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強迫性障害(OCD)についての話

お久しぶりです。もうnoteは引退しようと思っていたのですが、せっかくなのでこの場を借りて一つ、カミングアウトをしようと思います。

僕は生まれてから強迫性障害(OCD)という精神疾患を患っていました。

どういう疾患かというのは私の口から説明すると長くなってしまうので簡単に厚生労働省の説明文をコピペします。

【強迫性障害では、自分でもつまらないことだとわかっていても、そのことが頭から離れない、わかっていながら何度も同じ確認をくりかえしてしまうことで、日常生活にも影響が出てきます。意志に反して頭に浮かんでしまって払いのけられない考えを強迫観念、ある行為をしないでいられないことを強迫行為といいます。たとえば、不潔に思えて過剰に手を洗う、戸締りなどを何度も確認せずにはいられないといったことがあります。】(厚生労働省)

以上が強迫性障害と呼ばれるものです。私はこれを患っています。

上の例では「不潔に思えて過剰に手を洗う」「戸締りなどを何度も確認せずにはいられない」といったものがありますが、以下では私の場合の症例を書きたいと思います。

・机の上に消しカスや主に鉛筆などの文房具類があることそれ自体が許せない(芯が出ていないボールペンは場合によっては可)

・基本的には何事も左右対称でないと直さずにはいられない

・カーテンが一箇所でもめくれていたら気になって集中できない

・家を出る前は必ずリビングの窓と玄関のドアを三回以上ガチャガチャしないと外出できない

・私物はほぼ全て、家の中での配置が決まっており、使ったものはそこに戻さないと気が済まない。

・本を机に置くときは机と並行に、しかも一発で置かなくてはいけない(むやみに動かすと卓上の埃や石などで本が傷つくといけないから)

・本などの配置も自分ルールで配置されているため、他人に荒らされることが苦痛

・裏表(前後)左右上下全てを確認してからではないと物事を進められない

・一つの物事に取り組むからにはそれを極めないといけないと思っている(いわゆる完璧主義)

・道端でカバンから物を出したら、カバンの口をしっかり閉めた後必ず後方を確認しなきゃ気が済まない(右後ろから確認して次に左後ろ、また右後ろを見てしまったら再び左後ろを見る、、、以下無限)

・言わなくてもいいことも、何もかも人に話さなければ気が済まない(自分の成功体験も失敗体験も)

・思い出したくもない過去の出来事は、自分でも思い出すだけ無駄だと思っていても思い出さずにはいられない(なので、もうみんなが忘れているような些細な出来事も、自分にとって印象的なら昨日のことのように思い出してしまう)

・以上の行動・考え全てに不安感、恐怖感や他にも言葉に表せないような感情が伴い、一度強迫行為をしてしまうと止められない

自分が自覚している症状だけでもこれだけあります。まだまだあります。無自覚な部分は多くあり、ほとんどはその場面に遭遇したら急に発症するものばかりです。

なのでおそらく世間一般では「こだわりが強い」「心配性」と呼ばれる行為・思考は数千個にも及ぶと思います(今もなお増え続けている)。

あと、先ほど完璧主義みたいなことを書きましたが、現実にそうなっているわけではありません。もちろん理想≠現実です。だからこそ辛く、何事も楽しむことができないのです。だから趣味が作れないのです(極めようとして、辛く、苦しいものになることがわかっているから)。

そして、こだわらないところはとことんこだわりません。実際、私の部屋は埃まみれですし(部屋より手が目に見えて汚れることを嫌うため)。

ちなみに私の強迫性障害は軽度なものということです。私より重度な人間になるとその強い強迫観念に囚われて身動きが取れなくなり、日常生活に大きな影響を与えています。

私の治療中の身ですのであまり偉そうなことは言えないので「こうすれば治る」などと断言することはできませんし、しません。

ですが、現在は薬で治療をしています(詳しいことはよくわからないのですが、その薬はセロトニンの動きを活発にするらしいです)。

私が医者に「これは完治するのでしょうか」と聞いてみたところ、

「完治はしない。あまり日常生活で強迫行為をしようと思わなくなったら、そこがゴールです」

と言われました(その医者は私の話を親身に聞いてくれました)。

正直、「完治しないのか、、、」とショックを受けましたが、もうどうしようもないことなのでしっかり向き合っていくしかありません。軽減するだけ万々歳です。

この「強迫性障害」は案外持っている人は多いらしいです。ただ病院で診てもらっていないだけで、日常生活で苦痛を抱えている人は大勢いるということです。

ですが、強迫性障害を持っていない人間もいることは事実です。

少なくとも私は日常生活で抱えている困難は誰しもが抱えていて、この困難にストレスに耐えられないのは自分だけだと自分を責めていました。自分の弱さがそうさせているのだと。みんなも耐えているから私も耐えなくてはいけないと。

しかし、そうではありませんでした。

自分は他の人とは違うのだと。

ハンデを抱えながら生きているのだと。

この事実は苦しいです。今でも苦しいです。そして皮肉なことにこの苦しみは強迫観念になって私に襲いかかってきます。さらに苦しみは増幅します。

ですが、生きていくしかありません。余裕が生まれるまでは私の心身を優先して生活していこうと思います。ご迷惑をおかけします。

以上が私の強迫性障害(OCD)についての話でした。

最後に、

私自身がこの疾患を抱えているからわかるのですが、この疾患に対する偏見・誹謗中傷それ自体が本人を地獄の果てまで追い込みます。これはどの疾患にも当然当てはまることなのですが、それを抱えている人の行動・思考を否定するようなことは絶対にやめてください。というか誰に対してもやらないことを強くお勧めします。

(強迫行為や強迫観念を「こだわり」「心配性」などとあえてわかりやすいように表現しましたが、実際は違います。ご承知ください)

※これらに当てはまるからといって「強迫性障害」であるとは限りません。詳しくは医療機関で受診してください。

終わり

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