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願い事

ある日、俺のもとに妖精が現れて「願い事を一つだけかなえてあげよう」と言った。

「何度でも願い事が叶うようにして下さい!」

「皆さんそうおっしゃいますが、それは出来ません。1回だけです。」

「じゃあ、世界一のイケメンで大金持ちでモテモテで不老不死で再生能力があって健康的で芸術的センスがあってスポーツ万能で皆に尊敬されて弁舌さわやかで頭が良くて非の打ち所がない人にして下さい!」

「一言で言っても叶う願いは一つです。一つ決めて下さい。」

「じゃあ、魔法が使えるようにして下さい!」

「現実的な願いにして下さい。却下です。」

「うーん、金かなぁ。でも健康は金で買えないしなぁ。健康か?でも、健康でもモテなければ意味ないしなぁ。でも、モテても魔法の力だっていうのもひっかかるなぁ。心から好きになってもらわないと。かといって、死んでしまったら意味ないしなぁ。うーん…」

「決まりましたか?」

「うるさいな、考えてるんだ、ほっといてくれ。」

「了解しました。」

妖精は消えた。後には紙切れ一枚。それにはこう書かれてあった。

『「ほっといてくれ」との願い叶えました。以上。』

「どこかで聞いたようなオチだぞ、おーい!」

妖精は二度と現れなかった。きっとオチを貶されたのでヘソを曲げたに違いない。




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