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「感謝」で人生を進める方法

大きな逆境や理不尽に遭った時、
気持ちの整理がつかず、途方に暮れることは誰でもあります。

しかし、負の感情がどれだけ大きくても、
正しく対処すれば、大きく人生が前に進む可能性を秘めています。

今回は「大きなマイナスから、いかに立ち直って人生を前に進めるか」というテーマで、「感謝」の扱い方について、実体験を踏まえてご紹介します。「逆境に対して感謝を向ける」という話は多いですが、より踏み込んで感覚の部分も言語化してみました。
・どうすれば感謝できるようになるのか
・感謝した結果、どんな感覚になるのか

※ここでの「感謝」とは、日常で忘れがちな「当たり前」を意識するためのものではありません。
※特定の人や組織に対する悪意は一切ありません。


1.圧倒的絶望から感謝に至るまで(実体験)

私が経営コンサルの会社で働いていた時の話です。
私の人生史上、最も散々だった期間でした。
※詳細は、別途書きます。

仕事内容や価値観が、自分の特徴に全くフィットしておらず、心身ともに力が入らず、悶々としながら働いていました。
また、あらゆる無理難題・理不尽を押し付けられ、罵詈雑言を日常的に受けていたせいで、完全に思考がフリーズ。
心が死んでいました。

結局、半年で辞めたのですが、
当時の混乱ぶりはハンパなく、恨みに転化してもおかしくありませんでした。

しかし、働いていた当時から、
仕事自体に力が入らない感じ、悶々としていた違和感のほうが気になっていて、
「正しく向き合って、自分にとって必要な学びを抽出しなければ、いつまでも前に進めない」という危機感が強くありました。

学びの抽出作業には半年以上かかりました。
その間、1番しんどかったのは、ことあるごとに当時のトラウマがよみがえり、ドロドロした感情が湧いてきたこと。
嫌悪感が強く残っていて、思い出したくもなかったけど、「学び」を終えるまで、持ち続けました。
(これが最大のファインプレーだった)

おかげで、根本的な問題に気づくことができ、大きく軌道修正の舵を切ることができました。
結果的に、より本質的な方向を向けたことに感謝しています。

2.「学びを抽出する」という目的をぶらさない

苦い経験をした時、負の感情が強ければ強いほど、
その記憶がトラウマになって、感情が押しつぶされそうになります。
(この時、本当にメンタルがやばくなったら、迷わず病院へ行ったり、誰かを頼ってください)
また、特定の人や環境に対して、強烈な怒りが湧くこともあるでしょう。

まずは、感情が収まるのを待ち、
気持ちがギリギリ耐えられる範囲内で、「学び」を抽出することだけ考えます
「学び」を終えるまでは、どれだけ嫌な感情であっても、キープし続けます
この時、勇気と胆力が必要です。

感情には波があるため、途中でいろんな不安や恐怖が襲ってきますが、
いろいろ工夫しながら、できるだけメンタルを安定させることを意識します。
(外からの情報を遮断する、栄養価の高い食生活をする、など)

特に落ち込んでいる時は、思考力が鈍っているため、
油断すると「特定の人や環境が悪くて、自分は悪くない」という判断を下して、自分を守りたくなります。
なので「安易で自分勝手な判断をしない」という意識が余計に必要です。

なぜ苦しんでまで、嫌な感情をキープし続けるのか。
それは、このタイミングこそ、人生が大きく前に進むチャンス期間だからです。

「陰極まれば、陽に転ず」
「チャンスは、ピンチの顔をしてやってくる」
このときの「学び」が深ければ深いほど、人生が大きく前に進みます。
場合によっては、自然と次の道が見えてくることもあります(私はそうでした)。

コツは「学びを抽出する」という目的に集中すること。
感情的にしんどいからこそ、全てを投げ出して楽になりたい、安きに流れたくなる気持ちは分かります。
でも、目的があるからこそ、「学び」を終えるまでは、嫌な感情も排除しない勇気を持ち続けられるのです。

3.「人生が前に進む」とは

「人生が前に進む」とは、
自分にとって不要な選択肢が分かり、選択肢の優先順位が分かるようになること


具体的には、以下の状態を指します。

  1. 自己理解が進む(好きなこと、得意なこと、大事な価値観の解像度が高まる)

  2. 選択肢が狭まる代わりに、残った選択肢への情熱が増している(正しく諦め、行動に駆り立てられる)

ここで大事なのは、
・ポジティブな感情(こういう方向が魅力的)
・ネガティブな感情(こういう方向は絶対に嫌だ)
どちらも必要だということ。

負の感情も、人生を前に進めるために重要な情報源です。
むしろ、選択肢を狭めていく段階においては、負の感情のほうが大事。
「どんな状況が、自分にとって痛みを感じるのか」を知れただけで、一歩前進です。
 #エジソン「失敗したことは1度もない。うまくいかない1万通りの方法を発見しただけ」

そもそも、特定の人に対してネガティブな感情を抱くのは、「その人みたいになるな」というメッセージだったりします。
これは相手が悪いということではなく、自分がそうなり「たくない」相手に対して、異様に嫌悪感を持つ
つまり、自分はその逆を目指せば良い、という方向性を描くことができます。

私も経営コンサル時代、
自分の価値観・能力とは「真逆」のことを求められ、大いに苦しんだ結果、自己理解がかつてないほど進みました。
中途半端に合わなかった程度では、ここまで大きく前進することもなかったでしょう。
 #大ケガの功名

4.人生を前に進める「感謝」とは

「感謝」とは、それ自体がポジティブな意味を含む言葉ですが、
だからといって、相手のことを好きになる必要は1ミリもありません
嫌いなものは嫌いだし、それが悪いことでもありません。
まして自分の本心を偽ろうとするのは最悪です。

「嫌いな人にも、感謝できる」という視点がポイント。

なぜなら、
「感謝」は、自分にとって必要な「学び」を提供してくれた人に対して抱く感情だから。
自分が学び、人生が前に進んだのであれば、そのきっかけを与えてくれたものは、全て感謝の対象です。

そこに対して、
・好きかどうか
・価値観が同じかどうか
・肌が合うかどうか
これらは全く関係ないのです。

自分の人生が前に進み、自分らしく価値を生めるようになれば、それで良い。
そのためには、良い経験・苦い経験がどちらも必要で、
必要な学びを抽出して、人生が一歩前に進んだ時、
「あの日あの時、苦い経験をして良かった、向き合ってよかった」と思えるタイミングがきます。

その瞬間を心から味わった時、「自然と」感謝が湧いてくるでしょう。

それでもなお、過去のネガティブな感情が全て消えて、いちごみるく系ハッピーになれるワケではありません
渦中の当時を思い出せばムカつくことには変わりないし、不意にその感情が顔をのぞかせてきます。
 #聖人じゃないんだから

感情的な嫌悪感が完全に払拭されることはない、という前提を理解した上で、
自分の人生が前に進むことに貢献してくれた、「貴重な」経験を提供してくれた事実に対して、ただ「ありがたく感謝する」というだけ。

そうして感情に折り合いをつけて、後ぐされなく、前を向こう、ということです。

「ムカつく、ああいうタイプ大嫌いだなぁ。でも私が自分を振り返るために、反面教師的に現れてくれたんだな。大嫌いです、ありがとうございます」
個人的には、これくらいが丁度良いと思っています。

5.まとめ

  • 「人生が前に進んでいるか」を測る上で、「感謝」は大きなバロメーターになる。

  • まだ感謝をする気になれない、腑に落ちない人は、「学び」か「行動の変化」が足りていない可能性を探ってみる。

    1. 学びを抽出する

    2. 行動・方向性に変化を起こす

    3. 人生が前に進む

    4. (後から結果的に)感謝できる

  • 感謝のゴールは、ネガティブな感情が全て消え去ることではない。

  • 負の感情が大きければ大きいほど、立ち直った時に大きく飛躍できる💪(No pain, no gain)

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