なぜ、城所龍磨は大声援を受けるのか

これは昨年の文春野球フレッシュオールスターに送り、惜しい!あと一歩だったで賞を頂いたコラムである。
また、篝火箒とは文学賞に出す為のペンネームであるが(なお、箸にも棒にもかからなかった)この文章は本名で投稿してしまっている点はご了承して頂きたい。
他の皆々様方が様々な場所に投稿しているのを見て、遅れ馳せ参じながらもnoteに投稿させて頂く事にした。


なぜ、城所龍磨は大声援を受けるのか


 内川聖一の代走で、デスパイネの代走で、中村晃の代走で試合の終盤、その男の名前がコールされると、今日一番と言っても良いような大歓声がスタンドから沸き起こる。その男の名前は城所龍磨だ。

城所龍磨の愛されるチカラ

 城所龍磨という選手には愛されるチカラがある。だからこそ大歓声が沸き上がる。川崎宗則のメジャー時代、試合後のインタビューで守備固めの大変さと緊張感について、何故か年下のはずの城所を城所さんと〝さん〟付けで、いつも9回に守備固めとして出ている事は尊敬できることだと言わしめてみたり、スプリングトレーニングにキドコロ待機中のTシャツを着たイチローが現れて話題になったりした。

 この愛されている理由はなんなのだろうか。私は城所がイイ人である事が理由だと考える。なぜなら城所はファンの声援には必ず応える。

 名前の入ったタオルを掲げている人を発見すれば挨拶をしてくれる。守備に就いたならば、外野スタンドから歓声が挙がる。そして、帽子を取ってその歓声に盛大に応えてくれる。嬉しいのでもう1回、やはり歓声に応えてくれる。調子に乗ってもう1回、歓声に応えてくれる。ならばもう1回、これが最後だよと小さく歓声に応えてくれる。イイ人だ。とてもイイ人だ。

 だが、この大声援も本拠地のヤフオクドームではそこまでではないらしく、ビジターでの試合の城所への歓声は解説者が驚く程に大きいらしい。我々ビジターホークスファンが城所へ歓声を挙げる理由は何なのだろうか。存在感を放つ後援会がいるからだろうか。いや違う。2015年の8月1日の西武戦を見たからだ。前日、緊急昇格をしてきて、代走としてシーズン初出場をし、三盗を試みた際、左肩を脱臼し結局その一試合のみの出場でシーズンは終わった。もう城所は駄目かもしれない。2016年シーズン序盤、そんな声がちらほらと聞こえた。だがご存知の通り城所は大活躍した。打っては満塁ホームラン、走っては6盗塁、守ってはファインプレー連発で交流戦MVPを獲った。行けば分かるのだが、ビジター外野席の顔ぶれは基本的に変わらない。あの昨年のどん底を現地で見たビジターホークスファンからすると感無量である。これが今のビジターホークスファンの大声援の元となっているのではないだろうか。

城所龍磨の流れを変えるチカラ

 城所龍磨の魅力はなんなのだろうか。

 春男、キャンプの城所と言われて春の風物詩となっている。今年こそはと毎年期待してシーズン開幕すれば、てんで打てなくなっている。そんな城所も魅力的であるが、そこではない。トップクラスの守備範囲と脚力、当たれば柵を超えるバッティング、走攻守にある大きな可能性だ。その大器の片鱗を2016年の交流戦で見せつけられてしまったからこそ城所龍磨から目が離せなくなってしまった。そこにも魅力がある。そんな城所であるが数少ないダイエー戦士の一人であり、ホークス在籍年数は明石健志と並んでチームトップなのである。古くからのファンにはそんなところも堪らないのであろう。また、ファームの試合を見てみると、若手外野手達がよく23kidokoroの刺繍の入ったグローブを使っている。外野陣の兄貴分としてチーム引っ張っている城所がどうやら貸しているらしい。まさにイイ人城所なのだ。

 だが、私の思う城所の魅力はそこではない。城所のワンプレーには流れを変えるチカラがある。それこそが魅力だと考える。ヒット性の当たりを掴み取るファインプレーで流れを引き寄せる。追加点が欲しい場面で盗塁をしてチャンスを広げる。流れを変え、そして、引き寄せる派手なプレーこそが最大の魅力だ。まさにその城所らしさを感じたのが昨シーズンのCSの第3戦だ。連敗で迎えたホークスは城所をスタメンで起用する。その城所は打っては二塁打2本に守備ではヒット性の当たりを掴み取るファインプレーで試合いや、シリーズそのものの流れを見事に変えた。まさに、城所の魅力の詰まったゲームであった。

 確かに城所はキドコロ待機中のグッズがあるように代走、守備固めで輝く選手なのかもしれない。こんな選手がベンチにいるから、このチームは強いそう言われる選手なのかもしれない。だが、交流戦の城所の存在が我々に幻影を抱かせる。ヒットにホームランを打って、好守を連発するそんな城所の姿だ。

 だが、現在、切り札的存在の城所はチームのために決して準備を怠らない。捕手が足りなくなった時の為に捕手の練習をする、悩んでいる若手がいたら相談に乗る。常に自分ができることを探している。そして己の刃を研ぎ、レギュラーを奪取する機会を虎視眈々と伺っている。城所は試合が開始した時、城所は待機中ではあるが、それは同時にレギュラーを奪うための準備完了でもあるのだ。


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