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急速なオンライン授業移行が生み出す格差

職場でオンラインに課題を掲載したりこれからオンラインで授業をすれば、教師の話を聞かない生徒や、友達とおしゃべりして集中できないような生徒の注意を引いたり、こちらから配慮する必要ないんだなと、ふと頭をよぎった。

教室で授業をするときにまず思い描くのは、集中力がない生徒たち。できる生徒はどんな授業でもついてきますが、できない生徒は授業が面白くないとついてきません。今は7クラスの授業を受け持っていますが、クラスのレベルが全て違っているので、よくできるクラスで授業をして生徒がきちんと取り組んでくれて「上手く行った」と思ったまま別のクラスに行けば打ちのめされることが日常です。楽しめていない生徒がいるということは授業が魅力的でない証拠。どうすればもっと良い授業ができるかを考え、それが楽しさひとつでもあります。

しかし、オンラインではそれをする必要がないのではないか、と同僚の先生にいうと「だから、これから格差が生まれるのでは」と話していました。話を聞かない子はどんどん落ちていく。なんかアメリカで見たことがある、この光景。

もちろん、これから全てがオンラインになることは考えにくいですが、例えば、「家庭で使用できるデバイスがある」と答えた生徒の多くがいう「デバイス」とは「携帯」であることがほとんどです。今の公立学校に通う生徒の中でも経済的に厳しい生徒では、パソコンが家庭にない生徒もまだまだ一般的です。インターネット使用料が足りなくなりコンビニの前で携帯を使う生徒も多くいます。そんな子たちはオンラインといえども十分に時間をかけることすらできないでしょう。

コロナで急速に公立高校でも始まったオンライン授業ですが、どのような教育の機会の均等や授業の質を確保していくのか、次の課題となりそうです。



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