物理数学シリーズ③:専門家ってどんな人たち?

専門家というのはどういう印象を持つだろうか。
日本においては、専門家と言われる肩書の人に対する信頼度が信じられないほどに高い。
医学博士、国際政治学者、評論家、大学教授、などなど。
それらの者がたとえどんなにいい加減な研究をしていようが、どんなに酷い嘘つきでも、立派な大学を出て、立派な肩書を持っていると、途端に信頼でいる専門家のように見える。

筆者は大学、大学院と理系に進み、専門分野の研究室に3年間所属した。
その後、「金融経済研究所」とか「金融研究センター」と言われるような、いわゆる金融業界における、いわゆる「金融経済の専門家」達が集う研究所に5年以上在籍した。
その中には、日本や海外の超有名な大学や大学院を卒業し、何年、何十年と研究所所属の人たちに囲まれてきた。
その経験から、世間で専門家と言われる人たちの多くが、如何に信用が置けないかという姿を現実として見てきた。

どの分野においても、学問の基礎中の基礎というものがある。
一般人からすれば、「有名大学を卒業しているのだから、基礎中の基礎は当然に身に付けた上で、とても難解な専門知識を身に付けているのが専門家」だと思ってしまうものだが、恐ろしいことに専門家のほとんどは「基礎中の基礎」について全くの無知なのである。
それだけではなく、自分が専門とする分野の局所的な部分にだけ焦点を当てて物事を見るので、とんでもない曲解をして本質を見落とすことが多い。
にもかかわらず、人一倍、いや、人万倍プライドが高いため、自分の欠点、見落とし、ミス、誤りなどについては決して認めない。

これがどのようなものか、簡単な例えを用いて説明しよう。
公道の車の法定速度を考える際に、広くて視界の良い道路を走る場合と、狭くて視界の悪い道を走る場合、細くて急カーブの多い道を走る場合、歩行者が全くいない道路を走る場合、歩行者が多い道路を走る場合など、どのような道路を走るかによって、制限速度の考え方は変わる。
その上、濡れた道路や、路面が凍った道を走ると滑りやすいことを考慮しなければならない場合は、さらに制限速度を考えるときに考慮しなければならない。

この場合、専門家とは例えば、「直線道路の安全性しか知らない直線走行の専門家」、「カーブ走行の事しか知らない専門家」、「急カーブの限界を追求する専門家」などの専門家が一般的なのである。
決して、「ありとあらゆる道路コースの形状、路面の状況、見通し状況などを総合的に理解した専門家」というのは、ほぼ皆無なのである。
日頃、公道を走っている者であれば専門家でなくても、「たとえ法定速度内であっても路面が凍っていて霧が出ていて見通しが悪い時は危険で、なおかつ細くて曲がりくねった道は相当速度を落とす必要がある」ということがわかるかと思うが、専門家というのは「私は直線距離の研究を何十年もしてきたから、大丈夫なんだ!」とか、「たとえ路面が悪くても30キロ以上減速する必要はないんだ!」とか、平気でおかしなことを主張しだしたりする。
そうしたときに、如何に専門家は自分の狭い狭い専門分野の事しか知らず、基本中の基本さえ知らないで研究だけしていることが明らかになったりする。

しかも、始末の悪いことに、彼らの盲点や論理的欠陥について指摘すると、必ず彼らは「キレる」のだ。
冗談抜きで、彼らは論理的に自分の考えを見直すことなく、とにかく「キレる」のだ。
専門家という名のつく者たちのほとんど全ての者は、自分の狭い狭い専門分野における、いわゆる「お山の大将」であり、砂上の楼閣の「お山の大将」であり、自分が如何に偉いかを示すことに必死であり、「お山」から転げ落ちることを何よりも恐れている。

なので、当然、金を積まれれば、どんな主張でもし始める。
新型コロナの騒動で、如何に医療関係者が適当なことを言い始めたことを振り返ってもらえればよく理解できるかと思う。
彼らにとって、真実を追求することは全く重要ではなく、如何に自分が「お山の大将」で居続けられるかが重要なのである。

そしてこれも筆者が研究所における専門家に囲まれて10年近くを過ごして実感したのだが、「ほとんど全ての専門家は自分の理論に少しでも欠陥がある」と指摘する者が現れると、全てのエネルギーを注いで個人攻撃を始める。
パワハラやセクハラが横行するノルマ主義の営業部門さえ、血の気が引くレベルの人格否定の個人攻撃を執拗なまでに行ってくる。
ちなみに、この執拗さに男女差は関係ない。
例え攻撃対象が男性であろうが、女性であろうが、関係なく、男性であろうが、女性であろうが、なりふり構わず攻撃する。
嫉妬と憎しみなど、人間の強欲の塊が研究所なのだ。

あなたが何か、大切な決断をするときに専門家の意見を聞こうと思った場合には、慎重に慎重に専門家を選ぶことをお勧めしたい。

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