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餃子を作るのは面倒だが自分の作った餃子が食べたい

もしかして、こだわりぬいた最高の手作り餃子についての記事を期待しているでしょうか?

残念ながら、手間暇を惜しまない趣味の餃子については語れることはなにもありません。

わたしは面倒なことが嫌いです。おいしい餃子のためならなんだってできるとは思いません。でも餃子が食べたいんです。お店の餃子も食べます。でも、自分の作った餃子は、大粒のやつを16個フライパンにぎっしり並べて焼いて、全部一人で食べることができるんです。常々「世の餃子一人前は少なくとも12個であるべきだ。24個あってもかまわない」と考えているわたしにとって、お店の餃子は少し物足りないのです。

ゆえに、この記事で書くのは「おいしい餃子の作り方」ではありません。

「最小限の手間とコストで、いかに満足できる餃子を生み出すか」です。

こだわりのおいしい手作り餃子についての記事は、きっとよそにたくさんあるでしょうからそちらをご参照ください。

餃子の値段は6割手間賃

王将の餃子は6個で240円+税でした。自分で作った餃子に値段をつけるなら、わたしは240円では出せないでしょう。

餃子の材料は決して高くはありません。キャベツ、ニラ、豚挽肉を基本に作っていますが、それぞれ季節ごとに値段の上下はあれど、1000円あれば食べきれないくらいの数を作ることができるでしょう。たぶん市販の餃子の皮がいちばん高いので、小麦粉をこねて自分で皮を作れば実質無料です。

しかしわたしは市販の皮を買います。小麦粉をこねてひとつひとつ手で伸ばすのは手間がかかりすぎるからです。手首が筋肉痛になりますし、そもそも焼き餃子の皮は市販の方がおいしいです(水餃子は自分で皮を作った方がおいしい)。

餃子はとにかく手間がかかるのです。野菜を刻み、タネをこね、一つ一つ手で包まなくてはいけません。わたしはひとり暮らしですし、餃子は独り占めしたいので、みんなでワイワイ餃子を包んで餃子パーティーなんてことはしません。してもいいんですが、独り占めする餃子は最高なので、やっぱり一人で餃子を包むと思います。ちなみに大陸では餃子は家族みんなで包むものらしいので、ひとりで餃子を包むというのはかなり孤独で狂気に満ちた行動です。

つまり、お店の餃子や、すでに形のできている冷凍の餃子なんかは、それはそれでとても理にかなっていて優秀な食べ物なのです。正直ひとりでわざわざ孤独に苦しみながら餃子を包むことはあまり利益がありません。あなたが餃子は6個で十分だと考えているなら、もしくは餃子を4人前ためらいなく注文できるなら、お店の餃子を食べるべきでしょう。

わたしは皿いっぱいの餃子を独り占めしたいし、気兼ねなくビールと餃子を反復横跳びしたいので、家で餃子を焼きます。でもとにかく余計な手間をかけたくないので、隙あらば手を抜くことを考えています。

最小限の手間で餃子を作る 実践編

さて、動機はなんでもいいのですが(ニラが安かったか、豚挽肉が安かったか、どっちかのことが多いです)餃子を作ると決めました。材料を揃えましょう。

豚挽肉(200gくらい)、キャベツはひと玉の10分の1くらい、ニラはひと束の3分の1くらい、チューブの生姜、塩胡椒、わたしは卵もいれますがなくても大丈夫です。これで大判の餃子の皮24個分をいつも作っています。

野菜はキャベツの代わりに白菜でもいいし、ニラの代わりに長ネギでもいいです。白菜は水っぽくなりやすいので加熱の後にしっかり絞ったほうがいいですが、手間なのでわたしはなるべくキャベツで作ります。

キャベツを刻んだら耐熱のボウルに入れてラップをかけ、レンジで3分チンします。生のままだと刻みそこねたキャベツが皮を突き破るので、わたしは加熱します。粗熱をとりながら刻んだニラと合わせ、肉、生姜、卵、塩胡椒と混ぜます。

「肉だけ先に調味料と合わせて粘りが出るまで混ぜる」とかは手間です。省きます。タネに素手で触ることはしません。スプーンでも十分混ぜられます(本当は手でこねたほうが早く混ざるので、使い捨ての手袋があるといいです)。

皮と水を用意して、タネにざっくり八等分の目安をつけます。「餃子の皮だけが余る」「餃子のタネだけが余る」どちらも最悪です。冷凍して解凍してくっついた皮をはがすのは手間です。余らせた餃子のタネの使い道を考えるのも悩ましい。できるだけきっちり皮とタネを使い切るため、計画的に包んでいきます。いつも買う皮が24枚入りなので八等分にしますが、ここは皮の枚数に合わせて適宜調整してください。

八等分にしたタネをなんとなく3個ずつに分けて包んでいきます。厳密に考えるのも手間なので、なんとなくでいいです。ラップをかけたバットに並べていきます。完全に心は虚無です。何かの修行なのかもしれません。

24個全部並べられるバットがあればいいのですが、16個でいっぱいになってしまうのでそこまで包んだらフライパンに並べます。まだ火はつけなくて大丈夫です。最初に底に焼き目をつける必要はありません。最後に油を回しかけてつける焼き目があれば十分です。

餃子を並べ終わってからフライパンを火にかけ、熱します。パチパチ音がするくらい十分に熱したら(焼き目ではなく、熱するのが目的です)、餃子の半分くらいの高さまで水を注いでフタをします。本当はお湯のほうが温度が下がらないのでいいのですが、お湯を沸かすのが手間なので水です。フライパンが沸騰したら弱めの中火くらいに火を落とします。水がなくなるのを待つ間に残りの餃子を包み、ラップをかけて冷凍庫に入れておきます。冷凍した餃子はあとで焼いてもいいのですが、少しだけ焼くのは面倒なのでゆでて食べたりします。

水がなくなってきたらフタを取って油を回しかけます。水がなくなりすぎたり、油が足りなかったりすると綺麗な焼き色がつきませんが、焼き色がイマイチでも味は変わらないのでそこは運を天に任せます。

端っこをちょっと持ち上げて焼き色が良さそうだったら、フライパンに皿をかぶせてひっくり返します。そのほうがテンションが上がるのでそうしていますが、普通にフライ返しでお皿に移してももちろんかまいません。

とにかくこの餃子は全部あなたのものです。皿いっぱいの餃子は絶対にあなたを満足させます。自分の体質と好みに合わせた量のビールなどの酒を用意し、心ゆくまで好みのタレをつけた餃子と味わってください。

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