ても幸せになれる舞台を何度でも観たいのに今は観れないので、自分の記憶を辿って推しCPを振り返ることにします。
舞台の感想というよりも推しCPについて叫ぶだけの文章になると思われます。
どの登場人物についても語りたいことはたくさんあるけど、とりあえず今回はアリエルとエリックにポイントを絞って書きたいと思います。
なので、ネタバレばっかりです。


※全くの個人の感想です。実際の舞台と違う、妄想フィルターがかかった箇所が多数あるかもしれません。


まず、舞台の最初、オーバーチュア。

の、前に!

客席に行くと、舞台には幕がおりていて、そこに「リトルマーメイド」のタイトル文字が映されております。ライトで水のきらめきが揺れております。
そして、波の音が客席内に響いております。ざざ、ざざん、ざざざざん……と絶え間なく聞こえてきます。
ここからもう好き。
劇場ロビーを抜けて客席に入った時から物語の世界は始まっています。
波の音は海の中では聞こえないのではないかと思うので、これは海の上、人間側の視点な気がしています。
エリックはいつもこの音を聞いてたんだな〜とか思いつつ、携帯の電源をしっかり切って、席で開演を待ちます。
たとえ完全防水であっても携帯の電源は必ず切りましょう。セバスチャンも言ってました。


そして始まる壮大なオーバーチュア。アラン・メンケン偉大。
優雅に泳ぐアリエル。
一目で観客の心をつかむ、なめらかで美しい泳ぎ。
冒頭から海の上の方を見つめて泳いでいるアリエル。
ずっとずっと観ていたくなる美しい人魚の泳ぎ。
前回のnoteでオーバーチュアについて書いたので割愛しますが、作品ポスターの再現のようなこの冒頭シーンが大好きです。
フランダーと仲良く楽しそうに泳いでいるアリエル。
人間の道具の懐中時計を持ってとても嬉しそうなアリエル。
かわいいお姫様の気を引こうと手を振る男性人魚マーマンさんたちには目もくれず、懐中時計に夢中でそのまま上の方へと泳いでいくアリエル。
美しいし、かわいい。

この、海の上へ向かうときの音楽に、2幕でアリエルとエリックが心を通わせる『一歩ずつ』のようなメロディが少しだけ流れるのがすごく好きです。
アリエルがこれから出会う運命の相手はここではなく海の上の世界にいるというのを表現しているように感じて好きです。
すごく好きです。


その後、場面は変わって変わって、『海の上の世界/深海の秘密』のところ。
舞台版でアリエルが歌う最初の曲です。
映画のアリエル初登場シーンもぴょこっと顔を出すところでかわいいのですが、この、海の上の、岩陰からぴょこっと顔を出して、水を払うように髪を少しふるふるっとして、太陽の光を浴びて輝く笑顔で「ここへくると心が躍る」と歌うアリエル本当にかわいいです。
海の上は水中と光の当たり方が違って、陽の光を直接受けて明るくて、この人魚姫は海の中よりもこっちにいるときの方がとっても輝いているなあと観ていて感じます。
この曲の時点ではアリエルの心はまだ「海の底も良いところだけど 何かが私を呼んでる」という憧れと希望の状態です。
『パート・オブ・ユア・ワールド』で海の上の世界へ行きたいという願いを歌うよりも前の段階。
劇中でアリエルの心の変化を辿るのが楽しいです。
アリエルを呼んでいた『何か』が何なのか私は全くわからないけど、でもありがとう! おかげでアリエルは運命の人と巡り会えたよ!
水平線を見つめながら歌う歌詞が大好きです。

「海と空が出会う 不思議な世界」

この表現美しくて好きです。

そして、アリエルが歌っているとき、向こう側に赤い船が動いているのが遠く小さく見えておりまして。
実は近づいてきているんですよあの船。
アリエルが歌い終わったとき、凛とした声が響くのですよ。

「風だ! 風上へ、進め!」

エリック王子ご一行登場です。
あ、アリエルが「船だわ!」と嬉しそうに海に潜るときの水さばき? 布さばき? 波さばき? も美しくて大好きです。
船でっかい! 操縦士さんのソロパートかっこいい! 水夫さんたちのコーラスもかっこいい!
映画版の冒頭の歌は、舞台版ではここで歌われます。
快活に歌う海の男たちの中に、明らかに服装の違う人が二人おります。
一人は執事のグリムスビーさん。船酔いしてます。
もう一人、爽やか笑顔できらきらしている、見るからに王子なのがエリックです。
いや、ほんと何なんだろうあの王子様オーラ。
今まで私は3人の役者さんが演じるエリックを観ましたが、どの方も明らかに王子なのですよ。ロイヤルな衣装とか関係なく纏っている空気が王子。役者さんによって少しずつ印象は違うけどみんな王子。役者さんすごい。
そして水平線を見つめながらエリックは嬉しそうに言うのです。

「ここは海と空が出会う場所、見渡す限りの大海原」

はい、ここ重要です!
出会う前のアリエルとエリックが、それぞれ『海と空が出会う』という同じ表現をしているのです。
こういうの、大好きです。
こういう、出会う前の二人に何か共通点や繋がりがあるの、大好きです。
アリエルは海だし、エリックは陸だけど空の要素も結構多い気がします。
エリックの船にもお城にも挙式衣装のアクセサリーにも太陽マーク付いてるので。
まさに海と空が出会うのですよ。ありがたやありがたや。
でもこの二人は、同じ表現をしていたことには全編通してお互い全く気がつかないのもなんか好きです。

海の旅を満喫している王子。
水夫さんたちがトリトン王の伝説と人魚について歌っているのをにこにこ楽しげに聞いている王子。
すると、どこからともなく美しい歌声が聞こえてきます。

はい、ここも重要です!
実は出会う前にエリックはアリエルの歌声を聞いているのです。
運命の出会いの前に二人が実はすれ違っていたり、出会いそうで出会わなかったとか、そういうの好きです。
もしかしたらここで出会っていたかもしれないけど運命の出会いはもう少し先のこと、みたいなの大好きです。
ありがたやありがたや。

そして、謎の歌声が気になって望遠鏡を覗く王子。
亡くなったお父上の跡を継いで王位に……と話してくるグリムさんにうんざりした顔をしたり、少し反抗的になったりする王子。
君、ディズニー・プリンスだろう?
王子様がそんな態度で良いのかい?
お父さんが亡くなって不安定なのかい?
なんて観ていて思っちゃいますが、それどころではなかった。
かなりの値打ち物だろう銀色のゴブレットや燭台を、いらない必要ない、なんて次々否定しつつ、最後に綺麗なフォークを取り出しまして。

「これは」

あ、嫌な予感。

「手で食べるさ!」

投げたー!
王子がフォーク投げちゃったー!
船から海に放り投げちゃったー!

見事な放物線を描いて海へ消えていくフォーク。
軽くひょいっと投げているように見えるのに、何回観ても毎回すごーくとってーも綺麗に飛んでいくフォーク。
ディズニー・プリンスがそんなことするなんて許されないぞ!
投げ方すらもロイヤルだからってダメだぞ!
海に物を捨てちゃいけません!
でも私は一度思った。フォークになりたい。

さすがにこのエリックの行動には水夫さんたちもびっくり。でも王子と一緒に笑ってる。
グリムさんだけ怒ってる。怒ってやってください。
フォーク投げたり、王様じゃなく船乗りになりたいと断言したり、自由を求めていたりする王子。
なんだか悩みも抱えていそうな王子。
この王子、映画版のエリック王子とはかなり別人です。
操縦士さんに陸に戻る時間だと言われても、グリムさんにもう帰りましょうと言われても、謎の歌声探し続行する王子。
ここで帰っていたら嵐にあわなかったかもだけど、そうしたらアリエルにも会えないからね。結果オーライ!
何気ない1つの決断が後に大きな結果をもたらすのも好きです。
あと、この時点でエリックがをあの声を人魚の歌声だと認識していたかどうかが気になっています。

この場面だけでも役者さんによってエリックの雰囲気がいろいろ違って楽しいのですが、tmkさんエリックのロイヤルスマイルでグリムさんへの反抗もマイルドなところとか、o-kさんエリックの反抗しつつも船酔いしているグリムさんを気遣っているところとか、kmkwさんエリックの曲の終わりに合わせて望遠鏡カチャッとしまうかっこいい動きとか、それぞれ好きです。


一方、船が去った後にきれいな水しぶきとともに再び海の上へ顔を出したアリエル。
きらきらと瞳を輝かせ、声を弾ませます。

「すごーい! なんて綺麗なの!」

その手に掲げているのは。
銀色のフォーク。

はい、またここも重要です!
アリエルの秘密の道具コレクションの1つ、銀色のフォーク。
映画版では沈没船で拾っていましたが、舞台版ではエリックが船から放り投げたのをちゃっかりもらったことになっております。
出会う前の二人の繋がりがまた増えました。
お互い全く気づいていないけどあのときのあれが実は……みたいなの、大好きです。
二人を繋ぐ運命の力よ、本当にありがとう。
ありがたやありがたや。
これ、舞台初見のときちょっと嬉しくなったのです。
映画版でもちょっとしたキーアイテムだったフォークが、実はエリックの物だったという改変が、まさかこう繋がるのか……! と嬉しかったのです。
しかもこれ、ニ幕のとあるシーンへの伏線にもなっております。映画版にもあるシーンですが。
王子よ、君があそこでフォーク投げなんてしたからだぞ。

そして、ここのアリエルとフランダーのやりとりが、ほんとにほんとにかわいい。
舞台版の設定で、フランダーはアリエルに密かに恋しているのですが、アリエルはその想いに全く気づかず完全に仲の良い年下の男の子という認識のようです。
哀れフランダー、がんばれフランダー!
フランダーのかわいさとかっこよさについても書きたいことがたくさんあるのですが、今回はアリエルとエリックにポイントを絞っておりますので、フランダーや他の登場人物たちについてはまた別の機会に。

10代の人魚姫と小魚がきゃっきゃきゃっきゃしていて、とても眩しい。
なんて平和で幸せな光景なんだ。
「心配してきてくれたの?」とフランダーにからかうように言うアリエル、かわいい。
初めて目にしたフォークを宝物だと思ってはしゃいでいるアリエル、かわいい。
フォークの使い方がわからなくていろいろ試してみるアリエル、かわいい。
スカットルに「見てー!」とフォークを得意気に掲げるアリエル、かわいい。
私はもう一度思った。フォークになりたい。
ちゃんと泳ぐ動きで移動したりずっと波にゆらゆら揺れているアリエルとフランダー、すごい。
スカットルに『カミスキー』や『チビホーン』の使い方を教わっているときのアリエル、かわいい。
あ、でもスカットルのカミスキー実演中のフォークにはならなくていいです私。
大事なコンサートをすっぽかしてしまったことに気づいたときのアリエル、すっごくかわいい。
ちゃんとお礼を言うのを忘れないアリエル、かわいい。
アリエルとにかくかわいい。


まだまだ物語の序盤なのですが、とりあえずここまで。

今回特に書きたかったポイントは、

出会う前のアリエルとエリックに共通点や繋がりがあったり、もう少しで出会いそうで出会わなかったり、という運命を感じるところが好きということ。

そして、私はフォークになりたいということです。

あ、ちなみに、劇場売店や四季のウェブショップで、フォーク型櫛、売っています。


すごいね!!