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3月29日、『わたし、定時で帰ります。ハイパー』が発売されます

告知です。文芸誌『yom yom』で連載していました『わたし、定時で帰ります。』のシリーズ第2弾が単行本になります。

いやー、第2弾を書けることになるとは。これもひとえに読者の皆さまのおかげです。ありがとうございます!

主人公の東山結衣が今作で対峙するのは、「下請けなら24時間対応すべき」と強いる取引先候補。一方で、超売り手市場で採用された手強い新人たちは結衣以上に「定時で帰る」ことにこだわるわけで……。両者の間でゴリゴリと削られながら、管理職として大きく成長していく結衣の姿をお見守りいただけましたら嬉しいです。

そして、今作では副主人公である種田晃太郎の、体育会系ならではの闇にも食いこんでいきます。誰よりも長時間労働を愛し、取引先や上司にひたすら従うあの男は、なぜああなってしまったのでしょう。今度こそ結衣の味方になってくれるのでしょうか。

他にも、元婚約者・諏訪巧のできる営業マンの顔とか、社長の灰原忍と管理部の石黒良久との過去とか、上海飯店の王丹のバックボーンとか、第1弾では書ききれなかった登場人物の背景も盛りこみました。

そして、来栖泰斗。入社2年目って大変ですよね。もう結衣に甘やかしてはもらえなくなった彼が出した決断は……。書き終わった時、「そうか、君はそっちへ行くのか」と感慨深い気持ちになりました。

さてさて、連載時のタイトルは『わたし、定時で帰ります。〜ブラック企業討入り篇』だったこのお話。単行本化にあたって営業部から「待った」が入りました。「1作目を超えていける気がしない」というのです。

急遽、編集者さん2人と私とでタイトル会議が開かれました。

私 「要するに、『ドラゴンボール超』みたいなタイトルですか」
編1「うーん、そうですね。タイトルの後に何かつける感じですね」
私 「『セーラームーンS』みたいな」
編2「映画だと、リターンズとか、リベンジとか、っていうのもあります」
私 「ちょっとだけ出世したから、グレードアップとか」
編1「イマイチ、超えていける感じがしません」
私 「会社員時代から商品名とか考えるの苦手で、才能がないんです」
編1「……そういう弱音は吐かない」
編2「……」
私 「会社員用語で、コンプライアンスとか、マネジメントとか、どう」
編1「……」
編2「……」
私 「会社員用語で、キャリアアップとか、イノベーションとか」
編1「……」
編2「……」
私 「(ヤケクソで)じゃ、ハイパーとか」
編1「!」
編2「!」
私 「いやー馬鹿っぽいですよね」
編2「いいですね。もとはギリシャ語ですね」
私 「でもなんか馬鹿っぽいかも」
編1「1作目を超えていきそう。ハイパーでいきましょう」
私 「馬鹿っぽくはないですか?」
編1「営業に伝えてみます。……オーケーでました!!!」

そんなこんなでタイトルは『わたし、定時に帰ります。ハイパー』となりました。

はたして超えられたのか。

第1弾に引き続き、すてきすぎる装画を描いてくださったのはマキヒロチさん。管理職になって少しは責任を感じている風の結衣の表情が最高に可愛いでしょう?

あらゆる面から続編の執筆を支えてくれた新潮社の皆様、ドラマ化のプロセスを通じてたくさんの刺激をくださった制作現場の皆様、書店訪問の際に「続編を書くなら!」とアイディアを授けてくださった書店の皆様、ありがとうございました。

また、「今ってどうなってる?」と尋ねるたびに即応してくれた現役会社員の友人たち。「その案件の予算はもっと要る」「私の上司がそのままの人だから、このエピソードをあげる」などなど、優秀な監修者となってくれました。

たくさんの方々のお陰で、なんとか第2弾、できました。

ちなみに、4月からTBSにて放送されるテレビドラマの原作には、この「ハイパー」も含まれます。基本的には第1弾をベースに進むと思いますが、第2弾の要素も入っているはず…。併せてお読みいただけましたら、さらに楽しんでいただけると思います。

『わたし、定時に帰ります。』プロジェクト(新潮社公式サイト)
『わたし、定時に帰ります。ハイバー』(新潮社公式サイト)
『わたし、定時に帰ります。』(TBS公式サイト)

たくさんの人に届きますように!

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「マタタビ潔子の猫魂」で第4回ダ・ヴィンチ文学賞大賞を受賞してデビュー。既刊本は「海に降る」「駅物語」「会社を綴る人」「わたし、定時で帰ります。」「対岸の家事」他。最新刊は「わたし、定時で帰ります。ハイパー」 。ここでは告知と駄文を書きます。

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