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進路指導としてのジェンダー教育

このコロナ禍で10代の妊娠が増えていると言う記事を目にするようにな理ました。

こう言うのを見るのは本当に辛い。しかし、アフターコロナの学校現場ではもこういうことへの対応が必要になってくるところもあるでしょう。

中には驚かれる方もあるかもしれないが、学校現場でも女子生徒が妊娠する話はある話。

私も以前、休日出勤をしていた日だったかに「女の先生いますか」と言ってある生徒がやってきたことがあった。たまたま私しか女性教員がおらず、対応すると「先生、妊娠したらどうやって分かりますか。生理がこないんです。」と相談されたことがある。田舎の高校だったし、しかも素朴な女の子だっただけに色んなことに一度に驚いた。結局その生徒は生理がきたそうで、大事には至らなかったが、高校2年生でした。

それ以外にも、妊娠して高校を中退する生徒には今まで数名出会ってきました。皆、特に派手な女の子ではない子たち。妊娠しても妊婦のまま学校に来て、出産してから戻っくれば卒業することはできる事はできるけれど、実際、出産して戻ってくる子は一人もいません。これから子どもを抱えて、高校中退するこの子たちの未来はどうなるのだろうといつも考えてしまいます。

ニュージーランドの公立高校には妊娠した女子生徒が通える学校が併設してあるところがあります。スクールバスはチャイルドシート装備。10代の妊娠中は社会課題としてあるとしても、妊娠した女子生徒が不利益を被らないようにするサポートがあることはとても重要なこと。今の日本は全くそんな余裕はないだろうけれど、妊娠してしまったティーンに何ができるかを考えることはやめては欲しくない。

学校現場ではデートDVだってあるし、ジェンダー教育は本当に足りてない。「デートDV講演会」をやってるだけでは不十分。私は英語科教員だけれど、たまにジェンダーの授業(ジェンダー指数、男・女らしさ、LGBTQ、ステレオタイプ、Metoo運動など)をすると高校生は驚くほど何も知らない(ことに私が驚くと言う図)。保健の授業でやってるぐらいが関の山で、この子たちは何も知らないまま社会に出ていかないといけないんだなと思うと、途方に暮れる。

子どもたちの幸せに性の問題は大きく関わってくる。ジェンダーギャップ指数によると日本で最もジェンダーギャップの少ないのは学校現場。子どもたちは、学校にいるとジェンダーによる不平等を全く感じられていないし、男性と付き合ったり、結婚したり、働き出したりして初めて知ることになってしまう。それでは正直手遅れだ。だからこそ、高校生のうちから社会に出ればどのような不平等が待っていて、どのように立ち向かうかを教えていかないといけないと思う。それって進路指導だと思うけどな。


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