現状維持バイアスに付け込まれることで、あなたはあらゆる鴨にされうることを知ろう

人間は本能として、今までのやり方を変えるか、もしくは、今までと同じやり方を続けるか、という選択に立たされた時、往々にして後者の「今までと同じやり方を続ける」という選択を選びがちである。
これは、人間の生存本能的には、とても理にかなった選択である。

人間には、長年蓄積されてきた生き延びるための知恵がある。
その知恵は、伝統や文化という形で受け継いできている。
まさに「古い教えに従う」というのは、実は長年の人類の経験の中で「結局、このやり方が最も効率的で最善の方法」であることが多く、「迷ったときには、やり方を変えず、現状維持をする」ことが、もっとも理にかなっているというのは、そういう理由があるのだ。

この「今までのやり方を変えずに行こう」という行動パターンを行動心理学では「現状維持バイアス」という。
要するに、「今のままでいいじゃん♪」というやつだ。

これが良い方向に働けば良い。
何故なら、必ずしも方法を変更するというのは良くないこともあるからだ。
実際に現在の日本政府、特に小泉純一郎政権以降の日本政府はあからさまに、改革をすることで「改悪」をして日本を破壊してきた。
やり方を悪く変更するくらいなら現状維持が良いのだ。

だが、現代の大企業を中心とした日本企業においては、「古き悪しき文化」を正当化するために「現状維持」が利用される。

現代の大企業病の最たるものは以前のやり方を変えないことによる弊害だ。
やり方を変えることにストレスを感じる人がいる。
特に大企業病と言われるように、大企業や大企業のグループ会社に属する会社に多いように思う。
その多くの場合は、例え改善した方が良いことも、改善内容も明確であるにも関わらず、「変えないことが致命傷になるわけではないから、現状維持を続けることにする」という決定が下される。
現状維持に慣れた組織は「変革すること」に過度に憶病になり、「変革して失敗するくらいなら何もしない」者が大多数になる。
それに加えて、変革を提案したり実行した者は、何もしない者よりもシビアに評価されることとなり、相対的に評価が下げられる。
かくして大企業病がはびこった企業では「何もリスクを取ってこなかった」「何の挑戦もしてこなかった結果、何の失敗もしてこなかった」者が出世していく。
そのような企業文化の中で生まれたサラリーマン社長および役員は「何のリスクも取れない優等生」によって固められる。

それらの経営陣の多くは①適当な提案をしてくれるコンサルタントに経営の相談をし、②挑戦することなく中国人を中心とした賄賂や不正に手を出すようになる。
大胆な変革をしない経営者たちはそうやって、業界の素人のコンサルタントに経営を丸投げしてコンサルティング会社の鴨にされる。
そして、裏でこっそり不正をして賄賂や不正などに手を出してもばれないと思ってどんどん小銭を稼ぐようになる。
経営の丸投げや経営の放棄、賄賂や不正に手を出すのは、何も考えずに現状維持が大好きな経営者にも簡単にできてしまうことであり、正にそういった経営者は「ネギをしょった鴨」そのものなのだ。

日本の企業は確かに中国にむしばまれたから弱くなっていった。
だが、それを実行したのは経営者としての責任を放棄した日本人の手によるのだ。
日本経済を衰退させたのはアメリカや中国などの外国要因も大いにあるが、その根本的な問題は日本の政治家や官僚、そして企業経営者による原因が大きいのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?