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サードウェーブは流行じゃない。もはや革命だ!革命!という話

会社にはエスプレッソマシンが置いてあり、ボタン一個でエスプレッソドリンクが飲めました。美味しくもなくまずくもないエスプレッソはいいリフレッシュのお供でしたが、今やそれは少し前のお話で、WFHになってからは、毎日自分でコーヒーを淹れ一発キメてから会社のMacを開きます。

私が好きなコーヒーは色々ある中でも、スペシャルティコーヒー(スペシャリティコーヒー?)にかなり限定されています。

スペシャルティコーヒーとは何のことかというと、トレーサビリティが農園とコーヒー豆(願わくばVariant)単位でしっかり取れており、かつ加工工程、品質管理がしっかりしており、一言でいうと超美味しいコーヒーです。(ちょっと高級なスーパーで、このきゅうりは私が育てました!みたいな感じですね。ちなみに『トレーサビリティが取れる』とは製造物の身元やロットや物流ルートが消費者側から正確に追えることを指します。)例えばスーパーで売っているコーヒー豆や何かは、どこの農園から仕入れているかまではおそらく追えないでしょう。

結局こうした品種やロット単位で豆を特定することにより、豆に対するフィードバックを正しく行ない、農園自体の技術レベルを上げ、どんどんコーヒーが美味しくなる(きっと!)というサイクルを生み出す営みが、スペシャリティコーヒーの魅力です。

こうした豆を評価するような、コンテストもあったりします。(中米だとカップオブエクセレンス等)コンテスト上位の豆はオークションで売却されたりします。スペシャルティコーヒーのお店で飲めたりもします。

コーヒー豆の加工工程の終盤に熱で煎る作業が入るのですが、その焼き加減で味が変わります。スペシャルティコーヒーは豆のポテンシャルを活かすために、焙煎度が浅くなる傾向にあります。(浅煎りとか、Light Roast (ライトロースト)とか言ったりします。)

釣ったばかりの新鮮な魚は焼き魚にするよりも、刺身だったり、少し炙って食べるのが一番美味しいのと同じで、素材の味を活かすためにはあまり火は入れない方が良いのはコーヒー豆も同じです。(美味しい魚は、焼き魚にしてももちろん美味しいですが、焼き魚にするのであれば別に新鮮でなくても美味しく食べられます。)

コーヒーにもこれと同じことが言えます。やはり新鮮さを際立たせるのであれば、あまり焙煎度を深くしてしまうと、新鮮であるアドバンテージが少なくなってしまうのです。(さすがにコーヒー豆は生では抽出できませんが。)

ちなみに浅煎り浅煎り言ってますが、どんな味するんですか?という話ですが、新鮮で高品質な浅煎り豆のコーヒーは果実感がすごく、非常に甘味があります。甘いコーヒーというより、むしろ苦いジュースです。スターバックスの目覚めの良い感じのコーヒーと比較すると同じカテゴリの飲み物であることを疑うほどです。

品質、トレーサビリティ、浅煎り、といったキーワードが出てきましたが、このワードを提げた雰囲気づくりを行ったコーヒー店が2013年頃から増え出しました。この現象は俗にサードウェーブと呼ばれています。

ちなみにサードウェーブとは文字通り第3の波という意味です。第1次は、1960年代におきた世の中に急激にコーヒーが普及した時期。第二次は2000年代にスタバが美味しいコーヒーで席巻しだした時期。そして第三波です。

サードウェーブの火付け役はブルーボトルコーヒーであると呼ばれています。お洒落な青色のロゴでです。お店の雰囲気は、スタバのウッディな雰囲気とは対照的に、白い爽やかな内装です。何となくですが、老舗の喫茶店も薄暗い味のある印象ですがサードウェーブ系のコーヒーは白が貴重の明るいミニマルな内装の店内であることが多い気がします。

日本のブルーボトルのコーヒーはお世辞にも美味しいとは言えないですが、スペシャルティコーヒーを日本に広めた功績は絶大だと思っています。余談ですが、サードウェーブに乗じて増えたコーヒー店は正直玉石混交です。一見さんお断り風でカッコつけた感じで知った口きくような場所が多いですが(海外でも!!)、そういう店はたいてい嘘みたいに不味いです。店員がフレンドリーで色々親切に教えてくれる店はたいてい美味しいから不思議です。(ただ美味しいコーヒーが飲みたいだけなのに、感じ悪い店員に今まで散々嫌な思いをさせられた経験があります。このあたり共感してくれる人いるんじゃないでしょうか。)でもこれだけは言えますが、本当に美味しいコーヒーは、自分の中のコーヒーという概念が根底から覆るほど美味しいです。

話が逸れてしまいましたが、まとめると、スペシャルティコーヒーというのは農園単位でサプライチェーンのトレーサビリティが確保されている高品質で美味しいコーヒーで、浅煎りで飲むのがトレンド。そのトレンドをサードウェーブと呼ぶがそれに乗じて増えた店はかなりピンキリで注意が必要。という話でした。

最後になります。『サードウェーブ最近はやってるよね〜』とか言われることがあるのですが、サードウェーブは流行りじゃないよ!ということを声を大にして言いたいです。確かにブームに乗った中途半端な店が増殖して、なんだかタピオカ屋みたいになっていますが、美味しい店は本当に美味しい。本質的な営みであるトレーサビリティの確保による品質向上は、サプライチェーンの大きな変革であり、革命です。革命!

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